Chez L’Ami Jeanにてバスク料理

こちらは2013年の記事を再掲しています。現在とは情報が違う部分がありますので、予めご了承ください。

素敵なディネ(夕食)のはじまり

昨夜のマダムとレストランに行くの。うきうきしながらサンジェルマン・デ・プレ教会の前で待ってたら、素敵なマダムを発見!

うわ~パリ♡というカップルにうっとり

思わず見とれてしまったぜ、ひゅーひゅー、どんだけパリなの、素敵なの。私も髪が真っ白になったら、こういう思い切った赤を身に着けたい。そう思って眺めていると・・・なんと同じ赤でお洒落したおじいちゃまが登場。カップルで赤白だよ、ブラヴォー。

お二人、赤でコーディネートして歩いておられる様は、本当に何かのポスターみたい。ほんと、パリの人のファッションは「流行ってるものを着る」日本と違って「自分に似合うものを着る」が徹底してる。

ビストロ「Chez L’Ami Jean」へ

そこへパリのエスプリを身にまとった、今夜の案内役が登場。連日予約が取れない事で有名なビストロ「Chez L’Ami Jean(シェ・ラミ・ジャン)」へ。うれしいなぁ、うれしいなぁ♪

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お店の場所は7区、エッフェル塔の近くで観光客にもアクセスしやすい場所にある。小さな通りにあって、店構えはそんな大層には見えない(すまん;)んだけど、連日連夜満席で、数々のグルメ本にも登場する。

昨日の「Frenchie」もそうだけど、こういう店ってあんまりガイドブックには載ってないから、パリに慣れてる人に紹介してもらうしかない。ましてや予約となるとフランス語。マダムのお蔭で潜入できたが、一人だったら諦めてたかも。

さて、入店。「狭くてガヤガヤしてるのよ~。気楽な感じ」とマダムから聞いていたが、なるほどカジュアル。壁にはコミック系のペイント、ジーンズのお客さんも多い。

ジーンズでも大丈夫な雰囲気

私たちのテーブルは右の壁際で、隣と30㎝くらいしか離れていない。アメリカ人と思しきおっさんたちが、コースで山盛り食べておられたが、私たちは量が食べられないのでアラカルトにした。

バスクはスペイン国境の地方で、味付けも調理法も野趣あふれている。お上品なちんまりしたフランス料理ではなく、どーんと盛ってぐわっと食べる、その活力が店内に漲っている。

まずは付き出しに当たるものから

何を頼んでも、まず運ばれてくるのが、パテ・ド・カンパーニュ。どうよ、この美味しそうな脂。好きなだけ切って、パンと一緒にどうぞって事なんだけど、大皿を全テーブルでシェアするので、ぼーっとしてたら「早く取ってw」と言われた。ごめんなさーい!

お味は直球ストライク!お肉の味がしっかりしていて、塩分も躊躇せず使ってスパイスたっぷり、酒がすすむなー。もちろん、パンもしっかりした風味。もっちりして皮が厚くて、噛んだら麦の風味がガーンとくる田舎パン。

いきなりパンチの利いたおつまみからスタートし、すでにもう前菜を終わったような気になるが、また何かやってきた。

コーニシオン!英国ではガーキン、アメリカではピクルス。ちっちゃいきゅうりの酢漬け。これ、実は大好物。いっぱい取ってしまった。きりっとした味で美味しい~~

前菜はホワイトアスパラのスープ

さあ、Entree(前菜)が来たよ!オーダーしたのはホワイトアスパラのスープ仕立て、長さ20㎝以上ある巨大なアスパラが、どどーん!スープを一口すすって唸ってしまった。牛骨髄の味が口いっぱいに広がって、香草の爽やかなフレーバーがあとからついてくる。何度もスプーンを口に運びたくなる、濃厚で後を引くやばいダシ。

アスパラは蒸してあるのか?ギリギリ火が通ったくらいのしゃっきり感で、甘いのなんの。横に浮いてる何かをぱくっと口に放り込んだら、フォアグラだった。うーん、アスパラの淡白さとフォアグラの濃さが何ともナイスマッチ。

実は私はホワイトアスパラがそんなに好きでもなく、フォアグラはどっちかというと遠慮したい方。でも、せっかくならフランスっぽいものを食べてみようと挑戦したのだが、これは相当いける。味付けがとても好みで、脂っこくなかったせいかもしれない。ちなみにマダムは鮭。盛り付けがきれいで、かなり身が分厚かった。

メインは「鳩のポットロースト」

そしてplat(メイン)が来た。日本であまり食べられないものをと、今日は鳩のポットローストをチョイス。私たちのテーブルを仕切ってくれたタランティーノ君(命名by私)が、せっせと盛り付けてくれた。これもスープ仕立てである。

ストウブのお鍋でサーブされる。けっこうな量が入っているが、全部食べてもいいんだろうか(いいんです)お皿に盛ったのが、こちら。鳩ってどんな味、って思う人も多いだろうけど、チキンを野性的にした感じで、香りの強い野菜とはとても良く合う。私はウサギより鳩が好き。

で、お料理のお味は…。脂っ気に関して言えば、非常にさっぱり。ローストして野菜のブイヨンで軽く煮込まれた肉は、シチューのようなホロホロ系ではなく、炭火の焼き鳥にジュースを含んだような、力強い肉の魅力がある。

惜しむらくは、前菜とメインの味つけが似ていたため、もっと落差のあるものにすれば良かったという事だ。こればかりは私がメニュー読解力を鍛えなけらばならない。でも美味しかったので非常に満足。

付け合わせはポテトのピュレ

メインの付け合せにサーブされた、ボウルいっぱいのじゃがいもピュレ。こいつが異様に満腹になった原因である。

口あたりがなめらかでスイスイ食べられるが……使ってるバターと生クリームを考えるとカロリー爆弾まちがいなし。きっとこれだけで1000カロリーはあるはず。でもうまい!

デザートもいっちゃいますよ!

ここまでですでにお腹いっぱいだけど、タランティーノ君が「デザートいかかですか?」とやってきた。どうしようかな、別腹発動しちゃおうかな。

私が選んだのはマンゴーとソルベの何たら(忘れた)という、パフェ的な一品。写真では小さそうに写ってるけど、スプーンはカレースプーンに近い大きさですから(笑)

シトロンのソルベに果肉がごっさり入ったマンゴーソース。洋酒の香りが効いてるけど、何かは判断できず。クラッシュしたタルト生地みたいなのが散らされ、ピスタチオのクラッシュも入ってる。けっこう甘いんだけど、これは素晴らしいハーモニー。この「思い切って甘くする」のが美味しさのポイントだと思う。

マダムのはお米のミルク煮「リ・オレ」

フランスの伝統的なデザートで、直訳すれば「牛乳米」。米を甘いミルクで煮込んだもので、主食が米の日本人から見たら違和感のある一品だが、マダムが絶賛してるので、ちょっとだけもらった。

てゆーか、一人前でこの量だし(びっくり)ラーメン丼くらいあるよ。普通に食べきれる人いるのかな。いるんだろうね(遠い目)リ・オレはそのまま食べてもいいけど、カラメリゼしたくるみとか、メープルシロップかけていただくのが良いらしい。

あら、やさしいお味。これはアイスクリームみたいな味だ。上等なクリームと本物のヴァニラが使われている。実は私は牛乳そのものの味が苦手なんだけど、それでもこれは美味しいと思った。

そして「私も牛乳飲めないのよ」と、マダム(笑) ミルクが苦手な大和民族にも、フランスの米デザートは受け入れやすいお味であるらしい。

「Chez L’Ami Jean」公式サイト