霊峰、キナバル山トレッキング(前編)

早朝、キナバル山に出発!

こちらは2011年の記事を再掲しています。現在とは情報が違う部分がありますので、予めご了承ください。

出国を明日に控え、本日は東南アジアでいちばん標高が高い山、キナバル山の国立公園へ。本格的な登山だと2泊3日コースとかになるので、今回は公園内のトレッキングコース(軽い観光登山)のルートを選んだ。

それでも朝8時から夜まで1日かかる。リバークルーズと同じく、片道だけでも3時間。ボルネオ島は広い。なんとなく熱帯雨林チックなシティも、本物のジャングルの深さとは比較にならないのだ。

キナバル山のロケーションはここ

キナバル山はコタキナバルから北東にあたる。ツアーバスに迎えに来てもらい、早朝から出発である。道中はずーっと山の景色、ジャングルが続くので、飽きて眠くなる。空調がきついので、はおりものを持って乗車しよう。

ちなみに料金は日本から申し込む日本語ツアーは300RMが相場だが、英語だと190RMくらい。もちろん英語に申し込んだ。ここまで来て日本の空気に触れたいとは思わない。そのための旅だ。

名物の「カヤトースト」をいただく

さて、バスに乗る前にはしっかり朝ごはん。今日はジモティ飯ではなく、ちょっと西洋かぶったブレックファストを。

マレーシア資本で東南アジアに支店を広げる「オールドタウン」というカフェ。「ホワイトコーヒー」という名物コーヒーで知られているそうだが、食事も充実していて、カフェなのにちゃんとマレー料理がある。今日はマレー風のカフェ朝ごはんにしてみた。メイン、コーヒー、サイドを選んで机のオーダー表に記入するスタイルだ。

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まずはコーヒーがやってきた。ホワイトコーヒーのアイス。砂糖ははじめから入っているのがマレーシア式である。

このホワイトコーヒーは空港などでも販売されている。豆の焙煎が浅く、白っぽい色だからその名がついたとか、バスの中で誰かが言っていたが真偽のほどは定かではない。お味はコーヒー牛乳っぽく思えた。コーヒーを殆ど飲まない私の味覚なので、あてにはならないだろうが。

こ、これはインスタントラーメン……

セットメニューの一部、「卵入りミースープ」らしいが、西洋式ブレックファストのパンの役目を、インスタントラーメンが代替わりしているとしか思えないトッピング(笑)でも、お味は思ったよりも美味しかった。スープがチキン味。アジア飯では、迷ったら麺類にしておけば間違いは少ないと体験的に感じる。

こちらは、マレーシアやシンガポールではポピュラーな、「カヤトースト」。「カヤ」とはココナッツの意味で、こちらではスーパーにココナツミルクを甘く煮詰めた「カヤジャム」が、缶入りやビン入りでずらりと並んでいる。

もっぱらトーストに塗って食べたり、お菓子に使ったりするみたいだが、卵入りが人気があると店員さんが言っていた。味は案外そこまで甘くない。ただし香りが強いので、ココナッツが苦手な人には辛いかも。サクサクの薄切り黒パンをトーストして、バターとカヤジャムを塗ってはさむ。大きな町には専門店もあるほどの国民食だ。

到着、まずは雄大な眺めに感動

先日のジャングル探検は大きなバスだったが、今日は小さなバンでキナバル山へ。お迎えは私が最後だったらしく、席がひとつしか空いてなかった。イタリア人のイケメン兄ちゃんのとなり。チャオ~

あとはオランダ人の夫婦とジョーホーバル(マレーシアとシンガポールの国境)から来たマンダリン(中国人)の夫婦。計6名+ムスリムの若い女性ガイドさん。ちょっと英語が聞き取りにくい。

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中腹からトレッキングコースへ

バンが最初についたのは、キナバル山を見晴らす山の中腹。ずいぶん山道を走って、雲の上に出たので標高が高いと思っていたが、一般人が酸欠にならず動ける程度に手加減されているらしい。

土産物センターのパーキング近くにある、見晴らしのいい場所からキナバル山を撮影。奇しくもこの日は終戦記念日に当たり、かつてこの地で祖国を思いながら戦死を遂げた日本軍の人々にも祈りを捧げた。

土産物売り場。何軒も店が連なっているが、どの店も似たような品揃えで、値段も変わらない。

とりあえず冷やかしてみたが、朝からしっかり食べてきたのでフルーツも買う気にならず。しかし、マンダリンの夫婦がしきりに一人旅の私を気遣って、バナナを食べろとかパインが甘いぞと薦めてくる。せっかくなのでモンキーバナナをいただいた。日本のものより甘みが少ないようだ。

バナナが何種類もある。日本で売られているものより小さくてねっとりしている。木で完熟させたものだからだろうか。あとは水と昭和なお菓子とか雑貨。

この不思議な植物は、生姜の花。シンガポールやマレーシアの至る所で見かけた。日本の生姜と少し種類が違うのかもしれない。

休憩中、ムスリムのガイド嬢と立ち話に花が咲いた。彼女は23歳で、自力で英語を勉強してガイドの資格を取ったそうだ。まだまだ観光地としては開発されていないコタキナバルだが、インターネットが普及したお陰で情報発信しやすくなったと笑っていた。しっかりムスリムのスカーフをかぶり、ラマダンだから食事はしない。古風なマレー女性ではあるが、視線は一歩先のビジネスチャンスを捕らえているようだ。

自然の中の植物園へ

キナバル山国立公園の入り口にある植物園に向かう。ここは山の地形をそのまま生かして、熱帯植物と高山植物が栽培されている。きれいに通路が作ってあるが、坂ばかりなので年配のマンダリンご夫婦にはきつかったもよう。

それでも「Take your time!」とみんなで励ましながら、頑張ってのぼった。結果、大正解。植物園内は見たこともないような木や花で溢れていて、大変楽しめた。

右は同じバスの方々。ダッチのご夫妻、イタリアン兄ちゃん、私、マンダリン夫婦と続く。

このような道(?)を頑張って歩く。サンダルやめとけと言ったのわかるよね。実際、高いヒールをはいた日本人の女の子が入り口で「え~、歩けない」と言っていた。いや、ここキナバル山だし。何しに来たのw

キナバル山の不思議な植物たち

さすがに熱帯の高山だけあって、日本では見られない植物がいっぱい。もちろん虫も蛇もトカゲもいっぱい。楽しいなジャングルトレッキング。

舌は「ネイキッドツリー」(はだかんぼうの木)。その名のとおり、木の皮がない。「そのまま床の間いけるやんけ」と思ってしまった。

こっちは有名な「ウツボカズラ」ちゃん。昆虫をポケットの液で溶かして
栄養にする食虫植物。これでご飯を炊くツワモノがいるよね。

長く伸びた、こぶのある「つる」。長さは十数メートルもある。ターザンがぶら下がりそうだな。

これは「ネックレスツリー」という名前。その通り、丸くつながっている!天然のレイのよう。かわいい。

山ぶどうの一種だろうか?熟したら食べられるそうだ。触ったらまだ固かった。(食べる気まんまんだった)

たぶん、へびいちご?ガイドさんに「よくわからないものは食べないでくださいね」と言われた。ちぇっ

ウツボカズラに似ているが、「スリッパプラント」という名前。確かにスリッパの形をしている。

こんなシダや葉っぱの中をずんずん歩いていく。ジュラシックパークな世界だ。

>>> 後半に続くよ!