台湾の朝ごはんは「豆漿」!
台北、二日目の朝。心配していた雨は気配もなし。すっきり晴れてさわやかな青空が広がっている。7時からオープンしているホテル内のスパに行ってみることにした。そしたら、なーんと誰もいなくて、貸切状態でおおいに朝風呂を楽しんだ。(※現在はスパが稼働中かどうか確認できず)
北投温泉は台北のリゾート地
このスパは、台北市北部の「北投温泉」(日本軍が統治時代に開発した)から温泉水を汲んできて、沸かしているのだそうだ。お湯がつるんとして気持ちいい~♡
ちなみに、日本と同じく裸で入る。広いお風呂と小さな水風呂、ミストサウナ、ホットサウナ、シャワーブース2つ。そして、アメニティからタオルからオール完備のドレッシングルーム。宿泊客は無料だが、一般客は800元。このとなりには、プールと小さなジムもある。
さて、すっきりしたところで、今日は電車に乗って朝ごはんに行く。
台北はMRTが移動の要
気合を入れて出発!目指すのはホテル最寄の駅「忠孝新生」から一駅、「善導寺」駅。まあ歩けんこともないけど、暑いし電車でGO。
ここに台北でいちばん人気の朝ごはん屋さんがあるのだ。混みあう7時台をさけて8時すぎに出たが、今日も行列なのだろうか。地元民が並んでまで食べたいんだから、さぞ美味しかろう。
駅までは歩いて10分くらい。広い道路の中央に設けられた、公園みたいな遊歩道が気持ちいい!熱波のきつい土地柄だけに、ここで日よけしながら歩くのね。
はい、ここが台湾の地下鉄(MRT)への降り口。日本と全く同じつくりだけど、切符がちと違う。丸いコイン型のトークンというもので、ICカードと同じ場所にピッと当てて入場し、帰りは穴に入れて回収する仕組みだ。
並んででも食べたい「阜杭豆漿」
あきらめてはいけない、とにかく並ぶ
行き先の「阜杭豆漿(フーハン・ドゥジャン)」は、この市場の2階にある、有名な豆漿(豆乳=台湾の朝ごはんの代表格)屋さんなのだが、この入り口ではなく、この壁沿いに左へ進み…また壁沿いに右へ折れて…
並ばないといけない(涙)しかもこの列、階段を伝って2階のお店の前から続いているのだ。本日の気温34度。うーむ、せっかく来たから並ぶしかない。でも目の前にも別の豆漿屋さんが…うーん、やっぱり並ぼうww
持ち帰りが多いので意外と動きは早い
台湾では朝ごはんを職場で食べる人が多いので、平日は外帯(ワイダイ=持ち帰り)の人で賑わい、休日は観光客にスイッチするようだ。なんたるこっちゃ。せっかく朝から温泉に入ったのに、汗まみれで並ぶこと約20分。持ち帰りが多いせいか思ったより早かった。ようやく2階に到達。
むわ~っとした空気と、食べ物の匂いが充満したホールは、昼間はフードコートとして機能しているようだが、この時間は阜杭豆漿一軒のみオープン。そして広いホールのテーブルは、ぎっしり客で埋まってる。
ガラス張りの厨房の中が見学できる
厨房はガラスで中が見えるため、厚餅や油條などが作られる工程がよく見える。筒型の釜は、胡椒餅などを焼くのと同じ、台湾式タンドリーみたいな感じ?見る見るおいしそうな餅類が焼きあがっていく。ううう、早く食べたい!
注文はここで。日本語は通じなかったし、日本語メニューも出なかった。手前のおばちゃんが豆乳の種類を聞くので、甘いのがいいなら「甜豆漿(ティエンドウジャン)」、しょっぱい具入りのがいいなら「鹹豆漿(シエンドウジャン)」というように、好みの豆漿を注文。甘いのは熱(ルァー)と冷(ピン)が選べる。
私はしょっぱい方のをチョイス。こっちは熱いのしかない。注文後、10秒ほどでおぼんの上に鹹豆漿がドン、と乗り、カウンターを前へ進む。次のおばちゃんには食べ物をオーダー&支払い。私はクレープで薄焼き卵を巻いた「蛋餅(ダンピン)」にした。計2回に分けてオーダー。どこも同様だと思う。
「鹹豆漿」と「蛋餅」の鉄板セット
これ美味しそうでしょう。「蛋餅(ダンピェン)」という、台湾式のクレープ。「加火腿(ジャーホゥトァン=ハム入り)」とか「加起司(ジャーチースー=チーズ入り)※」とかアレンジもできる。(※北京語で「芝士」または「奶酪」と表記される場合もあるが、台湾では起司が一般的)
ここのはほんっと、美味しかった。はじっこはサクッと歯ごたえがあるほどクリスピーに焼けていて、味付けは薄い塩味。これに台湾醤油と、好みで豆板醤をつけて食べる。もちもち、サクッ、ほくっと卵。おいしい~~
そしてこちらがメインの「鹹豆漿(シエンドウジャン)」。干し海老などで取っただしがきいた豆乳スープに、ねぎなど薬味を入れ、酢でおぼろ状態に固めたもの。油條(ヤウティアウ)という揚げパンを入れていただく。追加の油條もオーダー可能。熱々で、とろとろで、やさしいお味。
