ユーロスターでドーバーを渡る

こちらは2013年の記事を再掲しています。現在とは情報が違う部分がありますので、予めご了承ください。

北駅からユーロスター乗車

楽しい時間を過ごしているうちに、もうパリを発つ日が来た。この日は昼ごろロンドンへ着くユーロスターを予約しているので、早朝にアパルトマンを片付け、鍵を戻してタクシーで北駅へ。今日の運転手さんは珍しくパリジャンらしい(ドライバーは外国人が多い)。

「Gare du Nord s’il vous plait(パリ北駅までお願いします)」
「Oui!(あいよっ)」

私の拙いフラ語を理解してもらえた。それだけで気持ちが軽くなる。タクシーで行先を告げるときは、いつも手のひらに汗をかく。

パリ「北駅」へ到着

北駅到着。怖いところだと言われるが、中に入ってしまえば比較的安全な北駅。 私はとても駅が好きなんだけど、この駅もとても良いムードのある駅だと思った。古い映画にもたびたびロケ地として登場し、最近ではマットデイモンの映画でもチラッと出てくる。絵になるのだ。

ここからは国鉄RERだけでなく、ヨーロッパ各地に長距離列車が出発する。そのせいか切ないロマンを感じてしまうのだ。特にこの2階から眺めるアングルは素敵。

せっかくだから電車も全部眺めてきた。これは「Thalys(タリス)」。フランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4カ国を結ぶ高速列車で、この赤い車体が目印。いつかこいつに乗ってヨーロッパを旅してみたい。

ちなみに「タリス」や今から乗る「ユーロスター」は。フランス新幹線「TGV」の中で特別に名前の付いた国際長距離列車なんだそうだ。フランス人は「日本の新幹線より速い」と胸を張るが、定時運行率91.8%(日本は95%)、しかも遅延の許容範囲が14分以内というから、日本の鉄子の感覚ではちょっと緩めかも。

まずは出国カードを書こう

ユーロスターの乗り場前にある、出国カードを書くよ~。ただしこれはイギリスに行く列車だから必要なのであって、他のシェンゲン条約を結んでいる欧州諸国に行くときは、ひとつの国内として扱われるので、パスポートの提示などは要求されない。

これは飛行機でも同じで、シェンゲン国同士の乗り継ぎの場合は、先に通過した国で出入国が行われる。例えば成田→アムステルダム乗り継ぎ→最終目的地パリだとすると、アムステルダムで入国審査があるのだ。島国の日本だと、ちょっとわかりにくい感覚だけど。

どの電車かちょっとわかりにくい

時間が来て荷物検査をし、いざホームへ。でも、電車の車輌に番号が書いてないし表示もないので、どこから乗り込んでいいのかわからない。ホームで暇そうにしていた駅員さんに聞いたら、ちょうど自分の座席のある車輌前だった。

車内はこんな感じで、けっこうガラガラ。乗ってすぐ、車両の連結部近くに荷物置き場があって、混んでる時は取り合いになるらしいけど、この日は余裕で置けたし隣もいなかったので楽勝だった。

ちなみに料金は早期に予約したので、わずか50ユーロ。日程が近づくと値段が上がってくるので、早めの予約がおすすめだ。英語が苦手な人は日本の代理店で予約するケースが多いだろうけど、かなり手数料上乗せされるので、覚悟しといたほうがいい。

車内誌の表紙にレオ様が。持って帰って良かったのかな。ショックだったのは北駅の待合室の売店で、朝ご飯用に買ったクロックムシュが黒焦げだったこと(涙)かじってみたけど、焦げ臭くて食べられない!お腹すいた―!ひぃぃぃ

ロンドン、St.パンクラス駅に到着!

ロンドンに着いた~。なんだかほっとするのは、表示が英語になったからか。ここセントパンクラスは国鉄の国際駅で、同じ港内にキングスクロスというチューブ(地下鉄)の駅があり、前回の旅行で何度か訪れているので土地勘があることも大きいと思う。

ここも爽快な天井のアーチがある、美しい駅舎だ。取りあえず駅のエクスチェンジでポンドに両替し、SIMカードを入れ替えるべく地下のヴォーダフォンUKで手続き。パリと違ってこっちは一発で開通♪

日本人経営のゲストハウスへ

ロンドンの宿は、ゲストハウスというのを初体験してみた。

日本の会社が経営している「ハイドパークグリーン」という宿で、歩いて5分のところにハイドパークがある。静かな住宅街の一軒家を、分割してホテルにしており、様々なタイプがあるが私の泊まったのはシングルでバストイレ付き、キッチンとランドリーは共用の部屋。

これが室内。右手に暖炉だった形跡の部分があり、いかにも古い英国のフラット(英国ではアパートをフラットという)といった感じ。

一階なので出入りも便利。各部屋ごとの鍵と玄関の鍵をもらい、あとは自由にしてください、というのがホテルと違って気楽でいい。

本当はミニキッチンがついている部屋がよかったけど、なんとこの部屋だけトイレとお風呂が別々で、しかもバスタブがついているので、それだけでも旅疲れの体には嬉しかった。

何しろパリにいる間中、ちょろちょろの温いシャワーを、寒さに震えながら使っていたので、たっぷりと勢いよくお湯が出るのを確認した時はバンザイしたかったくらい。日本人だねぇw ちなみにキッチンはないけど冷蔵庫と電子レンジ、湯沸しはある。部屋も広いし快適極まりない。これで1泊1万円以下だから、ロンドンではかなり安い部類の宿泊施設だ。