下町のブションでリヨン料理を満喫

リヨンと言えばの「ブション」へ!

リヨンに来たからには、もう一軒くらいブションに行っておかねば。そう思って、ある方におすすめされた「Le Café des Fédérations(ル カフェ デ フェデラシオン」にやってきた。

国立美術館やオペラ座の近く

ランチだけど、ちゃんと予約もした。じゃないと連日満員で入れないんだそうだ。きっと美味しいのだろう。オラわくわくしてきたぞ!店はメトロ「オテル デ ヴィル」駅から西へ5分ほど歩いた、下町っぽい路地にある。

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近くに国立美術館があり、そのついでに寄るはずだったんだけど、国民の祝日でお休み(涙)日本だと祝日に客が押し寄せるんだけど、こちらでは閉めるところもけっこう多い。

オンライン予約ができるよ

ちょっとレトロなドアをあけて、すぐ右手にレジ。そのど真ん前に私の席が作ってあった。お一人様用、通路の補助席(笑) 「あなた、日本から1名で予約してくれた方ね」と、きれいな英語のマダムがにっこり。ここはネット予約がスムーズで、すぐに返事が返ってくるので安心。

Nous vous remercions pour votre email et vous confirmons votre réservation.

これ、予約オッケーよん♪という意味。とても親切だし観光客慣れしてる感じ。でも、お客さんは地元の常連さんだとかフランス語を話す飛び込み客ばかり。オラ、ますますわくわくしてきたぞw

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メニュー(ラカルト)を渡される。休日用のランチコースのようだ。気を使って英語のを渡してくれたんだろうけど、メニューはフランス語の方がええんだわ、まあ想像しながら頑張ってみよう。

ランチはかなりボリュームあり

前菜が3種書いてあるので、選ぶのかと思ったらなんと全部でてくるそうな。じゃあ、つまみになりそうなのが多いから、ワインは待望の「ポ」でヴァン・ドゥ・ターブル(ハウスワイン)いっちゃおうっかな。460mL?ははは、軽い軽い。(大酒のみ)

そして疾風のようにセッティングされたの図がこれ。前菜だけでこれよ、すごい量だ。

恐ろしいことに、となりのテーブルの人はおかわりしてる。たぶんだけど、食べ放題な感じがする…。日本人だと3人前の量だけど…(笑)


てゆーか、この「ポ」のかわいいこと、みてみてー豚の絵がついてる。お店のマークで、お皿も同じ絵柄。この古めかしい店にぴったりで、とても気に入った。

中身のワインは、コート・ド・ローヌを選択。「ヌーヴォー」って言ってたから、新酒かもしれない。それなら、ボージョレで賑わう日本より、一足お先のイタダキマスだな♪

ランチコースを1品ずつご紹介

さて、料理を1品ずつ。アラカルトでも頼めるようだけど、基本はみんなこのコースから選んでいるようだ。リヨンの美味しいものがずらり。お腹を空かしてきてよかった(これ大事)

シャルキュトリ(肉盛り合わせ)

まず、フランスで「シャルキュトリ」と言われる盛り合わせプレートは、小さなボウルの中が酢漬けヘリン(にしん)とじゃがいものリエット(パテのようなもの)、リヨン風デリカテッセン(ソーセージとサラミ)、コルニション(小さいきゅうりのピクルス)。

特筆すべきはリエット。さっぱりしてるけど、魚の風味がしっかり。日本人好みの味わいで、これは白ワインが欲しかった~。肉類は日本のより獣くさいけど、私は大好き。特にサラミは脂が美味しかった。ちょっと塩が濃い目で、それがまたいい。

フランス人が大好きなレンズ豆

フランスの惣菜に欠かせない、レンズ豆(レンティル)。小粒のものを柔らかく煮て、たぶんマスタードのペーストかマスタードオイルの入ったビネグレット(フレンチドレッシング)で和えてある。

口に含むと、ハーブの香りがふわり。わずかにプラスされた、薄切りたまねぎのマリネが、単調になりがちな豆の風味にアクセントを与えている。フランスに来るたび、色んな形でレンズ豆を食べるけど、本当に美味しい豆だと思う。日本でももっと流行ればいいのに。

