「ごはんメモ」について
台北、香港、大阪、京都、東京、札幌、博多など、ブログにはあげてなかった飲食ネタを、だらだら貼り付けていくゆるいコーナー。溜めこんでいた情報なのでデータが古かった場合はご容赦を。
博多 愛のうどん劇場
博多うどんについて語らせてくれ
うどんラブ!蕎麦もラーメンも好き、でもやっぱりうどんがいちばん好き。現在は大阪在住だけど、福岡で長年過ごしているので博多うどんにはうるさいわよっ。そんな私が今回は博多うどんをうざく語ってみる。
博多うどんの特徴は、やはり麺。やわらかくモチモチした食感で、中には汁を吸って増える麺もある(後述)。出汁は店によって違うが、どちらかというと関西に近い薄味でやや甘、これを博多の古い人たちは「すめ」という。語源は黄檗宗で供される普茶料理に寿免というお澄ましがあり、そこから来ているという説があるが、はてさて。
博多のうどんには柚子胡椒が合う
薬味は、ネギと天かす(揚げ玉)入れ放題の店が多い。ネギは中ネギで、七味、一味、そして大抵は柚子胡椒も置いてある。この柚子胡椒の「胡椒」は、博多の年寄りが唐辛子のことを「胡椒」と呼ぶところから名がついた。今なら柚子唐辛子になるんだろうが、英語的にはどちらもPepperで正しいような気もする。
なお、数ある柚子胡椒の中でも私のイチオシは、この「ザク切り柚子胡椒」である。柚子の皮が粗切りで入っていて香りが素晴らしい。マヨネーズに混ぜてサンドイッチに使ってもいける。博多阪急の食品コーナーにあるはずなので、柚子胡椒がお好きな方はぜひお試しを。
博多もんのソウルフード「ウエスト」
福岡市内はもちろん、福岡県内、県外にも勢力を広げる巨大チェーン。同じ傘下に焼肉もあり、毎週お得なサービスデーを実施するなど、博多民のハートをがっちりつかんでいる、街の愛されうどん店である。
まずは「ごぼてん」から語ってみる
そのウエストで、多くの人が注文する「ごぼう天」(ごぼてん)。こいつと、平たく丸いすり身を揚げた「丸天」は、博多うどんのスタンダード。店によって形は違うが、どこにでもあって間違いなく美味い、鉄板トッピングなのである。そんな「ごぼてん」に注ぐ私の愛を見てほしい。同じごぼてんでも、コラボする具材やネギのアレンジでバリエが広がる。
上は「ごぼてん」+「丸天」のツインスターズ。ウエストの丸天は食べやすく切ってから揚げてあるのだ。奥は広島菜のおにぎり。
こちらは「鶏ごぼう」。男子に人気の組み合わせである。鶏は九州では「かしわ」と表記されることも多く、北九州の人気うどん店「資さんうどん」では、かしわごぼうが看板メニュー。これには生姜をオン。
上下はシンプルなごぼてんだが、同じものでも店により麺とスープの割合が違う(気がする)
ネギの玉手箱が置いてあるよ
テーブルに置いてある緑の箱はネギである。無料だからと鬼のように入れる人がいるが、昨今ネギは高いのでお店側も困ってる。ぜひ良識ある分量で。
こちらはトッピング用のちくわ磯辺揚げ、別皿でもらえるのでこのまま食べてもよろし。揚げたてサクサクでビールのつまみとしても最高。
三角市場の老舗、因幡うどん
個人的に思い出深い店。初めて独立して事務所を構えた近所で、三角市場の角にある。駆け出し時代のエネルギー源だった。
徳利から注がれる出汁が味わい深い
創業は昭和26年。最初は天神1丁目にあったが、渡辺通りに移転して久しい。ここのごぼ天、海老天は、丸い形が特徴。暑い季節には、冷たい細うどんもよい。セルフサービスなので、カウンターでお盆を取って注文する。すると、おっちゃんが麺を茹でて徳利から出汁を注いでくれる。
うどんに乗せる天ぷら類や、いなりずし、ちらし寿司、煮物などもお好みで取ってレジへ。
姐の大好物「梅あおさ」うまいよ
いつも注文するのは「梅あおさ」。このあおさの量!盛大にごまをかけていただく。熱々であっさりして最高なのである。これはセルフのトッピングではないので、最初からおっちゃんに注文しよう。
空港にも因幡うどんができた!
