オルセー美術館~ギャラリーラファイエット

こちらは2013年の記事を再掲しています。現在とは情報が違う部分がありますので、予めご了承ください。

朝イチ、オルセー美術館へ

起きたら雨やーん(涙)今日はいっぱい移動するのに、どうしてくれよう。取りあえず雨の中、折りたたみ傘をさして徒歩で「オルセー美術館(Musée d’Orsay)」へ向かう。今日はプチデジュネ(朝食)いただいてないから寒いわー。

朝のパリもいいもんですわ

でも、まだ閉まってるお店のウィンドウを見ながら歩くの悪くない。ここらは住宅もいっぱいあるけど、その中に素敵なショップが点在していて、特にインテリアのお店は、雑誌のグラビアみたいにセンス良くてうっとりする。

あと、やはり犬の散歩してる人が多い。前に来たときは落し物がいっぱいあって、踏まないように気を付けて歩いたけど、今はあんまりない。やっぱり洗浄車が回って洗い流すからだろうか。とりあえずそんなに汚くない、パリ。

いきなり開館遅延のお知らせ

オルセーに到着。セーヌ河に入り口は面してない。さらに言うとチケット売り場はこの大屋根の向こう側。なぜそんなに裏通りが好きなんだ、パリの美術館。

さらに、せっかく開館前に来てポールポジションから2番目に並んでたのに、館内から外に向かって張り紙が出た。

「開けるの、ちょっと遅れます」(理由とか一切なしw)

ががーん、と思ったが、ここはフランス。待つしかない。その間に体がいよいよ冷えたので、向かいのカフェに飛び込み朝食をとることに。クレームデカフェイネとタルティーヌを注文したら「クロワッサンじゃないの?」と聞かれた。日本人はみんなクロワッサンを注文するのだろうか。

ちなみにタルティーヌはパンに何か塗ってあるやつ(なんて乱暴な説明w)バターだったりコンフィチュール(ジャム)だったり。ハムやチーズでオープンサンドになってるのもある。この店のはバターのみ。ちょっと寂しい。

クレームデカフェイネは、カフェオレのカフェイン抜き。実は私はコーヒーが苦手で、注文することは滅多にない。今日は寒さと眠さを解消するためにカフェイン抜きを飲んでみたけど、やっぱショコラショー(ホットチョコレート)にしたらよかった。慣れないことはするものでない。

ようやく中へ。まずはセキュリティチェック

また並び直して、待つ。雨はじとじと降り続け、後ろに並んでた中東系のおばちゃんと「もしかしたらいつも開館が遅れるから、雨除けのために大屋根があるのと違うか」と冗談とばしてるうち、やっとドアがあいてセキュリティチェックが始まった。

ここではオーディオガイドに日本語はない。英語のを借りようかと思ったけど、並んでいたのでパス。造りがルーブルに比べてシンプルなので、ずいずいと一階から順番に見て回ってOKだ。ただしオルセーはヨーロッパの美術館には珍しく、写真がNG。入口でしょんぼりしている人もいた。(現在は撮影可)

珍しく彫刻萌えしてしまった

そんなわけで、記憶の中のレポになるが、非常にセレクトされた品のいい展示が印象に残った。有名どころでは「草上の昼食」や「落ち穂拾い」などだろう。また、ゴッホの「アルルの女」黒服バージョン、度肝を抜かれる「世界の起源」(知らない人はググってみよう)など、生涯の記憶に焼きつけられるような作品も数多く展示されている。

しかし私が最も惹かれたのはロダンとカミーユクローデルの彫刻だった。単体ではもちろん並べると、彼らの作品は異様なほどの振動を発していて生々しく、いかに二人の創作が烈しい念に駆られたものだったかが伝わってくる。

時計のホールは景色も素敵

見ていると胸が重たくなったので、階上に上がり時計のホールへ。隙間から覗くと、足元にセーヌ川が流れ、はるか遠くにサクレクール寺院が見える。あまりにも美しい、パリの一幕である。