冬に美味しい野菜、アンディーブ

前菜の3つ目、この時期(秋~冬)に美味しいアンディーブのサラダ。チコリとも呼ばれている、ちっちゃい芯の多い白菜みたいな葉野菜で、よくグラタンなどにするレシピを見かける。

こちらはマヨネーズタイプのドレッシングで和えたサラダ。少し塩もみしてあるのか、口当たりがやさしく、ほんのりとした独特の苦みがフレッシュ。

特に、固い芯の部分がコリコリして好き。これもどっちかと言うと、白ワインか泡に合いそうな味。

以上、3品を頑張って食べたけど、サラダと豆は半分も食べられなかった。普段の平日ランチもこの調子のようだ。値段も安いし(日曜メニュー19.5ユーロ)、そりゃ流行るでしょう。

メインはリヨン名物の「クネル」

上記のメニュー(英語)を、日本語で解読してみた。全くフランス料理を知らない人なら英語の方がいいけど、リヨン名物のフレンチを食べに来た人は迷ってしまうと思う。こうやって見ると、ちゃんとお目当てがあるでしょ~♪(ちなみにメニューは日替わりなので悪しからず)

◆Black pudding with apple(ブーダン・ノワールの林檎添え)
◆Small chitterling sausage with mustard sauce (アンドゥイエットの辛子ソース)
◆Stew of pork cheeks ( joue de porc à la lyonnaise/リヨン風豚頬肉の煮込み)
◆Quenelle with nantua sauce and crayfish(クネルのナンチュアソース ザリガニ入り)
◆calf head with ravigote sauce (仔牛の頭と野菜みじん切りマリネソース)
◆Chicken with vinegar (Poulet au vinaigre/リヨン風ヴィネガーチキン)
◆Cake of chicken liver (鶏レバーのパテ)
焼き色がしっかりついた「クネル」

私のオーダーは、悩んだ末にクネル。リヨンで食べずに帰るのも寂しいので、途中で飽きるかな~と思いつつ注文してみた。

そしてやってきたのがコレ。おー、美味しそう。そしてデカいw 熱々でヤケドしそう、湯気がいい匂い!しっかり焼き色のついたタイプで、Daniel et Denice(過去記事参照)より庶民っぽい。

ほら~、ザリガニ!ナンチュアソースの赤い色はザリガニの殻の色。1匹だけだけど、贅沢な気がする。殻も食べてしまったw お味は濃厚にしてやさしい、甲殻類の実力を集約したような旨さ。名物にうまいものあり!たっぷりのソースをすくって、ふわふわクネルと口に運び、ぱりぱりのパンでまたすくって…

気が付いたら大きなクネルが消えていて、残りのソースを必死にパンでぬぐって食べていた。日本で体験したクネルと全くインパクトが違う、コテコテのフレンチ。ああ、満足。…やっぱりクネルにして良かった(笑)

残念ながらデザートは辞退した

私のお皿がピカピカになってるのを見て、マダムが「美味しかった?!デザート持ってくるわね」と言ってくれたけど、その時点でもう胃袋のキャパを超えていたので、残念だけど辞退した。(本当はデザートもついている)

さてお勘定という段になって、あらあら?ちょっとレジの後ろに何かあるよー。もしかしてもしかして?そう、あのかわいい豚さんの「ポ」が販売されていたのだ。旧市街で「重いから買わない」と思ったのに、つい買ってしまった(笑)まあ、こっちの方が安かったし、いいか。

これでワイン飲む日が楽しみニャ。天井から吊ってあるでかいソーセージも売り物のようで、コンビニのレジ前で無意識にいちご大福を買ってしまう意志の弱い私には、とてもデンジャラスな店である。

トイレには必ず行くべし(笑)

おまけ画像。この店は豚がマスコットになっているせいか、あちこちに豚の絵が描かれている。

これはトイレ。女王様のような女子豚が「ペーパー欲しいんでしょ」と、ドヤ顔で見下ろす絵が、ドア内側に描かれている。

表側にも、もう一匹。ここに来たら、ぜひトイレチェックもお忘れなく。