福岡→ヒースロー、到着早々テートモダンへ

こちらの記事は2012年の再掲です。多少情報が古いことをご了承ください。

福岡→成田→ヒースロー

福岡空港は市内へのアクセスこそ便利この上ないが、成田への乗継便の出発が必ず早朝なのが非常につらい。特典航空券の場合、地方空港からは直行便がないから仕方がないのだが、離陸が7時すぎ!なので、また今回も始発電車に乗り、長い待ち時間を経て機上の人となった。

成田で出発前の和食をしばく

ロンドンまでは成田から直行で12時間。映画を観てたらけっこうすぐだが、慣れない人にはきつい半日コース。個性的なお味(婉曲表現)の機内食対策として、搭乗前に日本の味をお腹にいれ、化粧を落として出国ゲートへ。

めっちゃ古い機材、777に搭乗

機材はボーイング777。乗ってみたら過去最高に内装が古くて萎えた。マイルでエコノミーだから贅沢は言えないが、電源はもちろんドリンクホルダーもアメニティもないのよ。毛布、毛羽立ってるし…(涙)

機内食も、有名シェフ監修と大々的に謳っている割には、学校給食っぽい…仕方ないんだけど(涙)機内食=美味しくない、というのはどうにか改善できんのだろうかね。旅の楽しみがそれだけで違うと思うんだけど。

この他、途中でペストリーが一個。私は持ち込みの塩豆かのこ餅(塩豆大福の求肥だけバージョン)をいただいた。これがめっちゃ美味しい。餅好きな人にはメガヒットなおやつだ。

そんな事をしながらジョージクルーニーの新作観たりしてたら、朝ごはんが出た。肉まんだそうだ。・・・あえてコメントはしない。想像におまかせする。

さて、この後いよいよ入国カードを書いてヒースローへ。オペレーションの悪さとロスバケ(荷物紛失)率で、世界最悪の空港とも聞くが、乗り換え以外で利用するのは初めて。どうか長時間並びませんように。

ヒースロー空港、やはり並ぶ

ヒースローでは心配していたロスバケもなく、イミグレの意地悪な質問もなかったが、やはり並んだ。軽く1時間は越えていたと思われる。ゲートは10以上あるのだが、いかんせん到着便数がハンパなく、特に今回のターミナル3はアジアの到着便が昼過ぎに集中するので、優先ゲートでさえ並ぶ始末だ。

空港を出るまでが長いんだ

到着ゲートからイミグレ、バゲージクレイムから地下鉄までの移動も、かなりの長距離。お年寄りや足の悪い方には辛いだろうと感じた。さらに、クレジットカードで現金の引き出しをしようとしたら、空港内のマシーンすべて不可マーク。仕方なくレートの悪いTRAVELEXで1万円替えた。

その後、例のwifiルーターを受け取り、予定の時間を30分以上過ぎてようやく日本に「到着」メールを送ったときには、先方はすでに眠っていた、という段取りの悪いスタートである。ちなみに以前、ブリティッシュエアでトランスファーしたとき、新しいターミナル5を使用したが、設備はターミナル3より格段に整っていた。

Barkston gardens Hotel

空港からはピカデリーラインで一直線。乗る前に「オイスターカード」を買うことを忘れてはいけない。

ロンドンで「オイスターカード」は必須

ロンドンの地下鉄(正式名称Under ground、通称Tube)は、現金で払うと一回500円くらい平気でかかってしまうボッタクリ電車だが、ICカード(Suicaみたいなやつ)にすると、あっさり半値くらいになる。

これを知らずに乗るとばからしいので、空港駅で7日トラベルカードを作った。デポジット£5。好きな金額をチャージし、乗っただけ引き落とされる普通のカードでもいいのだが、長い日数チューブを乗りまくるため、使い放題パスにした方が私の場合はお得だ。

なんとかホテルにチェックイン

さて電車がアールズコートに着き、ホテルへ。歩いて2分くらいなので、全く迷わず着いた。古い石造建築だ。まあ、こちらの建物は旧くて当たり前。

この「Barkston garden hotel」も、相当ガタピシ(笑)で、ドアのロックだけ現代イギリス風にカードキーになっている。レセプション嬢の中東っぽい巻き舌英語をなんとか理解し、キーの番号と全く違う階の部屋へ。

部屋は割と広い。ダブルベッドに大きな机、たんす、スーツケース置き場、奥のバスルームは希望した通りバスタブがついている。

懸念されたお湯の出もばっちり。外国に行くと、日本とはお風呂やトイレのレベルが違いすぎるので、ちょっと困るときがある。まぁそれも旅の醍醐味なのだろうが、風呂好き日本人としては、金魚鉢みたいなシャワーブースより湯船にドボン、がいいに決まってる。