福岡空港がリニューアルして、2F手荷物検査場横のフードコートで因幡うどんが食べられるようになった。空港にはうどん屋がいくつか入ってるが、やはり老舗だけあって人気なようだ。梅あおさ、ここでも食べてみた。値段と盛り付けがちょっと違うが、空港だから許してあげるw
因幡うどん ウェブサイト >>■
豊前裏打会、天神で食べるなら「武膳」
この店は、小倉南区で発祥したうどん職人のネットワーク「豊前裏打会」の一角で、この会に属する店を何軒か回ってみたが、どこもレベルが高くおすすめである。観光客には、この「武膳」や、博多駅「大地のうどん」(本店は西区)が利用しやすいだろう。
パリパリの「ごぼう天」を食べてみて
おすすめは、やはり「ごぼう天ぶっかけ」。従来の博多うどんの麺は、太くてモチのように弾力のあるぷにぷに系だが、こちらはやや細く、讃岐に近いハリがある。しかし博多ならではのぷに感はしっかりあって、麺の食感を存分に楽しめる。
若いバイトさんが多いせいか、時にオペレーションが乱れることがあるが、それを差し引いてもお気に入りである。
ちなみに、豊前裏打会の加盟店はこちら>> ■
老舗の安定感、大福うどん
天神の西通りというのが、いわゆる若い人たちの遊び場で、そのど真ん中にある「大福うどん」は私が駆け出しの雑誌記者だったころ、入稿明けに突撃する店のひとつだった。今はセルフになっているとか聞いたが、支店がいくつかあって昔懐かしい味が楽しめる。
甘くて懐かしい味の「肉ごぼう」
最近はもっぱら、新幹線の乗り降りのついでに博多駅の地下で肉ごぼうをいただく。ここはずっしりと麺が太い。昔ながらの正調博多うどんである。
壇一雄も愛した能古(のこ)うどん
本店は城南区の長尾にあるが、支店があちこちにあり、私は博多駅2F「博多めん街道」か、キャナルシティに立ち寄ることが多い。もう何度も行ってるのに写真を撮ったことがない。そう、家族でわーっと行く店なのである。
地方の方にはお土産うどんがおすすめ
能古(のこ)とは、博多湾に浮かぶ小島の「能古島」から。しっかりコシのある旨いうどんで、かつて島に暮らしたかの文豪、壇一雄氏も舌鼓を打った博多の名物である。こちらは店内で食べるのもいいが、レジ横で売っている持ち帰り用がお土産に非常によろしい。個人的におすすめの食べ方は、冷たいざるうどん。だしはぜひあご(飛び魚)で。
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増殖する麺、牧のうどん
博多人の間でも好き嫌いが分かれる店。郊外に店舗を構えているため観光客にはちょっと行きづらいが、今は博多駅のバスターミナル地下にも店がある。ここの特徴は、やはり「増殖する麺」。冒頭にも書いたが、どんどん汁が消えていくオカルト体験ができる。
消滅した汁をおぎなうヤカンがあるよ
ここでは麺のやわらかさ(かた麺、中麺、やわ麺)を好みで選べるシステムで、餅とゴムの合体したような弾力を楽しむには、やはり中麺が良いと思う。
やわ麺にすると高分子吸収体なみに汁の吸い上げスピードが早くなるので、店内あちこちに置いてある出汁補充用のヤカンを求めてさまようことになる。(そんなものがある時点で、いかに特殊な麺かわかろうというものだ)
ちなみに、生麺からの茹で時間は、硬麺10分、中麺35分、やわ麺が40分という。よくそれだけ茹でて溶けないものだ。
トッピングはごぼてん、肉などスタンダードなものに加え、ここだけのオリジナル「緑のてんぷら」というのがあるので、ぜひお試しを。ただし衣をつけて揚げた天ぷらではなく、博多ではさつま揚げのことを意味する。持ち帰り用うどんもおすすめ。
牧のうどん ウェブサイト>> ■
おしゃれ化している、やりうどん
昭和、平成の博多の若者にとって「やりうどん」は、西鉄エキナカの庶民的イメージがあったが、どうも最近はおしゃれな高級うどんになっているもよう。福岡空港にできたので、早速いってみた。正式名称は「博多やりうどん 別邸」だそうだ。
名物は「博多やりうどん」
名物の「博多やりうどん」。長いごぼう天が目を引く。昔、こんなうどんあったっけ(笑)いつも普通のごぼう天食べてた気がするが…。お店はカフェのようなムードでお値段も昔に比べて高い。味も私の知ってる味じゃない気がするが、これは舌の老化としておこう。
時代の流れなんだろうけど、もう博多も昭和が消えて行ってるね。新天町のビクトリア(釜めし)がなくなりませんように…。
おすすめ博多うどんあれこれ
そのほか、博多にはうまいうどん屋がひしめいている。豚骨ラーメンもいいけど、ぜひ昔ながらのうどんも、味わって帰っちゃってん。
博多の歴史としてのうどん「かろのうろん」
「角のうどん」が訛って「かろのうろん」。ガイドブックでも有名なこの店は、明治15年創業。博多の総鎮守「櫛田神社」の近くにあり、太くてもちもとしたうどんをレトロな店内でいただける。古き良き雰囲気を楽しむにはもってこいである。
商人の町で愛され続けた「みやけうどん」
福岡市のことを「博多」と呼ぶことが多いが、厳密には那珂川の東が博多で、西は福岡。その博多コテコテのエリア、呉服町で昭和29年創業の老舗である。建物は大正時代のものらしい。太い麺、丸い天ぷら、徳利から注がれるすめ(出汁)。すべてがノスタルジックな、ローカルに愛され続ける名店である。ここは、いなりも旨い。
並ぶだけの価値はある「うどん平」
並んでもいいから美味しいうどん屋を教えろと言われたら、ここ。なるべく早い時間に行って、売り切れごめんの海老天を食べよう。殻ごとまるっと揚げられていて、ごぼ天とのミックスも絶品である。創業当時は知る人ぞ知る名店だったが、タモリ御用達として観光客バレしてしまったため滅多に食べられなくなった。
…ということで、今回は博多うどん特集になってしまった。「次回は博多ラーメンか?」と思う方もいらっしゃるだろうが、実は私は豚骨系が苦手である。よって当ブログには一切でてこないので、ご期待なさらぬよう…