私はこれが大好きで、日本でも食べるし香港に行っても食べる。台湾風茶碗蒸しみたいな食感がたまらん。おぼろの具合が店によって違うのも楽しい。
れんげですくったら、こんな感じ。ふわふわ、とろとろ。おなかに優しく、栄養たっぷり。朝ごはんとしては、理想的なメニューじゃないだろうか。この定番のメニューが抜群にうまい「阜杭豆漿」、やはり人気があるのが納得できた。
「大龍峒保安宮」と「孔子廟」
善導寺からMRTで圓山駅へ。ここでは二つのお寺へお参りをする。圓山の駅を進行方向に向かって左側に出て、コンビとかジューススタンドがある広い通りを進むと、「孔子廟」に進む曲がり角がある。(写真)
そこを曲がってすぐ右手が「孔子廟」だが、さらに先に行った所にある「保安宮」から見てみることにした。
通称「保安宮」、医療の神様
「保安宮」は、正式名称「大龍峒保安宮(ダーロントン・バウアンゴン)」という。なんでも「医療の神さま」なんだそうだ。そのため、ご老人が多い。
パッと見た感じでは、まぁ「派手なお寺!」という感じ。お線香をガンガン炊いているので、あたりはスモーキーで目がショボショボする。
中に入るとお線香に火をつけるろうそく台、そしてお供え台。ちゃんとお参りする場合は、売店で線香を買って順番に並ぼう。
果物やら、お花やら、お菓子やら、お参りの方々が持ってきたものが、どわーっと並んでいる様は圧巻。胡蝶蘭がやけに多い。
その中に、こういう木のチップがおいてある。これは、ポエといって占いの道具なのだそう。漢字では「杯」「貝」「盃」など。「筊杯(ジャオベイ)」や「杯珓(ベイジャオ)」と書かれることもある。昔は貝を使ったことから来ているらしい。
長生きをお願いしてみたよ
こっちが本殿。1830年に完成したと言われているけど、はっきりしないらしい(素敵w)「保安宮」の名前は、「保生大帝」という医学の神様を祀ったことからきている。私もちゃっかり長生きをお願いしてきた。まあ、もうすでに十分長生きしているのだが(笑)
おまけ、というわけではないけれど(笑)道を挟んだところに保安宮の公園があり、こっちは宗教的施設というより、市民の憩いの場になっている。
中国の古い寓話をもとにした人形が、あちこちに設置されている。これは「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なのだろうか?
学校みたいな「孔子廟」へ
さて、さっきすっ飛ばしたお隣の「孔子廟(コンツーミャオ)」にやってきた。しかし暑い。家にクーラーを置かないほど夏に強いはずの私でも、少し動くと日陰で休憩が必要なほどの暑さ。35度くらいだそうだ。
日本語のパンフレット発見
まずは入り口でパンフレットを勝手にいただく。北京語、英語、日本語のもあった。
「孔子さまといっしょに学びましょう」いいのか、儒教の創始者をそんなカジュアルな扱いでw
ちなみに、ここには普通のお寺のようなでっかい門がない。孔子を祀った場所であるだけに、学校を模して作ってあるのだとか。小さな門から入り、大きな徳を得る。その教え「学問に近道はない」を実践した作りになっているのだろう。中華系の建物にしては、非常に質素なたたずまいである。
マニ車や絵馬、見どころいっぱい
しかし、中へ入ると、ちょっと派手になってくる(笑)
必ずこういうカラフルな提灯があるけど、夜はちゃんと明かりを入れているのだろうか。
本殿へ。入って左手に、経典の書かれた大きな柱があって、手でくるくる回せる。チベット仏教のマニ車みたいなものだろうか。私もありがたく回させていただいた。そしたら・・・
こちらは絵馬のようなもの?日本語で書かれたものもあった。学問の神様として、願い事をしに来るのだろうか。
中庭では素敵な楽器演奏も
本殿の中庭をはさんだホールでは、伝統楽器による演奏が行われていた。
すごくきれいな音色!ラストエンペラーのワンシーンみたい。特に二胡(アルフー)の繊細な音は素晴らしかった。琵琶も日本のとは音色が違う。うーん、やっぱり生演奏はいい!
本殿にあたる「大成殿」の中。天井を見上げてみたら、うわ~目が回る。中央は孔子の位牌、上の文字は蒋介石のもので「有教無類」と書いてある。
この後、日本語の喋れるおじちゃん(たぶんボランティアの方)に、でっかいお線香をもらった。「せっかく来たからお参りしてね」って。お線香は無料なのだそうだ。親切でやさしい台湾の方々に感謝しながら、孔子さまにお参りをした。すごく素敵な経験だった。