ニースの絶品ローカルレストラン

神谷シェフおすすめの3件を紹介します

「HANgoût以外に美味しいレストラン、どこか教えて」と言って、神谷シェフに3店を挙げてもらった。地元では実力派と名高い店だそうで、早速HGが休みの間、飛び込んでみた。さすが、プロが教える店は外さないわ。

予約が難しい名店「ラ・メレンダ」

まずは旧市街西側にある「La Merenda(メレンダ)」。ここは、かなりハードルが高い。何しろ「電話はない。予約したかったら、店に来て直接言って」だそうである。観光客なら、開店前に行って並ぶしかないのだ。

直接行って開店前に並んでみた

私も開店15分前に行った。シーズンオフだから誰もいないだろうと思っていたら、先客カップルが既にいた。日本人。むむっ(苦笑)

店の外には今夜のメニューが黒板に。名物のピストー(バジルペースト)のパスタはないようだ。何にしようかと思っていたら、強面のおじさんが登場。一人だよと言うと「連れは後で来るか」と聞かれた。来ないよ、と言うと肩をすくめる。カップル文化の国である。

南仏名物「ピストー」のスープから

狭い店の中は、壁に張り付くように席が並ぶ。来た順にどんどん詰め込んでいくスタイルらしく、さっきのカップルと並びになった。すごく居づらいんだけど(苦笑)

アントレは、ピストーのスープ。この店のスペシャル、ピストーのパスタは逃したものの、このスープもやはり南仏ならではの味。野菜の角切りと豆が薄味のスープで柔らかく煮込まれ、非常に具だくさんで家庭的なお味。ニース名物のピストーの香りが、ほわほわ立ち上るのが良い。

後ろに座ってたスペイン人の夫婦が「それどんな味?」と聞いてきたので説明したら、話が弾んでお互い片言の英語で終始盛り上がった。こういう旅先のコミュニケーションは楽しい。でも隣の日本人カップルは、無言でもくもくと……(声かけたらよかったかな)。

ワインはまず、ロゼからスタート。ごく淡いピンクの、プロヴァンスのワインだ。ピシェ(カラフ)がないのでヴェレ(グラス)で。一緒にバドワ(炭酸水)を頼んだら、かわいいグラスが来た。昔、おばあちゃんの家で使ってたような。店の雰囲気がレトロなので、なんだか実にしっくりくる。

メインはトリップの煮込み!フランス~~

プラ(メイン)は、トリップ(ハチノス)の煮込み。これがあるからフランス料理が好きよ~。席に皿が置かれる前から、あたりに広がる臓物臭。私は生肉とジビエ、モツ類が大好物だが、嫌いな人にはごめんちゃい。でも、とーーーーってもデリシュ―――♡

やわらかいモツは、ジューシーでプルンプルン。がっつりモツの旨みと臭い(匂いではなく臭いw)が感じられ、ワインとほんの少しのトマト?を感じる、さっぱりした出汁がまた絶妙。添えられているのは、極太のポムフリット。私は基本的にフライドポテトは好まないが、これくらい太いと別物だった。最初カリカリしていて、最後は汁を吸って違う一品になるのがいい。

デザートはいかが、と聞かれたがお腹いっぱい。スペイン人のご夫婦にチャオと挨拶して、ご機嫌で店を出た。しっかりしたフランス料理を食べた気がする。値段はグラスワイン2杯と2コースで40ユーロ少々。ここらの値段では相場だろう。

La Merenda website

ニース名物「ソッカ」なら「Chez Pipo」

もう一軒は、ちょっと旧市街から離れて、ニース港にほど近い「Socca(ソッカ)」の名店、「Chez Pipo(シェ・ピポ)」。ソッカとは、ひよこ豆の薄焼きパンケーキ。ニースの名物料理で、どちらかと言えば観光客より地元の人に人気がある軽食だ。

世界でいちばん美味いソッカを食わせる店

ここは神谷シェフいわくニースで一番。つまり世界でいちばん美味いソッカを食べさせる店。年中満席の店内に、なんとか首尾よく滑り込む。

「ソッカが焼けるまで15分かかるわ、いい?」とイタリアなまりの英語のお姉さんに案内され、店の奥の小さなテーブルに。もう押すな押すなの大賑わい。こんな店、うまいに決まってる(笑)

タプナードがまたうまい、たまらぬ

ソッカ待ちの間、大盛りのロゼワインと、タプナード(ペースト)でちびちび。カリカリのパンは自動でついてくる。オリーブとトマト、2種類頼んだけど、どっちも美味しい。止まらない~

ようやく30分ほど経って(苦笑)ソッカ到着。サイズが大小あって、これは小さい方。塩コショウを好みでかけるが、なくても薄い塩味で美味しい。

香ばしさとサクッとした歯ざわりが楽しく、噛むほどにひよこ豆の甘味が口に広がる。これは日本人ウケする味だ。焼きたてを食べないと美味しくないというのもわかる。

ちなみに値段はタプナード2種で3ユーロ、ソッカの小が2.7ユーロ。カフェやビストロで食べるランチの半額以下でお腹いっぱいだ。ぜひ港まで足を運んで食べてみて欲しい。帰りは「ラ・ポルト」からたくさんのバスが出ていてアクセスも便利だ。

Chez pipo website

旧市街のジェラートなら「Fenoccio」

こちらは旧市街で一番人気のジェラート屋さん「Fenoccio(フェノッキオ)」。神谷シェフいち推しのジェラートは隣町のアンティーブにある店だが、ニースも街中ならここが間違いない。

とにかく人が多い、負けるな(笑)

平日の昼間でこの賑わい。夜遅くまでやっていて、フレーバーが非常に多いのが人気の秘密らしい。


注文方法は、コーンなら「コルネ」、カップなら「ポッ」を指定。あとは個数を言って好きなものを「サ・シルブプレ」の指さしでOK。ただ、日本人には何の味かわからないものが多いので、できたら予習して行くと良い。こちら2020年秋の時点の公式アイスクリーム。

※クリック拡大

シャーベットはこちら。あと、アイスケーキもあるみたい。

※クリック拡大

私が食べたのは「コクリコ(ひなげし)」「キャラメルサレ(塩キャラメル)「シトロンメランジェ(メレンゲ入りレモンシャーベット)」。きめが細かくて美味しい。

ちなみに旧市街ど真ん中の店は常に人であふれているが、海に近い路地に支店があり、そっちはガラガラだった。意外と知られていないのかもしれない。

Fenoccio website