そして北側の通路へ回ると、今度はまた違うオルセーの姿が見られる。「マダム、こちらから御覧なさい」と、老夫婦が手招きしてくれた場所が展望コーナーになっていて、ここからは写真が撮られるようだ。

この独特の建物は、1900年パリ万博の時に作られたパリの終着駅だった。時を経て使用されなくなったこの美しいベル・エポック様式の駅舎を、美術館として生まれ変わらせたのが、ポンピドー大統領。そして約20年前に、古くて新しいパリの文化遺産が誕生したわけだ。

パリの街はこういう古い建物が生きていて、街全てがそれを受け入れて成り立っている。古い事がすなわち正しいとは思わないが、日本の街も見習うべき点は多いにあると、ヨーロッパに行くたびにしみじみ思ってしまう。

ギャラリー・ラファイエット

次にやってきたのが、オペラのランドマーク「ギャラリーラファイエット(Galeries Lafayette)」。パリでいちばん大きな百貨店で、すぐ隣には同じく百貨店のプランタン。ここらを半日回れば、大抵のものは揃いそう。でも私の場合は高級やらモダンやらに興味はないので、さっさと売り場を通り過ぎ、上階のカフェテリアへ。

上階のカフェテリアが穴場

意外と日本人は寄り付かないみたいだが、アホみたいにランチがバカ高いオペラ界隈で、観光客が一人で食事するには便利だと思う。語学力もいらない。トレイを持ってすきな料理を取ってレジでお金払うだけ。

暖かい料理のブースもあったけど、今晩のディネのために軽いものをチョイス。大小2種類あるサラダ、こちらは小サイズで野菜不足解消。豆やらマリネやらどっさりいただいて、ちょっとほっとした。

ボウルの中身は本日のスープ。たぶんアスパラガスとポテト(よくわからない)。うーん、あんまり美味しくはないけど(味がうすい……)、体は温まった。

名物のドームも見て行こう

ラファイエット名物、ドームの吹き抜け。いやー、お見事。

さすがに古い歴史のある建物。まるでオペラハウスのような、芸術的な様式だ。オッサンどいてくれなかったからそのまま撮ったけど(笑)まるで絵葉書みたいよ、んまぁパリ!って感じ(伝わったかしらw)たしかプランタンにも同じようなホールがあったはず。

そしてこの後、何も買わずにトイレだけ借りて、次の目的地へ。いやこれ、とても大事よ。日本だとどこでもトイレあると思ってるでしょ。なんかヨーロッパって少ないよね、デパートだって全ての階にあるわけでなし。あっても有料だったりするもんね。

ポンピドーセンターはお休みだった

ここで哀しいお知らせです。なーんとポンピドーセンターがお休みやった!ちゃんとチェックしたつもりで大チョンボ。雨の中、せっせと行ったのに「なーんかシーンとしてるなぁ」と思ったら、そういうことか。

ちなみに、ここも大通りじゃなくて裏道に面してエントランスがあるね。あー、あのウニョンウニョンしたエスカレーター乗りたかった。また次回に期待だな。絶対リベンジしてやるっ。

パリのお野菜チェック

予定がぽっかり空いたので、スーパーに突撃してみた。アパルトマンの隣もchampionとかいうスーパーが入ってたけど、サンジェルマン・デ・プレで次の待ち合わせしてるので、その近くの「Monoprix」(モノプリ)に来てみた。パリでは「カルフール」と並ぶ大手スーパーだ。

Monoprixの野菜売り場に行ってみた

ランク的にはちょっと高級っぽいのかな。サンジェルマンだからかもしれないけど、ディスプレイもとってもきれい。特に野菜コーナーが圧巻だった。

手前の白いのがチコリ。もしかしたらフランスではアンディーブかも。その横がインゲン、上が新たまねぎみたいなの、ラディッシュ、アスパラガス各種。野生のアスパラもあった。茎が細くて穂が大きいの。