「Tate Modern」に行ってみた

着いていきなりだが、出かけることにした。時刻は夕方の6時ごろ。もう外は真っ暗だ。ロンドンの治安は悪いと言われるが、体感的には東京と同じ程度に思える。油断してる人間は、世界どこでもターゲットになる。

夜景が美しすぎて震える

今夜行くのは、近代芸術の収蔵施設としては、世界最大級の「Tate modern/テートモダン」。お洒落で最先端なロンドン・アートがうなる、超メジャー美術館である。いくつかの駅からアプローチできるが、アールズコートからは、地下鉄ディストリクト線で一本のマンションハウス駅まで行き、そこから歩くのが手っ取り早い。

駅を出て大通りを東に進み(私は海外では小さなコンパスをポケットに入れている)、聖ポール寺院の姿が見えたら、そこを左折。すると、目の前に光の筋のような「ミレニアムブリッジ」が見えてくる。

とても幅が狭くシンプルな橋だが、暗いテムズ川の水面を切り裂くように、まっすぐテートモダンに伸びる景観は、なんとも幻想的。そして、橋の真ん中で振り返る。聖ポールが橋につながり、これもまた絶景かな。

橋を下り、階段でくるりと一周するように、テート前の川岸へ。白樺の並木が出迎えてくれる。この日は数日前までイギリスを襲っていた大寒波の名残で、雪があちこちに残っていた。

この日はヤヨイ・クサマ特別展

テートモダン入り口。ロンドンの国営ミュージアムはほとんど無料公開という太っ腹だが、特別展が開催されている場合、そちらは有料となる。この時期、テートモダンは「草間彌生」が開催されていた。日本が世界に誇る、前衛芸術家やよいちゃんである。

折りしもその直前に大阪で展覧会を見た。その勢いでこちらでも鑑賞したかったのだが、時間がなく断念。

土曜の夜は遅くまで開いている

実はこの日、バタバタやってきたのは、土曜の夜のレイトオープンを利用するためだ。ロンドンの美術館は週末は会社員のために夜間も解放されていて、昼間とはまた一味違ったムードが楽しめる。

常設だけでも莫大な収蔵品を抱えるテートモダン。とりあえずは、順路どおりにひとまわり。あっという間に時間が経つ。

途中、デートスポットとして人気のある7階の「Cafe 7」で食事をしようと寄ってみたが、立錐の余地もないほどの混みよう!みんな立ったまま飲み食いしている(びっくり)

仕方がないので、展示を見た後に遅い食事をすることにした。写真は、特別展示の「草間=KUSAMA=クサーマ」エントランス。見た瞬間わかる、独特の空気がわーーっと体を包むのが心地よい。

館内Mapをもらったインフォメーションのお兄ちゃんに「こっちで草間彌生は有名なの?」と聞いたら「モダンアートでは、世界のビッグネームだ」と言っていた。いろんな意味ですごい人だ。やよいちゃんは、まだ存命で精力的に制作活動を続けていると聞く。ぜひ、元気でいっぱい作品を世に送り出してほしい。

最後はショップをひやかして、退出。ざっと見ても2時間はかかる、濃い展示だった。写真を撮っていいのか迷ったので、この日は撮らずに見るだけにした。今度は昼間に、もっと長い時間かけて全部見てみたい。

帰り道も夜景を楽しめる

テート前のテムズ川河畔から、ライトアップされたセントポール寺院を撮影。

天文学者でもあった建築家、クリストファー・レンが、ロンドン大火で焼けた教会の復刻にあたり、その生涯をかけて築き上げた、バロック様式の豪奢なドームは圧巻である。

こんな昔の建物が、当時の面影を失うことなく現代にマッチするのは、さすがヨーロッパ。日本も真剣に景観の保存を考えたほうがいい。京都でさえ、今は目も当てられない状況だ。

「Nando’s」ペリペリチキン

遅い夕飯は「Nando’s」でペリペリチキンをテイクアウェイ(イギリスではテイクアウトと言わない)。

ロンドンの庶民が大好きなチキン

ポルトガル風の辛口ローストチキンのチェーン店で、本部は南アフリカというややこしさだが、イギリスではおなじみのカジュアルレストラン。

とりあえず、迷ったときは冒険しないでチキンやで(笑)ここは私が苦手なフライドポテトではなく、マッシュドポテトがチョイスできる。たぶんロンドン中あちこちにあると思う。お味はまあ、そこそこ。

公式ウェブサイト…

チキンコンボの1/4羽+選べる付け合せ2種(コールスロー+マッシュポテト)。これに駅前のコンビニでビールを買って帰り、ホテルのテレビでBBCニュースを見ながら食べてたら、ホイットニー・ヒューストン死亡のニュースが流れてきた。

そんなロンドン第一日目。