焼き物の町「鶯歌」へ

台湾式、焼きサンドイッチ

台湾の朝ごはんというと、豆乳やお粥が思い浮かぶが、実際はけっこうサンドイッチの勢力が強い。それも「焼きサンド」が多いのだ。中には炭火で炙ってあるものあって、皆さん豆乳やミルクティーと一緒に外帯(ワイダイ:持ち帰り)されている。

フレンチトーストサンド「Mr.リン」

ホテルがある中山國小からすぐ近く「Mr.リン」は、フレンチトーストのサンドイッチが人気のお店。民権西路駅からも徒歩圏内だ。朝6時から営業しているので、午前便で早朝出発の人でもテイクアウト可能なのが嬉しい。

フレンチトーストのサンドイッチは、台湾全土で見かける。甘い味付けではないので、ちょっとリッチなサンドイッチ、という感じ。ちなみにフレンチトーストは「法式土司」と書く。

サンドイッチの種類は割とシンプル。メニュー左が普通のサンドイッチ(三明治)、そのとなりがフレンチトースト(法式士司)、右の猪排○飯はお弁当、いちばん右が飲み物。どこのサンドイッチ屋さんでも共通の具材、火腿はハム、起司はチーズ、肉鬆は肉の甘いでんぶ、猪排は豚焼肉。ここにはないけど、よくあるのが蛋(たまご)、番茄(トマト)など。

フレンチサンドにしようかとも思ったけど、かなりヘビーなので(油がけっこうきつい)老人な私は普通の豚焼肉サンドにした。 60元+チーズ追加で70元。普通の朝飯屋の倍の値段である。

中身はこんな感じ。ちょっと甘みのあるタレのかかったポークが美味しい。割とボリュームがあるので、女性なら1個で十分だと思われる。

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焼き物の里「鶯歌」へ

腹ごしらえが終わったら、今日は新北市にある焼き物の里「鶯歌」へ。台北駅から台鐡に乗れば30分でアクセスできるので、気軽に日程に組み込めるのがいい。ただし、駅からちょっと歩くため最低でも半日は見ておきたい。まずは電車の乗り方から。

台北駅からは普通電車で

台北駅からは観光客がよく乗る新幹線ではなく、ローカル線の「西部幹線」に乗る。もちろん遊悠カードも使える。構内に入ったら、3番ホームへ。「月台」と書いてあるのがホームの事だ。

3番ホームの電光掲示板。ホームにはA側とB側があって、Bから各駅停車に乗る。「自強号」は特急だから乗らないように。鶯歌には止まらないし特急料金が必要。各駅停車は「區間車」と表示される。写真だと上から3番目、Bに到着するのが目指す電車である。

電車の中にも電光掲示板があり、次の駅を知らせてくれるのでしっかりチェックしよう。車内アナウンスもある。「鶯歌」は英語で書くとYingge、日本語のルビではイングヮ、イングーが多いが、私の耳でキャッチした現地発音(台湾ガールズに何度も発音してもらった)限りでは「インカー」と「インク―」の間くらいだ。そして音の上げ下げがない。「エンダァァァァァ~~~アァァ」に近い。

着いた。なんと桃園空港のすぐ近くだったのね。となり駅だわ。

改札を出るとこの表示があるので、左側に出て駅前ロータリーへ。しばらくトイレがないので、ご用のある方はここで済ませておこう。

鶯歌の町をざっと説明する

マップに主要なポイントを書き込んでみた。駅から緑で線を引いた道をたどって交差点に出る。ここが大きな分岐点となる。

交差点にたどり付き、右を見れば台鐡のレール下トンネル、左斜め前方に有名な豚まん屋(青い丸)。豚まんの前の道を南下すれば陶芸博物館(オレンジの丸)。交差点をそのまままっすぐ進めば、観光の中心である老街(ラオジェ)に行く陸橋がある(ピンクの丸)。そして紫の丸で囲った部分が老街である。