見て、このもりもりの「アルティショー(アーティーチョーク)」。日本でたまにデパートで見かけたら、1個1000円くらいするよね。料理本にはレモン汁入れてゆでるとか、ゆであがったらソースはこれがいいとか書いてあるけど、近所に住んでたイギリス人奥さんは「あんなんデブになる!塩ゆでしてポン酢がいちばん!」と仰っていた。

そしてその背後はフヌイユ。英語でフェンネル。日本語でウイキョウ。葉っぱは香りが強く、魚料理に使われることが多い。茎(丸い部分)はサラダ、炒め物、スープなどに。ちなみに、フヌイユとよく似てて、もう少しゴツくしたやつが、セルリアック(セロリの根)。日本のセロリとは種類が違い、肥大した根をサラダやスープで食べる。「セルリーレムラード」という定番のサラダは、細切りをマヨソースで和えたものだ。

そしてドサーーーと積んであるホワイトアスパラ。ヨーロッパの人はほんとにこれ好きよね~。日本でいう春のたけのこみたいなもんか?いや、それ以上でしょう。フランス語だとアスペルジュ 、ドイツ語ではシュパーゲル、イタリア語ではアスパーラゴ。値段は他の野菜より高いそうで、ポロねぎを「貧乏人のアスパラガス」と言ったりすると聞く。

このような筋が入ったトマトは、ヨーロッパのあちこちで見かける。おそらく原種に近いのだろう。日本で鑑賞用として輸入された16世紀、「唐柿」と言われていたのがこの形で、後に「唐茄子」「蕃茄子」として狩野派の絵にも描かれている。ちなみにフランスのトマトの種類は430種もあるそうだ。日本でも以前にカゴメを取材させてもらったとき、色だけでもすごい種類があって驚いたことがある。

これは梨。フランス語でLa poire(ラ・ポワー)。間違っても「ラ・フランス」とか言っちゃだめ。それは和製仏語で、品種ではなく国名そのものをあらわすものだから。でもまぁ、外国のスーパーでも日本の温州ミカンを「SATSUMA(サツマ)」って表記してあるけどね…

ちょっとグロい肉売場(閲覧注意)

肉売り場は日本と全く違う様相。皮向いてお腹だされたlウサちゃんが並んでるよねー。パテになるのかシチューになるのか。

フランス語で牛肉はboeuf(ブッフ)、子牛はveau(ヴォー)、鶏肉はpoulet(プーレ)、あんまり見かけないけど豚肉はporc(ポーク)、鴨はcanard(カナル)、鳩はpigeon(ピジオン)、うさぎはlapin(ラパン)… ここらへんまではなんとなくわかるんだけど、agneau(子羊)、caille(うずら)、pintade(ホロホロ鳥)、dinde(七面鳥)、lievre(野ウサギ)、faisan (きじ)、biche(雄鹿)、cerf(雌鹿)とかになると皆目お手上げ。

さらに部位や切り方、調理法などで名前が変わる。やはりヨーロッパの肉食の歴史って奥深いのだなと、肉売り場に行くたび思う。そのかわり、魚はちょびっとしかないけど。

こっちはお惣菜コーナー。見よ。フランスの町のスーパーの総菜コーナーの、この充実っぷりを。サラダ系だけでこんなにあって、その向こうにはオリーブが何十種類、焼くだけのグラタン類や、ローストした肉、ハム、チーズ…。まあ皆さん勢いよく買っておられる。

そしてボンマルシェでも疑問に思ったんだけど、こういう作りこんだテリーヌみたいなのがいっぱいあるのね。一人前のだけじゃなくて、デコレーションケーキみたいなのも、いくつもあるの。家でも前菜にこだわりたいのか、来客用なのか。味はそんなに美味しくないと誰かが言っていたようなw