美術館めぐりとロンドン中華

こちらは2013年の記事を再掲しています。現在とは情報が違う部分がありますので、予めご了承ください。

M&Sで買った朝ごはん

朝起きたら雨だった。がーん。去年来たときも雨降ったよなぁ。さすが雨女。ついてないなーと思いながら、昨日マークスアンドスペンサーで買い込んだ食料品で朝ご飯。

フルーツ&甘々のプディング

新鮮なベリー類と赤ぶどう。これは文句なし美味しかったけど、後で見たら舌が染まってた。黒スグリ=カシスのせいだろうか。滅多に日本で生は食べられないので、見つけると買ってしまう。ブラックベリーもそう。ポリフェノール豊富で体にいいのよん。

お水は毎度の「highland」スパークリング。安くてくせがなくて、日本人でもお腹こわさない。欧州の水は硬水が多いけど、今どきは軟水を好む人が増えたようだ。昔のような喉にひっかかる硬度の高い水は、やはり飲みにくいよね。イギリスでは家庭用の紅茶にも軟水用と硬水用がある。地方によって水道水も質が違うためだ。

そして珍しくフルーツジュースも購入。りんごとミラベル(杏みたいなの)のスパークリング。シードルのアルコール抜きみたいな味で、甘みが少なくきりっとしている。

こめかみがズキズキする甘さ(笑)

問題なのがこの「Love tub」というもの。何だろう、プディング? 中を開けてみたい、ハートの何かが入ってるの? という期待感でつい手を出してしまったことを後悔した。

なんじゃこりゃあ(松田優作風味)

金魚のエサみたいなチップが上にのってるだけで、しかも中身が半分しか入ってない。内側の線は何のためにw でも気を取り直してひとくち食べてみる。思ったより硬い。ねっとりして悪い予感がする。

「あっまーーーーーーーー!」

チョコレートに砂糖とかしてバターと混ぜたみたいな味。あかん、こめかみがズキズキとしてきた。鼻血でる!なんで外国の甘いものってここまでやるかな。すんごい朝から血糖値上がったよ、色んな意味でww

ナショナル ポートレート ギャラリー

高い血糖値に後押しされ、雨のトラファルガー広場にやってきた。早朝だと人が少ない。週末の夕方なんて、まるで渋谷の交差点みたいに人がひしめいてるのに。思えば前回はここに「オリンピックまであと何日」って電光掲示板が出てたけど、今は東京が招致に必死こいてる。

「マン・レイ」の特別展を鑑賞

さてさて、本日の美術館3本勝負、第一弾は「ナショナル ポートレイト ギャラリー(National Portrait Gallery)」。その名の通り肖像に特化した展示を行うユニークな美術館で、「ナショナル ギャラリー」の隣にある。本日の特別展は「マン・レイ」。最初「プライベートイヴェント」の看板が出てたから、今日は入れないのかと思った。でも、入り口のお姉さんに聞いたら大丈夫だったからほっとした。

展示は非常に素晴らしかった。もう散々刊行物などでマン・レイの作品は目にしてきた身でも、面と向かったときのバイブレーションというのは格別だ。

ティールームもおすすめよ♪

ちょっと彼と女性たちを巡るストーリー仕立てが鼻につきすぎるきらいはあったけど、じっくり鑑賞して、ついでに常設展に仲間入りしたキャサリン妃の(例の話題になった)肖像画も眺めて、心地よい疲労感。ちょっとお茶でも一杯いただこうかな。

私はここのミュージアムショップが大好き。そして今回はティールームにも初めて来てみたけど、非常に心安らぐ空間だった。きっと雨の朝なので混雑してないせいもあるだろう。ブックセンターの横というのがまた良い。日本でも本屋さんのカフェは人気あるものね。あったかいミルクティーを飲みながら、アート関係のパンフレットを眺めてぼーっとする。こんな贅沢なひとときがあろうか。

ちなみにこの近辺には、お隣のナショナルギャラリーのカフェ、セントマーチン教会地下(なんとお墓の上)のカフェレストラン…と、手軽なお店が多数あって旅行者にはありがたい。

コートールド ギャラリー

ロンドンでいちばんだいすき、コートールドギャラリー(Courtauld Gallery)。サマセットハウスという施設の中にある、小さな規模の美術館。チューブの駅だと、テムズ川沿いのテンプルになるけど、今日は勘を頼りにてくてくとトラファルガー広場から歩いてきた。なんとなくロンドンの地理が頭に入ってきたから、体で覚えさせる計画だ。

こちらはピカソの特別展を鑑賞

この日の企画は「Becoming PICASO」。若き日のピカソの珍しい作品が鑑賞できると聞き、楽しみにしてきた。ちょっと展示数が少なすぎてアレレという感じだったけど、それでもやはりピカソはすごい。

みんなが思い浮かべるゲルニカとかそういうんじゃなくて、スケッチとかきちっとした油絵とか、鉛筆だけで描いた下絵みたいなのとか。自分が絵描きだったから感じるんだろうけど、「持っている」感がすさまじい。「ほんとに絵のうまい人だな~」と感動する。

ここの螺旋階段はすばらしい

美しい、コートールドの螺旋階段。この小さなスペースに上手に設備が入れ込まれていて、ちゃんとクロークも地下にある。

入口を出た向かいにはミュージアムショップもあって、そこの品ぞろえも非常に素敵なのだ。今回もカマンベールチーズの箱に入ったチーズ皿のセットを購入。あとはピカソの絵はがき、イズミックタイル模様のレターセットなど。本当はエキゾチックな模様の傘も欲しかったな。

