コンラン卿@デザインミュージアム

こちらの記事は2012年の再掲です。多少情報が古いことをご了承ください。

タワーブリッジを歩いて渡る

さて。今朝も早起きしてレッツゴー。テムズ川をぐぐっと東側に移動し、タワーヒル駅へやってきた。ロンドンイースト、なのである。

イーストといえば下町。かつてロンドン中を震撼させた、かの「Jack the ripper(切り裂きジャック)」が出没した地域がこのあたりらしい。

そのせいか、駅前にはこんな看板が。夜にツアーで歩き回るの?地元のガイドさんが「ここで切られた」とか説明するのかな。でも今みたいにテレビもない時代、連続殺人が起こったんだから住人の恐怖はマックスだっただろう。

ロンドンタワーが間近に見える

なんかねぇ、駅の周囲もおどろおどろしいのよ。古い建物が多いから仕方ないんだけど。

これは駅舎の南出口で、このまま川のほうに歩くと、ロンドンタワーが見えてくる。初めての観光客でも、まず間違うことはないだろう。でっかい建物だし、みんなそっちへ歩いていく。

ただし「ロンドンタワー」と言っても、塔ではないのでご注意を。どっちかというとドラクエに出てくる城塞のような感じだ。

英国王室の持ち物であるこの建物は、造幣局、天文台、動物園と歴史の中で用途を変え、監獄や処刑場でもあった時期がある。世界最大のダイヤモンドが保管されている事でも有名で、アーサー王の変化した姿と言われるワタリガラスが住み着いているというのも、なんだかミステリアスだ。

観光客は予約をして見学ができるそうだが、今回は時間の関係でパスした。

意外とカラフル、タワーブリッジ

ここを右手に進むと、目の前にタワーブリッジが見えてくる。

うううむ、なんじゃこのPOPなブルーは。石造りの重厚な橋と、テムズ川のどんよりした風景から浮きまくり!写真で見た時、こうだったっけ。なんか違和感がある。

気を取り直して、橋をずんずん渡る。川幅が広いので、けっこう長い。そしてハンパなく寒い!で、この先の真ん中部分が、テレビの旅番組などで有名な跳開部。船が通るときに、ぐわーんと橋が跳ね上がるのだ。時間があえば見られたのだろうが、今回は残念ながら閉まっていた(だから渡れたんだけど)

この橋は内部見学もできて、橋の中央部にあるツアー受付で申し込めば、いろいろ案内してもらえるようだ。橋と川の町、ロンドンならではの記念にいいかもしれない。

おっしゃれ~なバトラーズワーフ

「ブリジット・ジョーンズの日記」のロケ地にもなった、ロンドンでも指折りのシャレオツなエリア。それがここ「バトラーズワーフ」。

1990年のミレニアム再開発とやらで、街づくりを手がけたのが、かのテレンス・コンラン。さびれた倉庫が並んでいた川沿いの地区を、ゴッドハンドがここまで素敵に変えてしまったのには恐れ入る。

作りました的なあざとさじゃなく、しれっと粋なのがいい。特にこの黄みがかったレンガの壁に、ちょっと古めかしい石畳、無骨な鉄の渡り廊下やバルコニー。この写真は川の内側の路地で、この左側にテムズ川に沿った遊歩道がある。そちらもまた違った趣で素敵だ。


アラブ系のあんちゃんがやってる、きれいな花屋。売ってる花の種類が日本とは違う。アレンジもすっごくかわいい。

番地のサインもかっこいい。めっちゃ高そうな上品スーツを着た男性二人が、大きな紙筒を持って出てきた。デザイナーか設計士さんだろうか。ドキドキ。

こちらは、食料品店。こんな裏通りで営業が成り立つのか心配になるが、中には飲み物やグローサリー、お菓子などがきれいに並べられ、外のワゴンには色とりどりの野菜。

もしかしてこれもコンランさんのプロデュース?てか、日本と同じで外に出てるもの、盗んでいかれないのね、ロンドン。

スポンサーリンク

見ごたえありすぎ!デザインミュージアム

はい、やってきたよ!お目当ての「デザインミュージアム」。正面玄関も裏口も、どっちもかっこいい。

コンラン卿のファンにはたまらない

ここは、さきほどの「バトラーズワーフ」を作ったテレンス・コンラン卿が建てた、デザインに特化したミュージアム。

コンラン卿についての詳細は、こちらをどうぞ。
http://bit.ly/NqgrAS

ロンドンの、いやイギリスを越えて世界の近代デザインに、大きなムーブメントを起こしたクリエイターで、日本でも「コンラン・ショップ」でおなじみ。

この日はちょうど彼の足跡をたどる展示と、2012年デザインアワードが同時に開催されていて、小躍りしながらやってきた。

ここは国営ではないので入場料が必要だが、まぁレセプションからしておしゃれなこと。一階にはショップとカフェがあり、展示室へは会談を上って行く。その途中にもしゃれたポスターが並んでいる。今回は数が多いのでザクザク並べていく。

