フニクラで、フルヴィエールの丘へ

「リヨンシティカード」を買いに行く

目覚めたら快晴。昨夜は暗くてわからなかった、リヨンの街をパトロールに出かける。まずは「リヨンシティカード」を買うために、ベルクール広場の観光案内所へ。

公共交通が無料、けっこう使える

webサイトに「案内所は広場にあります」と書いてあるだけで「広場のどこよ」と思ったけど、行ってみたら何もない運動場のような広場で、そこにポツンと建っているのですぐわかる(笑)

「リヨンシティカード」というのは、どの街にもある観光割引券で、普段これ系は元が取れそうにもないから買わないけど、今回はうまく行きたい施設の無料鑑賞があったので3日用(買った瞬間から72時間有効)を購入。公共交通も無料なので、メトロやトラムの発達したリヨンでは役に立つ。一緒にガイドマップなんかもどっさりくれる。ただし、請求しないと領収証をくれないので要注意。

リヨンは風景がとてもきれい

パリも場所によっては素敵だけど、リヨンは街自体が小さくてきれい。こちら、あまりに美しいソーヌ川の朝の光景。まるで磨いた鏡のよう。しばらくうっとり眺めた。

リヨンの街の特徴はこの「川」。ローヌ川とソーヌ川が豊かな水を運ぶことで、この近隣の土地は肥え、非常に上質な農作物がとれる。特にワインはフランスでも名高い名産地。もっと長い滞在なら1日ツアーでワイナリー巡りもできたんだけどな。

名物の「プラリネ」パン食べてみた

朝ごはんは、旧市街の入口「Vieux Lyon(ヴューリヨン)」駅近くの「Éric Kayser(エリックカイザー)」でパンを買った。フランスでは近年、パン屋の高級化が進んでいて、ブーランジェリーが庶民価格でなくなっていく傾向にあるそうだ。生活必需品なのに、ますます生活苦しくなるよね。

ここエリックカイザーもその1軒で、日本でも「メゾンカイザー」という名前でデパ地下に入ってたりする。そう、あのやたら高いクロワッサンを売ってるパン屋。

この日はリヨン名物の真っ赤なプラリネを使った菓子パンをチョイス。カリカリしてまあ美味しかったけど、特に超高級なお味はしなかった。至ってフツーのパンである(笑)

フニクラに乗って丘の上へ

ヴューリヨン駅はメトロとフニクラ、どちらも同じ構内にある。「フニクラ」というのは登山列車の事で、「フニクリフニクラ」っていう歌にもでてくるね。香港のビクトリアピークとか、この間はハンガリーにもあった、こういう登山電車。ヨーロッパでは、たいていフニクラと呼ばれていて、何語なのかよくわからん(ググってね笑)

めっちゃかわいいぞ、フニクラちゃん

駅に入ると、下へ行けばメトロへの階段、上に向かうフニクラ乗り場へのエスカレーター。わかりやすいので迷うことはないはず。

しばらく待ってるときた、フニクラちゃん。きゃー、かわいい。けっこうな頻度で往復しているから、いま行っちゃったばかりでも待ち時間は数分くらい。ただし、乗る人がけっこう多い割には席が少ないのでギュウギュウ詰め。

地元民と思しきおばあちゃんが乗ってきたので席を譲ったら、めるちーって手を握ってくれて、かわいかった^^

ホーム横にある巨大な滑車。これでワイヤーを引っ張って進むのね。ちなみに、観光地のケーブルカーみたいに景色が素敵と言うわけではない。あっという間に(たぶん乗ってる時間は5分くらい?)着くので車内からの景観楽は期待しない方がいい。

ノートルダム寺院に参拝する

フニクラを下りて、降車場の階段を上がったら、目の前が「ノートルダム寺院(Basilique Notre-Dame de Fourvière)」。「あれー、ノートルダムってパリじゃない?」と思う人もいるかもしれないが、「ノートルダム」とは「我らが貴婦人」という意味で、聖母マリアのことを意味する。

要するに聖母マリアを祀った宗教施設というくくりで、なんとその名を持つキリスト教施設は、フランス国内だけに留まらず、カナダやアジアを含む世界各国に21か所もあるというから驚きだ。

入場は無料だが、塔に上るのは有料で、リヨンシティカードが使えるそうだ。しかし…どこから上がるのかわからず断念、地下にも見どころがあったらしい。リサーチ不足がこういう事態を招く(泣)