おすすめ!「Tom’s Deli」

サマセットハウスのお気に入りカフェにも再訪した。「Tom’s deli」は、新進気鋭の料理人、Tom Aikenが開いたレストランから、ブランチとして開店した気軽なカフェ。

ここは居心地が良くて食事が美味しい。キッシュやケーキ、サンドイッチもあるけど、ランチには3~4種のホットミールが並び、凝った副菜とともに、スタッフにサーブしてもらえる。

この日はうんと迷った挙句、サーモンのグリルをチョイス。大きなクルトン、オリーブオイルでローストしたブロッコリー(これがめちゃうま!)、ロケットやベビーリーフのサラダとハードチーズ。これで飲み物をプラスして10ポンドちょいだから、外食が高いロンドンでは、かなりリーズナブルな部類に入るだろう。

※残念ながら現在は閉店したもよう(涙

サーチ ギャラリー

次はチェルシーという所にやってきた。お金持ちが多い界隈だと聞く。なるほど、スローンスクエア駅からキングスロードを歩くと、お高そうなブランドが入ったビルがいくつか目につく。そしてフランスもんが多い。ジェラートのアモリーナとか、パン屋のPAULとか。おシャンティなマダームが徘徊するのだな。ふむふむ。

近くに「habitat」があるよ

そんな中、私がピンポイントで目指したのが「Habitat」。コンランおじさんの店である。さすがに品ぞろえが品よくセレクトされてて良かったが、大物や割れ物が持ち帰れないので見るだけにした。特に残念だったのがクッション。こちらではカバーだけでは売ってない事を初めて知った。

そしてまた駅方面に戻り、「サーチギャラリー(Saatchi Gallery)」にやってきた。エントランスが非常に雰囲気があってよいね。ここも公営なので、入館料は無料。若手の現代アーティストが実験的な作品を展示しているらしく、館内にも若い子が目立つ。

番号順に経路をたどれば全部回れるという、見やすいレイアウトも良かったのだが、実はあまり楽しめなかった。私は自身が美術大学出身というのもあるんだろうが、卒業制作っぽいのが多くて……。

展示してあるものが、テーマを持って何かを表現するというのよりも「いかに奇をてらうか」「いかに観客にショックを与えるか」に注力しているように思えてしまった。

もちろん衝撃を与えたり問題提起することは、芸術パフォーマンスのひとつの方法ではある。しかし、入れ墨や病気の患部、死体、性器、暴力、排せつ物…などなど、そういうものを羅列して「さあどうだ」と言われてもなぁ(笑)

このアーティストたちが皆そうとは言わないが、少なくとも私には無味乾燥な世界だった。お好きな方には申し訳ないが、アートの受け止め方にはやはり大きな個人差がある。

ロンドンの美味、それは中華

朝から3軒も美術館を回ってクタクタ。そのぶん、がっつり栄養つけるべく女子会に向かう。今日はパディントン駅近くの中華料理「パール リャン(Pearl liang)」へ。ここはロンドンに住む日本の友人たちが、口をそろえて「美味しい」と言う、期待のお店である。ケバブ、カレーに次いで、ロンドン3大グルメの最後の砦「中華」にトライするで~

パディントン駅からちょっと迷う

パディントンからちょっと繁華街じゃない方へ歩くので、10分くらい迷ってしまったけど、なんとか友達に電話がつながり、誘導してもらってセーフ。

大きな道路を超えた商業地帯、でっかいオフィスビルの1階にあって、日本の観光客は来なさそうなエリアだ。ちなみに前回のロンドンも女子会は中華だったなぁ。日本人同士だと、やっぱりアジアンフードになるよね。

ロンドン在住、同年代とおしゃべり

紹興酒を飲みながら、おとな乙女(想像してね♡)3人でわいわい。私以外の二人はロンドンでこちらの男性と結婚していて、お仕事もばりばりやってる。たまに一時帰国した時に日本食を食べまくるのが楽しみなんだそうだ。

お料理は、洗練された広東料理。西欧の人が食べやすいアレンジがされているが、上品でとても美味しかった。油菜のチョイスに芥蘭があったのがさらにポイント高し。

こっちは海老の湯葉巻。(ピンぼけごめんなそ)お店はビルの形に合わせて扇みたいな細長いレイアウトで、おしゃれな内装。街の中華屋さんではなく、高級中華ね。ビールはチンタオ。あとはワインがいっぱいあった。

香港のあの味も楽しめる

イギリスだなぁと思ったのは、香港式の点心があったこと。インドと香港は、食の分野で英国に大きな影響を与えている。ただし「Evening Dim Sum」というのが香港と違うところ。香港では基本的に夜は点心を食べない。

デザートは、私が大好きな「楊枝甘露」をオーダー。ちょいと香港のとは違うけど、冷たくて美味しかった。

だめ押しで、隣のカップルが食べてて美味しそうだったリンゴの飴がけ。たぶん香港だと「拔絲蘋果」になるのかな。薄い衣で揚げたりんごに、大学芋みたいな飴がかけてある。

以上、お喋りして食べて、楽しいひとときだった。明日はこの乙女のうちの一人、Sちゃんに郊外ドライブに連れて行ってもらうのだ。楽しみ~!

Pearl liang London ホームページ