「Grab」アプリはとりあえず入れよう
少ない日数であちこち観光しようと思えば、タクシーやバイタク(モーサイともいう)に頼ることになる。しかし、タイのタクシーは最近ようやくメーターで走るようになったが、まだ観光客にはふっかける運転手もいる。
さらにワットアルンや王宮など、主要観光地の周辺ではメーターではなく交渉制。ほとんど英語を話せないドライバーと粘り強く交渉するのは、時間も精神力も削られてしまう。バックパックを担いだ旅行者が助手席の窓からドライバーと話をしているのは、料金交渉の現場である。時間がたっぷりある人はそれでもいいと思う。
ぼったくられる心配がない
そこで「Grab」をスマホに入れておくと、かなり便利だ。インターネットにさえつながれば、アプリで身元のわかったドライバー(ここ重要)が来てくれる。料金交渉の必要もない。もちろんアプリは無料だ。
【Grabを使用するメリット】
・タイ語や怪しい英語で料金交渉の必要がない
・過剰な料金を請求される必要がない
・登録ドライバーなので事前に来る人と車種がわかる
・地図アプリ連動なので道順を説明しなくていい
・乗車後の評価システムがあるためドライバーが真面目
・この人は嫌だと思ったら断っていい(断られることもある)
これは私のスマホ画面。旅の大切なツールが集結している。右下が「Grab」で、最初にアプリに電話番号を入力し、飛んでくるSMSの番号を認証して登録完了。最初は日本の電話番号を入れることになるが、タイに着いてSIMが変わる場合はプロフィール欄から変更しておく。ドライバーから電話がかかってくる場合があるので。
使い方はGoogle Mapからが楽
日本語には対応してないけど、かんたんな英語で入力できるし、ドライバーとのやり取り(今向かってます、もう着いてますなど)は、あらかじめ候補の例文が並んでいて、ぽちっとするだけで大丈夫。さらには入力欄に日本語で文章を入れてもOK。勝手に翻訳してくれるのだ。よほど複雑な事情がない限り、スムーズにやり取りができる。というか、たいていの場合は何のやりとりもない。
場所の指定は、地図に直でピンを入力するか、住所を打ち込む……のだが、楽したい場合はGoogle mapからアプリを開くのがかんたん。
適当にGoogle mapにピンを打ち込んだ場所から「経路」でスワンナプーム空港を目的地にしてみた。ターミナルも選べる。手をあげているピクトグラムに20分という表示がある。これがGrabのマーク。アプリが入っていると、自動的に選択肢にあがってくるのだ。
そのマークをポチっとすると、今度は具体的なGrabの内容に移る。この乗車地なら待ち時間の目安が3分(実際にはもう少しかかる場合が多い)で、値段はGrab タクシーで180~220バーツくらい。「アプリを開く」でGrabアプリが立ち上がり、もっと細かい車種の指定が可能だ。Grab Taxi は契約タクシー、Grab carは一般人の契約ドライバー、 Grab bikeは国の管理するバイタクではなく一般バイク、何でもいいから4輪で早く来てという時は「Just Grab」にすると、タクシーとCarどちらも選択肢に入る。
現地通貨がなくても乗れる
現金で払ってもいいけれど、やはり旅行者の場合はクレジットカードが便利。タクシーもバイクもOK、ぼったくられないというだけで、精神的に非常によろしい。ただし日本にいるとカード登録できないので、現地に着いてからアプリ内で「Payment」>「Add payment method」を開いてカード情報を登録しよう。私の場合はこれをしないと車が呼べなかった。
乗ったあとはレーティング。星5つで評価する。これは国鉄サムセン駅からMRTアーリー駅まで乗ったときの乗車後ページ画面。かわいらしい女性ドライバーさん。84バーツだから300円くらいかな。きれいなクーラーのきいた車で乗り場までぴったり付けてもらって、安全だし楽だし大助かり。気に入った人にはアプリからチップも追加できる。
