鷲の巣村「エズ」とヴィルフランシュ・シュル・メール

コート・ダ・ジュールの秘境「エズ」へ

ニースは2日もあれば観光できるコンパクトな街だが、海岸沿いに名勝地が点在するコート・ダ・ジュール各地へのアクセス拠点となっている。その中でも人気のある場所が「エズ村(Eze Village/エザヴィラージュ)だろう。私も、何が何でも行こうと意気込んでいた。

神谷シェフのご案内で贅沢ツアー☆

エズは人気の観光地で、ニースの隣町にある。しかし、海抜427メートルの岩山の上にあるため交通の便が悪い。普通は入り口の街まで車で行くところだが、いかんせん徒歩の一人旅。あまり本数がない長距離バスで行くしかないと思っていたら、神谷シェフから天の声が。

「明日、車で連れて行ってあげます」

パルドン????

いや貴方、明日も仕事でしょと言ったけれど「営業は夜だけなんで、朝からエズ行って、ランチご一緒しましょう」と、素敵なお申し出。なんてラッキーなんでしょ。だって、彼はあの超有名ホテル「シャトーエズ」にいたシェフ。その人が自らエズ村を案内してくれるなんて、そんな贅沢なツアー(※もちろん友だち限定ですw)いいのかしら♥と言いながら、ちゃっかりお世話になることに。

というわけで、きっと無理して早起きしてくれた神谷シェフと、おきれいなパートナーのクレールさんと、朝からエズへレッツラゴー。なんとクレールさん、私の母と同じ出身地で、一気に距離なし状態に(笑)

ちなみに、この日のルートはニースからエズ村と高台を回って景色を楽しみ、海まで降りてきてニースの隣町、ヴィルフランシュ・シュル・メールでランチというゴールデンコース。地元のドライバーがいないと実現しなかった。ほんまにありがたいこっちゃ!

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岩山に残る中世「鷲の巣村」

エズ村まではニースから車で30分くらい。町をはなれて山側に走ると、山腹に張り付くような住宅が点在するのが見えてくる。ここら一帯は海の町だと思っていたが、実際は地図を見るとコートダジュールの海岸平野部はわずかで、がっつりと山が迫るような地形だ。

エズの村は、車の乗り入れができない。観光客は歩いて坂道を登っていく。店の従業員なども電気のカートなどを利用し、せっせと荷物を上げている。

なぜ、こんな山の中の辺鄙な場所に、コロニーができたのか。

「ゲルマン民族の侵攻から逃げて、この地に人が集ったんです。頂上に城跡があるけど、下からは見えないようになってます」

と、神谷シェフ。なるほど、山間の隠里だったのか。だからこんな複雑な、要塞みたいな作りなんだね。おっと、道の途中で怪しいマネキン発見!(笑)

残念ながらこの日は曇っていて(あたし雨女♡)海の色は鮮やかではなかったが、それでもこの絶景。晴れたら一幅の絵画のようだろう。住宅の屋根もかわいい。画家が絵を描きたくなるのもわかるな~

坂道のあちこちにあった女神像。よく見るとひとつずつ違う。海を見下ろし、船の安全を祈っているのか、そして村の平和を守っているのか。

「Chateau Eza」で茶をしばく

「じゃあお茶でもしますか~」と言って、シェフが案内してくださった「Chateau Eza(シャトーエザ)」。以前のお勤め先なので、みんな顔見知り。

テレビの旅番組とか、ハイソっぽい女性誌の旅特集とかで見たことあるけど、私みたいなのが入っていいかしら、スニーカーはいてるけど大丈夫かな(ドキドキ

しかし、そこは神谷シェフの顔ききで、海の見えるテラスに着座。写真は寒いのに一人だけスプライト頼んで(場所に合わねえ~)凍えて震える私撮影の図。クレールさんが頼んだショコラショー(ホットチョコレート)、なんとポットで出てきて、文化の違いを知るなど。

Villefranche-sur-Mer

エズ村の絶景と町並みを楽しんだ後は、ヴィルフランシュ・シュル・メールへ。ここは観光客も多いけど、地元の人々から愛される、こじんまりした可愛い町。ここで、魚料理が美味しいレストラン「La mere germaine」へ。

海が目の前、建物がかわいい!

幸運にも外のテラス席が取れ、天気も良くなってきて暖かい。このお店は、テラスのすぐ足元が港。水がきれいで変な匂いしないし、魚もいっぱい泳いでる。ほんと、この海域はきれいなんだなと思う。東京湾では絶対無理だ。

ブイヤベースの本場のお味を堪能

さて料理。私が前菜に南仏名物の「スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)」、神谷シェフが「ブイヤベース」をオーダーしたので、こういうセットが運ばれてきた。カリカリに水分を飛ばしたバゲット、ルイユというソース、生にんにく、粉チーズ。

まずパンににんにくをこすりつけ、ソースをたっぷり塗って、粉チーズをかけスープにドボン。一気にいっぱい放り込むのが南仏流。ブイヤベースも同じく。

ちなみに、具のないのがスープ・ド・ポワソンで、具のあるのがブイヤベース。スープは同じらしい。恥ずかしながら、知らんかった。ギャルソンさんが、途中でおかわりのスープを足してくれた。お味は、全然くさみがなくて、濃厚な魚の旨みがぐっとくる。本当に美味しいスープなんだけど、おかわりまで食べるとさすがにギブアップ~

メインは南仏スタイルのカレー

そしてメイン。海老のカレーソース、ライス添え。シーフードカレーですな。

バターで炊いた長粒米に、カレー粉よりサフランが勝ったソースがよく合う一品。辛さはほとんどない。日本のカレーより、ソースアメリケーヌを想像したらわかりやすいかも。上品で海老のプリプリ感が生きてて、とっても食べやすい。

デセールはブリュレ。1個だけかと思ったら、3種類来た。(1個が日本の普通サイズw)キャラメル、プレーン、コーヒー味の3種で、やっぱりプレーンがいちばん好きかな♡ ごちそうさまでした~~~満喫した~~~~

「La mere germaine」 ホームページ