ファランポーン、これで見納め
バンコクの最大にして最古の駅「ファランポーン」。竣工したのは1916年で、以来タイ国鉄のメインステーションとして、バンコクとタイ各地を鉄道でつないできた。現在の駅舎は2016年に移転したもので、もう100年以上経つ。なんともレトロで趣がある、それは素敵な駅である。
たぶん私がこの駅を肉眼で見られるのは、これが最後になるだろう。2020年、新駅へターミナル機能の移転が予定されているのだ。遅れる可能性は多分にあるとして、私が駅舎に入れるチャンスは今回しかない。
2020年にターミナル機能を移転(予定)
新駅となるのは国鉄「バーンスー駅」。せっせと工事が行われているようだが、私が訪れた2020年1月時点では、まだファランポーン駅が現役であった。いずれターミナルが移転した後は、博物館として保存されるらしいが、このざわざわした旅のムードは一掃されてしまうだろう。また、駅周辺も再開発が進むらしいので、ヤワラー(チャイナタウン)につながる素敵な下町の風情も変わってしまうかもしれない。
ちなみに「ファランポーン」の表記はフアラムポーン、フアランポーン、ホアランポーンとも記される。これは主に外国人向けの表記であり、タイの人々には「クルンテープ」と呼ばれている。実際、タイ国鉄の正式名称はクルンテープで、地図にはバンコク駅と記されることもあるので非常にややこしい。さらに、近接するMRTもファランポーン駅で、混同しないよう注意が必要だ。
この写真は切符売場。基本的に長距離列車ばかりで座席の等級もあるため、窓口で切符を購入する。天井が高く、夏でもちょっと涼しい。構内には売店や食堂、トイレのほか、シャワールーム(有料)や、旅行案内所、銀行、両替所など旅行者に便利な施設もある。
現在は1日200本が24時間発着
ファランポーン駅はバンコクの中心地にあるが、市内の交通には全く役に立たない。主に長距離や貨物の発着が専門である。発着路線は、チェンマイまでの北本線、ウボンラチャターニーとノンカイまでの東北線、サケオとラヨーンまでの東線、そしてナラティワートまでの南線、パダンベサー経由でマレーシアのバターワースまでの国際鉄道。、計5つである。
この後、隣駅の「サムセン」に行く用事があったので、記念に切符を買ってみた。「サムセンまで」と言うと、窓口のお姉さんが「えっ、どこ?」と聞き直した。1駅だけ乗る人なんていないのである。ホームで次の列車を訪ねたら、1時間20分後であった。使えねぇぇ(笑)ただし料金は2バーツ!(約7円)そういえばアユタヤまで乗ったときも安かったわ。ドンムアン空港までは5バーツで行ける。
列車は24時間営業、1日約200本の列車が24時間発着している。遠くまで行く路線だと、日本ではすっかり珍しくなった寝台列車にも乗れるので、こんどチェンマイに行くときに試してみたい。きっとそのときは新しい駅からだろうけど。
ファランポーン名物の「床すわり」
ファランポーン駅の名物と言えば、床に座ってる人々ではないだろうか。駅舎の中は大きな体育館のような一部屋構造で、分かりやすいと言えばこれほど分かりやすい造りはないんだけれど、待合用の椅子が乏しい。そこでみんな床に座っている。
初めて見るとギョッとするけど、実は床に座るとひんやりして涼しい。寝てる人もいるので、通行の際には踏まないよう気をつけて歩くべし。
アーチのトレインシェッドが美しい
ホームに入ったところ。私はターミナル駅萌えの乗り鉄であるが、ドイツのハンブルク駅を彷彿させる。と思ったら、実際にドイツ鉄道をモデルにしているらしい。トレインシェッド(ホームの大屋根)の美しさよ!そして愛すべき古い列車たちよ。
なお、ホームは7面(14線)。改札がないから写真撮影だけでも自由に出入りできる。タイ国鉄はどこでもそうだけど、ホームの仕様は低床式である。あー、やっぱり駅はいいよね!(鉄分上昇)
ドンムアン空港の名物食堂へ
スワンナプームを利用する人には、全く関係ないニッチなレポート。ドンムアン空港にはいくつかのレストランとフードコートがあるが、空港職員が主に利用するフードコートも一般に開放されている。ちょっと「裏」っぽいムードがして興味があったので、搭乗前にちょろっと行ってみた。
まずは2階へ上がるべし
場所は国内線の発着ターミナル。国際線とは通路でつながっているので、歩いてでもすぐいける。とりあえず2階に上がろう。
国内線の2階は、受付カウンターを見下ろすように、壁ぞいに長い通路になっている。その通路を、壁に向かって右へ行く。左に行くと国際線ターミナル。どんどん右側へ進むと人通りが少なくなって不安になるが、そんなときこのセブンイレブンの灯りが見えてくる。
そしてそのとなりの看板。見えるだろうか「MAGIC」と書いてある。このセブンを左側にぐーっと回り込んだ裏手にマジックフードコートがある。ちなみにセブンの左には小さなBoots(薬局)もある。
カードではなく先払いの食券制
表側にある乗客用のフードコートと比べ、まあ雑然としたムードではあるが、とりあえず入って左手のカウンターで食券を購入する。ここはICカードではなく、この食券を10バーツぶんずつカウンターで手渡して清算、帰りに残りを返却というシステムである。
中はけっこう混雑していて、座席を探すのに手間取った。細長いスペースの片側に座席、通路をはさんで反対側に料理のブースがある。制服を着た航空会社の人も見かけた。一般客は手ごわそうな人ばかりであるw
10軒くらいのタイ料理ブースが並ぶ
並んでいる料理は、基本的にカジュアルなタイ料理またはタイ中華。カオマンガイやマンゴーなど、ベタなラインはそろっている。しかし、夜遅い時間だったので、売り切れているものも多かった。
がっつり系、麺類、ぶっかけ飯はもうおかずの種類が乏しかったのでパス。
ここらは中華になるのかな。食べたことない料理が並ぶ。値段は市内のフードコートよりはやや高め。悩んだ結果、普通のタイ料理にすることに。
券売所向かいのジュース屋には注意
券売所の向かいにジュースやお菓子のカウンターがあって、そこでマナオパンを頼んだのだが、一口飲んで「うぇっ」となるくらい刺激的な味だった。人工甘味料とよくわからないしょっぱい苦いフレーバーが入ってて、まちがいなく果汁ではない。マナオパンなら失敗ないと思ってたのに、やっちまったわ。
お味の方は……まあこんなものか
料理のお味は……とりあえず、夜遅い時間のカオニャオは危険w 半固形化していたw まあ、空港なんで仕方ない。食べられないレベルではない。
メインのおかずは「ラープムー」。イサーンの辛くて酸っぱい豚炒め物。こっちはまあまあだった。でも、やっぱり普通の食堂で食べた方がいいと思うぞ!!!(笑)
以上で、2020年アユタヤとバンコク旅行はおしまい。次の記事ではタイの土産をご紹介します★