ちなみに、もし問題があった場合は「Report an issue」からクレームを。私は最終日にトラブルがあり、すぐ報告した。運営から速攻で丁寧な謝罪メールと調査レポートが送られてきた。安心して利用していいと思う。
旅の必須アイテムVoice Tra
こんどはさっきの画面の右上、これも無料アプリの「Voice Tra」。読めない字の国に行くとき、これがないと生きていけない。
タイ語に正確に変換してくれる
私は片言の英語が話せるので、英語圏の国やホテル、空港などでは困ったことがないけれど、タイでは観光客の多いレストランなどでない限り、英語を話す人は少ない。それなのに交渉しないと物が買えなかったりして、困ってしまう。
そんな時は「Voice Tra」に頼る。使い方はアホのように簡単。この画面を見ればわかる。
マイクのマーク(音声入力)を押すか、ペンのマークを押して日本語を入れると、あらまあタイ語に変換してくれる。そこまでは普通の翻訳ソフトと同じだけど、さらにもう1回それを機械で日本語に翻訳して、意味の違いがないか確認できるのだ。特に音声では貝と会など同音の間違いがある。これで確認しておけば誤解が生まれない。
実際に使ってみて、スマホ画面を見せれば市場のおばちゃんも「あらま~」と言いながら理解してくれたし、下段のタイ語と書いてあるところをタップすれば逆向きの翻訳も可能なので「ここに喋って」で日本語に変換できる。また、スピーカーマークだと女性の声でタイ語を読み上げてくれるので、ほぼ短い文であれば会話が成り立つ。
電波がなくても使える「Maps. me」
ガラパゴスの島で、私の命を救った「Maps. me」。この左上のアプリである。悪いことは言わない。どこへ行くにも入れておこう。ネットがなくてもGPSで使える。しかもGoogle mapにない情報が入っているのだ。
このアプリはネットではなくGPSなので、僻地に行っても正確な自分の位置を示してくれる。そしてGoogle mapと連動できる。自動ではないので、あらかじめ自分で作ったMy mapのメニューからKMLに変換したファイルを、メールなどで送ってスマホで開き、アプリに読み込ませる手間はあるものの、いざというときの命綱になる。
さらにはGoogle mapにない情報がいっぱい出てくる。宿泊サイトに載ってない小さなホテルや、地場のショップ、レストランなど。上図はワットポーをズームしたところ。無料の水配布所やトイレ、水飲み場の場所まで出てくる。今回はアユタヤでこの機能が非常に役に立った。遺跡のチケット販売所もしっかりマークがついていて、むしろGoogle mapより詳しいエリアもある。ぜひズームしてチェックを。
プリペイドSIMは日本で買う
「空港に着いてからSIM買えますか」という質問になら「オーイエス」×10。そこらへんで買える。街のあちこちでも。値段も安いので心配しなくていい。でも、自分で設定ができる人なら日本でSIMを買って飛行機の中で入れ替えるのが最もかんたん。着いた瞬間に使い始められる。
カバーエリア国内最大AISがおすすめ
私が買ったのはこのタイプ。Amazonで現地とほぼ同じ価格で買える。ただし注文から到着までしばらくかかるので、直前の購入には向かない。
タイの通信会社はいくつかあるが、この「AIS」がいちばん大きくて通信範囲が広い。これは7日で3GB使えるタイプで、通話が100バーツ分ついている。国内だと1時間分くらいだったはず。国際電話もOK。ただ、よくわからないキャンペーンだかで、かなり容量が増えたらしく、使っても使ってもなくならなかったw
飛行機の中で日本語の説明書を見ながら設定を終え、空港についてモバイルデータをON、瞬時にウェルカムが飛んできて開通。あとはサクサクと日本と同じレベルでつながった。何のトラブルもなく500円以下はすばらしい。ちなみに1月半ばに届いて有効期限は10月半ばまで。まあ、何の問題もない。