丘の上からの景色は素晴らしいの一言

後悔はさておき、このフルヴィエールの丘で特筆すべきは、なんといってもその景色だろう。

リヨンの街を高みから一望できる、絶景ポイントとして観光客に人気が高い。この日は朝早いせいか靄がかかっていたが、それでも素晴らしい眺めだった。

大聖堂内部、午前中が特に美しい

さて、大聖堂内部へ。しばし立ち止まり、荘厳な空気に包まれる快感を味わう。なんと素晴らしい装飾だろう。

よく「パリのノートルダムよりリヨンがいい」という声を聞くが、確かにこれは納得だ。規模こそこちらが小さいが、聖堂としての厳かさがより身に染みて感じられる。特にこの日は朝いちばんに出かけてきたので、最も美しいとされる午前中の光の中で鑑賞することができた。ここに限らず、ステンドグラスのある教会は、朝10時から正午までに見学することをおすすめしたい。なぜか夕方の光では、あの鮮やかな色がくすんでしまうのだ。

フランスの国旗色をあらわすのだろうか、赤・白・青のキャンドルホルダーが、鮮やかな光を灯している。このとなりの礼拝堂では、ちょうど朝のミサが行われていた。

希望者は参加できるが、敬虔な信者の方々が祈りをささげる場なので、遠慮しておいた。

この後、教会横の美術館へ。リヨンシティカードで無料。個性的な展示を楽しみ、再びフニクラでふもとの旧市街へ降りる。

「サン・ジャン大聖堂」は旧市街の中心地

さてフニクラを下り、「ヴューリヨン」の駅を出る。出た正面が川へつながる道で、左へ行けば旧市街のメインゾーンとなる。この立派な「サン・ジャン大聖堂(La primatiale Saint-Jean-Baptiste)」がそびえているので、間違うことはない。

リヨン最古の大聖堂、建築が素晴らしい

サン・ジャン大聖堂は、 12世紀に建設が始められ、15世紀に現在の姿が完成した、壮大な建築物で、 ロマネスクとゴシックがフュージョンした傑作と言われている。

教会前はがらーんとした広場になっていて、待ち合わせする人が多いようだ。教会横の細い道を入ると旧市街のメインストリート。観光客目当ての店も多いが、楽しいグッズがたくさん売っているし、リヨン銘菓もずらっと並んでいるので、時間のない人には格好のショッピングエリアと言えるだろう。写真はまだ人が増え始める前の時間帯。昼すぎると歩くのも邪魔くさいくらい観光客だらけになる。

お目当てのレストランは満席だった

そうこうしているうち、間もなくランチタイム。そこらにいっぱい店はあるが、裏通りの方が期待できそう。今だけ割引タイムが1日中続いてたり、怪しい日本語の客引きがいるレストランもあったりして、うさんくささ満点w

そしてランチを求めてやってきた裏通り。リヨン在住の方からお教えいただいた、素敵なレストラン「Les Adrets」(地図A)に訪れたが、さすが人気店だけあって「デゾレ、コンプレ(すみません、満席です)」との事。

ランチだからと予約せずに行ったのが間違いだった。しかし、電話予約しかできないので、観光客にはなかなか難関ではある。

ちなみにここのランチは20ユーロ弱でアントレ、プラ、デセールの3コースにワインもつく。気取らないボリュームたっぷりの料理で、お味も素晴らしいとの事。ちょっと中をのぞいた時の内装も、あたたかでいい感じだった。次は必ず予約をして行こう。

「Les Adrets」
30, Rue du Boeuf, 69005 Lyon, France (Vieux Lyon – Quarantaine)

リヨン風サラダに挑戦してみた

目当ての店に振られたので、旧市街に入りうろついてみた。店構えがごちゃっとしてないサラディエ(サラダ専門店)があったので、入ってみることにした。(上記地図B)今夜、がっつり食べる予定なので、これくらいで勘弁してやる。

たっぷりの塩豚と半熟たまご♡

オーダーは、この町の名物「サラドゥ・リヨネーズ(Salade Lyonnaise)」、リヨン風サラダである。お約束のごとく、日本の葉っぱだけサラダとはわけが違う。ドカンとメインになる、もりもり系の1品である。

塩漬け豚のカリカリに炒めたものと、半熟玉子、クルトンとマスタードのきいたビネグレットソース。これにバゲットがついて12ユーロくらい。カフェの延長のような店なので味はレストランと比べようもないだろうけど、バランスのいい取り合わせだと思う。お供の赤ワインは並々とついでくれた。ただし鳩が激しくパンを狙って襲撃するので、鳥が嫌いな人はテラスはおすすめしない(笑)