KK名物「黄金色の夕陽」

見たこともない、黄金色の海

こちらは2011年の記事を再掲しています。現在とは情報が違う部分がありますので、予めご了承ください。

トレッキングの後、シーサイドに夕陽を見に行った。コタキナバルの夕陽は、ガイドブックによれば「世界で最も美しい」と言われているのだとか。

何をもって美しいかは感性にもよるだろうが、せっかく赤道直下の島国にいるのだ。今まさに海に沈む夕陽の輝きをこの目におさめたい。その衝動を止めきれず、疲れた足を引きずって「ウォーターフロント」と呼ばれる、海岸沿いのエリアへ急いだ。

ウォーターフロントから見る夕陽

息をきらして着いた頃には、太陽がここまで落ちていた。しかしまだ本格的な日没までには10分ほどありそうだ。刻々と空気の色が茜に染まっていく海辺を、しばし散策することにした。

「ウォーターフロント」は、観光客はもちろんだが、コタキナバル市民にとっても大切な憩いの場所。海を見晴らすデッキには、カップルや家族連れが集い、座るベンチもないほどだ。涼やかな海風に吹かれて眺める日没は、世界共通で至福の一刻ということだろう。

シーフードが食べられる市場も隣接

そのデッキのとなりにあるのが、「フィリピーノマーケット」だ。
文字通りフィリピンからの移住者や、中華系、インド系など、様々な人々の出す屋台が軒を連ね、あたりには魚を焼く香ばしい匂いが充満している。

屋台の中は、主に地元の人でいっぱい。手軽な食堂として利用するのだろう。私も入ってみたかったが、いまいち勝手がわからず(英語もあまり通じない)断念した。ここでもメインはやはり、シーフードのグリル。値段は書いてない場合が多く、指差して交渉するシステムらしい。

イカと変わらない大きさの海老におどろき!食べ方はあくまでも炭火で塩焼きし、チリソースやケチャプ(醤油)でいただく方式一本槍(笑)

この他、サテー(ピーナツソースの串焼き)やココナツ(その場で割ってストローを挿してくれる)、茹でとうもろこし、手羽先、そして麺類やチャーハンなどが、定番の屋台フードであるようだ。値段は町の食堂と変わらない。

あっ、海の色が変わってきた

そうしているうち、太陽が水平線に近づいてきた。この間、何十カットも撮影をし続けて、厚い雲と島影の間から、ほんの30秒ほど夕陽が全景をあらわした、その瞬間がこれ。

あたり一面がキラキラの粒子に包まれ、海面が鮮やかな黄金の光に輝く。目がくらむほどの美しさに言葉を失い、涙がじんわりとあふれてきた。やがて光は赤みを増してクライマックスに。

今回も一人で初めての国に旅をして、今日は山にも登って、クタクタに疲れていた心と体に、あたたかい何かを満たしてくれるような、やわらかな、やさしい夕陽だった。

やがて夕陽は海へ吸い込まれ、あたりに夕闇が広がる。日本の家族や友人たちも、同じ夕陽を見たのだろうか。そう思うと、少しだけホームシックになる。明日の夕方まで、しっかりコタキナバルを楽しんで帰ろう。

夕ご飯はマレー式やきそば

あたりが暗くなったので、ホテルの近くへ戻り、夕ご飯。最初は人気のバクテー(肉骨茶)屋に行こうかと思ったが、道路まで出るほど満員御礼だったのと、あまりバクテーが好きではないことから、そこらへんのクダイコピ(食堂)でマレーB級飯の定番「ミーゴレン」にすることにした。

ミー=麺+ゴレン=炒める

インドネシアでも、この「ミーゴレン」や「ナシゴレン(炒飯)」人気のメニューだが、マレーシアでもどこの食堂にもある庶民の味。今回はちょっと豪華なシーフードミーゴレンをオーダー。…と言いつつ、豚肉もちゃっかり入っている。宗教的には大丈夫なのだろうか。

お味は甘めのソース味。やたら美味しいスープがついてきた。これでお値段は250円くらい。シーフード抜きなら200円弱。

飲み物は「テ・タレッ(ク)」というミルクティー。「タレッ(ク)」とは引っ張るという意味で、練乳を入れた紅茶を、器二つで高いところから交互に注ぎ、泡を立て濃度を濃くしたもの。どこのカフェでも飲める、甘くて美味しいマレーシア名物だ。

最後の夜はホテルでまったり

ホテルの壁にゲッコ(やもり→)発見。こちらでは至るところにいて、近づくとチョロチョロ逃げ回って可愛い。

露店で買っておいたロンガン(龍眼)を、風呂上りに。ライチやランブータンとともに、食べやすい南国フルーツだ。本当はマンゴスチンが大好物なのだが、ちょっとだけ旬をはずして市場では見かけなかった。

下はロンガンをむいたところ。確かに龍の目玉のように見える。

この日はロンガンを食べながら、寝てしまった(笑)よっぽど疲れていたのだろう。たまには山登りもいいものだ。大人の遠足、日本に帰ってもガンガン続けたいと思う。