コロニアルホテルで至福のランチ

プロムポンのThai Lao Yehへ

タイ東北のイサーン料理というと、おしゃれとは程遠い店構えが多いのだが、たまにはエレガントにいただいてみたい。そこで、やってきたのはプロムポン駅から徒歩10分ほどにある、カボションホテル。ここのダイニングである「Thai Lao Yeh」では、美しいイサーン料理をいただけるのだ。

ちょっとだけ駅からは距離がある

BTSのプロムポン駅を降りたら、北側へ。南側には大きなショッピングモール「エンポリアム」があるので、その反対側。ちょっとゴタゴタした方へ。大きな道路、上には高速。その道を東へ向かってせっせと歩こう。途中、有名な食堂「イムちゃん」が左手に見えてくる。さらにずんずん歩く。

そうすると「Sukhumvit 45」という道路の標識が見えてくる。そこを左折。これは通りの名前だ。この路地は袋小路になっていて、突き当りにカボションホテルがある。歩くの嫌な人はバイタクもあるが、私は怖いので乗らなかった。

白亜のコロニアルホテルを目指して

路地を突き進むと、白い建物が見えてくる。木が生い茂っているので、中は見えない。ホテルとしては小さい感じがしたが、門を通ると奥行きがあった。コロニアル(植民地)スタイル。南国の空によく映える建築様式だ。

ここ「カボションホテル」は、華僑のお金持ちが古き良き上海をイメージして建てたと聞いたが、とにかく内装がおしゃれ。このホームページを見るだけでもうっとりする。本物の内部はもう少し明るい感じかな。素敵なエントランスが見えてきた。ダイニングはエントランスホールから右の廊下を進んだ奥にある。

はい、ここから別世界の始まり

エントランスを入ると、書斎のような空間に出る。ここがホテルのレセプションらしい。普通のホテルのようにカウンターはなく、人もいない。両サイドに部屋があり、自由に出入りができるようだ。

さっきまでガヤガヤしたバンコクの空気の中にいたのに、ここへ入った瞬間、時間がゆっくりと流れ始めた。非常に落ち着く。少し交通の便が悪いが、次はここに泊まってみるのも悪くない。

ここらの本は自由に読んでもいい感じ。ずーっとここにいたいんですけど。こういう狭い部屋が好き。渋い中年イケメンが読書していて欲しい(願望)

こちらはお茶碗などのコレクション。趣味のいい器が並んでいる。ぜひお食事ついでにこのホールも見学して欲しい。

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豊富なランチセット、悩む

さて、いよいよダイニングへ。席に案内され、メニューを説明していただく。ずら~っとランチメニューがあるので悩む。曜日によって異なる「本日のランチ」なら350バーツ。それ以外は390バーツ。この日は金曜日だったのだが、ちょうど食べたい料理が本日のランチだったのでラッキー。ちなみに土日は「BENTO」というセットメニュー一択(2人用)になる。

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飲み物はこのような感じ。ホテルなので一般のレストランよりは高い。というか倍くらい。お茶だけしに来る人も多いのかな。

※画像はクリック拡大

トイレや廊下もお見逃しなく

お食事の前には手洗いを。神経質な日本人ですから(笑)というよりもトイレをチェックしたい。やはりここも良い感じ。洗面台はもう少しカーブを描いていてもいいかもしんまいw

トイレは玄関ホールの近くにあり、そこから奥のダイニングに向かう廊下の雰囲気。しーんとしていい感じ。メイドさんたちの作業部屋も昔のムードだった。徹底してるのね。

ダイニングの手前にある個室。人数がまとまれば、ここでお食事もよさそう。

庭に面した明るいダイニング

トイレから戻るとテーブルに食器がセッティングされていた。カトラリーがかわいい。お皿もタイのものなんだろうけど、こういう青白の柄は見たことがない。なんだかいちいち可愛いんですけど~♡

天井を見上げると、洗濯物と鳥かご。オールドシャンハイのイメージかな?お客さんの入り具合は私の他に韓国のグループ、カップル。非常に空いている。夜は多いのかしら。こんなに素敵なのに。まあ、地元民は来ない感じよね。

お味は濃厚かつスパイシー

まず飲み物がやってきた。ビール……と思ったけど、午後から遠出するのでやめといた。今日はマナオソーダ。タイ式レモンスカッシュみたいなもん。ここのは、とにかく濃かった。甘みなしで飲んでみたら、椅子から立ち上がるほど酸っぱかった!なんじゃ、何個マナオを絞ったの。

でも、甘みを入れたら何とか落ち着いた。炭酸も強くて、かなり濃厚なマナオソーダ。ちなみにここの店もストローは紙(エコストロー)。食事の最後の方にはヘロヘロになるのが面白い。

飲み物に続いて、本日のランチ2品のうち「ソムタム」登場。メニューには「グリーンマンゴーのスパイシーサラダ」とあったけど、青マンゴーのソムタムと理解した。

通常のソムタムは青いパパイヤで作られる。青いマンゴーは台湾では「情人果(恋人たちのフルーツ)」と呼ばれ、完熟の濃い甘味こそないものの、爽やかな甘酸っぱさで人気がある。そして歯ざわりはねっとりしてなくて、サクサク。普通のソムタムのちょっと甘酸っぱい版と思えばいい。

日本の小皿をやや大きく深くしたくらいの器。量が少ないかなと思ったけど、てんこ盛りだったので、けっこうボリュームがあった。トマト、焼き大豆、赤玉ねぎ。お味は予想を裏切る正統派イサーン。おしゃれレストランでも、イサーンを名乗るからにはソムタムは辛いぜ!という心意気の味。がっつり酸っぱくて辛い。最高っ。

そんな濃厚なソムタムには、カオニャオ。もち米である。「ホワイトライス(白飯)とスティッキーライス(もち米)、どっちにしますか」と言われたら、迷いなくスティッキー。イサーンらしいかごに入って出てきた。

これを手で丸めて、ソムタムの汁につけて食べるのだ。ちょっとここのカオニャオ、少ないわね奥さん!ちいさいおにぎり1個くらいの量。

ジューシーで旨味の濃いガイヤーン

ほいよ、タレきたよ。ガイヤーンの辛いタレ。タイではナムチムってみんな言ってるみたい。ちょっと舐めてみた。これもイサーン!いきなりたっぷりつけずに、様子見ながらの方がいいかも。

そしてメインのガイヤーン。英語で表記するとガイではなく「KAI」とか「KAY」って書いてあるので、もしかするとカイヤーンが正しいのか?などと考えつつ、がぶりとそのままいってみる。おお、いいお味!

こんがり良い具合に焼けて、パサつき全くなし。骨付きなので食べにくいが、手で持ってかぶりつく。このガイヤーンは「タクライ」いわゆるレモングラスの香りが仕込んである。肉汁からじゅわっとハーブの香りがにじみ出て、いくらでも食べられるような、上等なガイヤーンだった。タレをつけなくても、しっかり味がある。

上に乗っているのはウェイターさんが「レモングラスのシード」と説明してくれたので一瞬そうかと信じたが、こしょうの実である。レモングラスはイネ科なのでこんな実はつけない。ひらひらした葉は、生のバイマックルー。トムヤムクンやグリーンカレーの独特の香りの元である。

こちらキッチン。ダイニングから見える場所にある。ちなみにランチとドリンク、サービス料で約500バーツ。日本円で2000円弱である。ランチセットと言ってもサラダとメインの2品にライスなので、タイの物価を考えるとかなりゴージャスな値段だろう。ただし、そのぶんさすがにサービスも食器も上等なので、ゆったり美味しいものを食べたい人にはおすすめだ。