常設展だけでもヒャッハー

まずはコンランさんの展示から。このロゴのかっこいいこと。

巨大な青い鉛筆が目を引く。なんかもう、空間自体がおしゃれ。

古い雑誌に掲載されたインテリア・デザイン。

若き日のテレンス青年。ヘアスタイルが素敵♡

「HABITAT(ハビタット)」というインテリアのプロダクトを手がけていたコンラン氏。ショップイメージが展示されていた。

赤いポットがぎっしり。りんごに見えてくるのは私だけ?

こちらは通販カタログ。いちいちかっけえなぁ。

ブロードシート、ってなんだろう。イラストもいい感じ。

ハビタット誌がずらり。表紙だけでも見ごたえあり。

かわいくて悶絶。ここに住んでもいいかなと思い始める。

インテリアの展示もすばらしい

インテリアのモデルハウスみたいなのがあった。金属のフレームの椅子がモダン。でも、サボテンがあったり、英国調のソファがあったり。

コンラン氏はレストランプロデュースでも有名。モノクロの写真は、彼が最初に手がけたレストラン。

その後、手がけたレストランはロンドンだけでなく外国もあるのだそうだ。たぶん、これはパリじゃないかな。

ミシュランのビバンダムがデザインされた、灰皿、ピッチャー、食器類。お店の窓にはステンドグラスまで。こういう遊び心あふれたコンセプトレストランの仕様が、ずらずらーっと並んでいて、これはけっこう見応えがあった。

テーブルセッティングだけじゃなく、椅子まで置いてあるのが、なるほどっという感じ。

一方こちらは、おしゃれクラフトマンたちの夢。美しい工具棚。

いいねぇ、こんな書斎があったら。一生引きこもったるw

館内のポスターも必見

その後、デザインオブザイヤーの特別展を見たが、こっちは撮影禁止だそうで、係員に注意されてしまった(すいません)

なので館内あちこちにあったポスターを貼っていく。これはなんかちょっとバラバラ死体な感じの赤黒。

パブミラーになってるポスター。これは家のインテリアに欲しいな。
マノロ・ブラニク。あぁ、美しい・・・
この手の色づかいのデザインが、ロンドンには多い気がする。
帽子ブティックのポスター。すっごく目を引く。かっこいい。
そしてヴォーグ。あたしヴォーグよ、文句あんの、的なw
カラフルな手形。ほかにもいっぱいあったけど、きりがないので以上にてポスター〆。

最後にショップをひやかしてみた。素敵なものがたくさんあって、ちょっと散在。日本語で説明が書かれたキッチングッズもあった。

テムズ川河畔の風景

テムズ川から見た、バトラーズワーフ。

パブのメニューを出すカフェも、観光地には多い。ここもおなじみのメニューが並んでいる。今回の旅では「フィッシュ&チップス」は油がきついのでパスした。「ローストビーフ」は日曜に食べる人が多いそうだ。私はポークのサンデーローストをいただいた。

「リブアイステーキ」は、リブロースステーキのこと。いちばんジューシーで美味しいらしい。日本と好まれる肉の部位が違うのだろうか。

いちばん下の「プローマン」は、パブ飯の代表格。プローマンとは農夫、または田舎者みたいな意味で、パンやピクルス、チーズなどが一皿に盛られた素朴な定食だ。これで昼間からエールを飲む人も多い。

名前を知らない美しい鳥が、羽を広げてアピールしていた。近くにお目当てのメスでもいるのだろうか。

不思議の国のアリスになってしまいそうな、抜け道があちこちにあり、さっき通ってきた裏道につながっている。レンガの壁に映えるブルーがこのエリアのアクセントカラーだ。

デザインミュージアムの前から見たタワーブリッジ。遠目で見ると、あの毒々しい青が少しメロウに感じる。

「戦艦ベルファスト」。大戦時、実際に使われていた大型戦艦が係留され、いまは観光施設になっている。料金を払えば中に入れてもらえるそうだが、あまり芳しい評価でないようなので、素通りすることにした。

この後は、ロンドン一の食市場へ。美味しそうなスナックも、じっとがまんして歩を進める。