あの有名な「石割桜」はここにある
お濠に囲まれて近寄りがたい「桜山神社」
お城からランチを予約したレストランへの道すがら、盛岡の中心地をうろうろ。
写真は「桜山神社」。盛岡城のお濠は国道を挟んで北側へと伸びており、その終着点で、お濠にぐるっと囲まれるように建っている神社だ。周りはビル街なので、かなりそこだけ異空間である。濠の周囲にはベンチもあり、この不思議なビジュアルを楽しみながら足を休めるのにもってこいだ。
「石割桜」は裁判所の中にある
そしてその向かいが県庁。立派な建物。そこから少し西に進んだあたりに裁判所があり、その敷地内にあるのが盛岡名物「石割桜」である。あらまー見事に岩の中から生えてるよ!
浅田次郎先生の「壬生義士伝」を読んで、電車の中でダダ泣きしてしまった女だけに、感動もひとしお。「盛岡の桜は石ば割って咲ぐ」ああ、これなのね、なんて立派な。裁判所の中だけに、塀越しに控えめに撮影したビビリだけど、中には入れるのかな。もちっと近くで見たかった。
石割桜から再び来た道を引き返し、「岩手県公会堂」へ。クラシックなレンガ造りの建物は、ドラマ「どんど晴れ」のロケ地としても有名である。大正12年、当時は皇太子であられた昭和天皇陛下のご成婚を記念して建設が決定されたそうで、音楽や観劇のためのホールは、当時の人々にとって文明の華であったと思われる。
岩手の食材を洋のアレンジでいただく
Restaurant Chatons
予約しておいたレストラン「シャトン(Chaton)」。大通りから少しだけ入り込んだ場所にある。ひっそりと目に付きにくい店構え。表の黒板に本日のランチメニューが掲げてある。
向かいには有名なわんこそば屋さんがあるが、私は過去に一度体験したのでもういい。だって、お姉さんがずーっと横でお碗もって立ってられたら、落ち着いて食べられんのよ(しかも3000円くらいする、老人にはモトは取れない)
よって本日は肉をいただく。実は岩手県は日本でも有数の肉の生産地。牛も豚も鶏もブランドがたくさんあって、さすが面積の広い県だけのことはある。
地元クラフトビール「ベアレン」でスタート
お店は奥に広いつくりで、明るくカフェっぽい。まずは岩手のクラフトビール「ベアレン」のクラシックを。
カジュアルなランチはパスタが主役のようだが、グランドメニューには「岩手短角牛のハンバーグ」 「花巻産白金豚のグリル」 「一ノ関産門崎丑のランプステーキ」など、地産のお肉料理がいっぱい。私はランチのスペシャルメニュー、「一ノ関産門崎丑の炭火ロースト」にした。
最初にスープ。そしてサラダ。ランチには全てこれらがセットになっているようだ。スープはミネストローネ風味のコンソメ。サラダは見ての通り、ここまでは普通である。
岩手ビーフ「門崎丑」の炭火ロースト
そしてメインの門崎丑。もっと赤身かと思ったが、背の部分にしっかり脂がついている。ガルニはマッシュドポテトとインゲン。
お味は程よい塩加減と焼き具合で、マスタードと赤ワインのソースが添えてあるが、これはないほうが美味しくいただけるような気がした。
ここで小さな疑問。ここは何料理の店なのだろう…。メインの一皿だけ見るとフレンチにも見えるし店名もフランス語。でもスープはイタリアンで、ランチセットの大半もパスタやラザニアだしな~。
そう思っているとクロワッサンがやってきた。しかもシェフはイタリア系のブラジル人らしい。おおお、なんとややこしや、でも美味しければどうでもいいわ(笑)
常設が素晴らしい「もりおか歴史文化館」
一階と二階の雰囲気が違う(笑)
お腹いっぱいになった後は、文化の香りを楽しんでみる。お城のそばにある「もりおか歴史文化館」へ。
見た感じの雰囲気がお役所っぽいのと、1階の売店や民芸コーナーがほっこりした感じなので、あんまりとんがったアートっぽい展示は期待してなかったんだけど、2階の常設展示室に「ついでに見とくか~」と入ってみたら、えっらいカッコよくてしびれた。なにこの同じ施設でありながらコンセプトの違いw
1Fにある「チャグチャグ馬っこ」。展示コーナーが暗いせいか、近所でお祭りに出る人たちが着替えをしていて(公共施設ですw)、パンツいっちょうのお兄ちゃんらが「うわ~、誰か入ってきた!」と逃げていった。この時点では町の休憩所のイメージだった。
ここが二階の常設。めっちゃおしゃれ
ところが、ついでに入った2階の常設が右。エントランスから曲面の美しい絵物語が内部へ誘導していく。
「あれ、ここは同じ建物?」と思っているうちに、どーーんと出てきた「舟橋」のミニチュア。かっこええ~~~!
これは北上川に架けられていた「新山舟橋」。舟橋とは船を綱でもやいで板を渡した橋で、もちろん現在の日本では目にすることはない。歴史本の中で語られるだけの橋だったので、模型と言えど立体で見られたことに感動した。(ここらからテンション高くなってきてるw)
照明を落とした館内には、ぽっと浮かび上がるような展示がうまく配置されている。床に古地図、そこを超えたところにジオラマ。時間をもう少し取っておくんだったと後悔しつつ、奥の部屋へと。
すると…なんか奥に座ってるおじさんがいるんですわ。なんか怖いけど、そこに到達するまでの展示を見ながらじわじわと近づくしかない…。頼む、動かないでくれ(心の声)
武者の見張る部屋の展示が超かっこいい
奥にいるおっちゃんの視線に耐えつつ、展示をチェック。まあ、素晴らしいものがたくさん!
見て、この紅白の陣羽織のかっこいいこと!レプリカらしいけど、このデザインを実際に陣内で着てた武士がおるんだで。特に衝撃的だったこの「白羅紗地 日の出紋陣羽織」は、初代の信直か2代目の利直のものだそう。
この時代は斬新で奇抜なものが流行ったんだって。こっちの赤もステージ衣装みたいだった。
さあ、おじさんはすぐそこだよ(震)
おおお、おじさん、近くで見たらすっげぇぇぇ!この花柄、グッチ?(爆)ぜーんぶ刺繍で、寒気がするほどの艶やかさ。あなたになら斬られてもいい(よくない)「黒羅紗地唐獅子牡丹文二枚胴具足」という。これはぜひ肉眼で見てひゃっほうして欲しい。
町屋のセットではちびっこが遊ぶ場所も
おじさんの向こうは最後のコーナー。町屋のセットが組まれていて、その中で展示物を楽しめる。
昔のおもちゃは実際に遊ぶことも出来るので、子供連れにも喜ばれそう。