角館の街並みを楽しみながら
角館で公開されている武家屋敷は6軒。夕方には温泉宿のバスが迎えに来るので、2軒だけ見てあとは街歩きを楽しむことにした。散歩が楽しい町である。きっと雪の風景も美しいだろうが、けっこう積もるらしいので、観光には春から秋までの動きやすいシーズンをおすすめする。
観光エリアはさすがに情緒たっぷり
武家屋敷エリアのど真ん中にある、広い原っぱと石碑。何だろうと思って見てみると「角館小学校跡」と読めた。明治7年!四民平等になったとはいえ、まだまだ教育は庶民に行き届かなかった時代。周囲の元武家の子どもたちが通ったのかな。
石黒家と青柳家だけ中を見学し、あとは通りすがりにチラ見。正直、表側だけだと造りが似すぎていてよくわからない。こちら、岩橋家。
こちらは小田野家。あらっ、もしかして小田野直武さんの実家?(見ておけばよかったかな)
珍しい窓を見つけた。これはもしかして、雪が積もったとき、ここから出入りできるんだろうか?きっと屋根も工夫されているんだろうな。
これは「旧角館製糸工場」。移築されているが、明治45年の建物だそうだ。当時の製糸工場というと、貧しい村から来た女工さんが結核になる物語が多かったりするので、ちょっと暗いイメージがある。平成10年に国登録有形文化財に登録されたそう。現在は倉庫として利用されている。
老舗の味噌、醤油「安藤醸造」
秋田だけでなく東北一円で有名な「安藤醸造」。醤油と味噌の老舗である。店頭に掲げてある「常陸傳、生醤油(ひたちでん、きしょうゆ)」の木製の看板と、人力車が歴史を物語る。
やはり本店がおすすめらしい
安藤醤油は角館だけでも何店舗かあり、中にはレストランやカフェを併設している今どきの店もあるが、やはり雰囲気重視なら本店。空港からタクシーを相乗りした地元の奥さまが「本店は建物が立派よ」とおっしゃっていたので、えっちらと歩いてきた。ちょっと武家屋敷のあたりからは距離がある。
素敵な休憩スペースがあるよ
では中へ。左手に商品の陳列コーナー、右手は畳敷きの休憩所。観光バスで乗り付ける方々がおられるんだろうか。かなり広い。このスペースでも商品を味見できるけど、奥に椅子とテーブルを備えた文庫蔵(休憩室)があり、ずらっと試飲、試食コーナーが設置されているので、奥へずずいと。レジのお姉さんが「よかったら休憩してくださいね」と言ってくださる。
このように、商品ずらり。片っ端から味見する。奥のポットには出汁、味噌汁、お茶など温かいものも。個人的には漬物がうまい、買って帰る。
古い梁などが残った室内。醤油アイスクリーム(有料)も食べられる。美味しいらしいけど、これからパフェを食べに行くのでパス。
このレンガの蔵は、明治時代中期に建てられたもの。角館町指定文化財らしい。この辺りは木造建築が多く大火に何度も見舞われたので、当時冠婚葬祭用として重要だった座敷を火災から守ろうと、外装をレンガ造りにしたんだそうだ。
買うなら「寒こうじ」が一押し
お土産、購入~。実家にもいっぱい送った。いちばん気に入ったのは「寒こうじ」。きゅうりなど野菜を漬物にしたり、お肉の下味に使ったり、いろいろマルチに使用できる。お味噌はカップ入りを買おうとしたら「横にしないで」ということだったので(漏れるかもしれないらしい)袋入りに変更。お醤油は高級ラインではなく、煮つけにばんばん使える家庭向け。奥にひっそりと置いてある。