ちなみに博物館に用のない人は、トンネルをくぐれば老街へ行けるらしい。私はとりあえず最初に博物館に向かうため、南下することにした。

たどった道の写真ガイド

駅を出るとタクシーが停まっている駅前広場。そこを右へ進むと、線路沿いにこのような道がある。せっかくかっこいい壁なのに、なぜか柵で隠されている。

向かって左手に、こんな歴史を感じさせる建物が。まだまだあるく。

交差点から南側を見たところ。右前方に豚まん屋さんがある。博物館はこの道をまっすぐ。老街は背後にある。

交差点から陸橋方面を見たところ。文化路というらしい。右手のトンネルをくぐると老街方面。

新北市立鶯歌陶瓷博物館

観光地にあるから大した内容じゃないのでは、なーんて思ってた私の大馬鹿野郎。ここは素晴らしい博物館だった。老街に行かなくてもいいから、ここだけ見て帰っても値打ちがある。台湾の陶芸の歴史がギュっと詰まった、焼き物好きにはたまらない施設である。

予想をはるかに上回る規模と設備

まずこの立派な建物におおーっとびっくり。周りの鶯歌の風景があまりにのどかなもので、その中にこつ然とこれが現れる素敵なミスマッチ。まずは入ってすぐの受付でチケットを購入。日本語が話せるマダムがやってきて、ご親切にあれこれと世話を焼いてくださった。台湾の人は本当に優しいよね。

コインロッカー無料、日本語音声ガイド無料。至れりつくせりである。お陰で身軽にじっくり見学できた。館内は広々として清潔。座るところもたくさんあるので、お年を召した方も楽に見て回れる。

このガイドが実に面白くて、各所で説明を聞いているうちにあっという間に3時間も経ってしまった。

とても近代的な建物。屋外には子供向けの手作りコーナーもある。

台湾の伝統的な「へび窯」というもの。この中をくぐれるようになっている。

陶板の展示もおしゃれ。土や温度で陶面の表情が変わる。

上階ではモダンな特別展も

3階では特別展をやっていた。世界の陶芸家によるモダンアート。器の概念を飛び越え、自由で楽しい発想を満喫した。

気に入ったのがこれ。まるで苔のようなテクスチュアを陶面に施している。

奈良美智さんの作品も。巨大なサイズの焼き物、すごい迫力。

振り返るとびっくりするこの作品も焼き物。どんな窯で焼いたのか。

2階では伝統的な人々の暮らしも見られる。全館じっくり見ようと思えば、最低でも2時間は必要。見ごたえのある内容だった。

新北市立鶯歌陶瓷博物館公式ウェブサイト

鶯歌名物、交差点の豚まん

昼ごはんがわりに豚まんをつまむよ。関西では肉まんではなく豚まんと言うのだ。メニューは何種類かあったけど、最もスタンダードな肉湯包に。

このマスコットが目印。1個15元(約50円)ってやっすー!まとめて買ったらさらに安い。でもとりあえず1個ね。

お行儀悪くてごめんなんしょ。そこらのベンチでいただくわ。熱々、ふわっふわ。肉汁たっぷりでたまらんな!台湾のまんじゅうだいすき。

鶯歌老街、こんな感じでした

老街へのアクセスは、台鐡下をくぐるのも良し、この陸橋を使うも良し。小さな町にずら~っと茶碗屋さんが並んでいる。お値段は庶民的なものから目の玉が飛び出るものまで。

この建物から左右に道が分かれている。どっちに行っても茶碗屋だらけ。掘り出し物はあるか?との問いには「台北市内の方が買いやすい」という感想だ。お安いものはほぼ大量生産の日本製。いいなと思ったら湯のみ1個10万円コース。ここに来たからと言って安く買えるとは限らないと感じた。

たまにビルの中にショップが集中してる施設も。なお、食事に関しては突出したグルメ店はないが、屋台やカフェなどいくらでもある。ゆったり茶碗屋をひやかしながら、観光するには台北からちょうどいい距離感である。