美しき盛岡「南昌荘」で庭園の緑に染まる

盛岡の朝は「福田パン」で始まる

名物「あんバター」は食べておきたい

盛岡のパン屋といえば「福田パン」、そして福田パンと言えば「あんバター」なんだそうな。


本店は駅からちょっと遠いので、早朝から開いてるエキナカの「Te to te to」という売店を利用した。岩手の名産品を扱うショップで、イートインできるかなと期待したが、奥のテーブル席は作業場になっていて座れないようだった。残念。

これがウワサの「あんバター」。通路に山盛りはみだして置いてあるが夕方になると完売している。

奥の冷蔵ケースにはサンドイッチ類、こっちは400円以上のものが目立つ。どれもパンは同じふわふわ系で、けっこう大きいので1個でお腹一杯。味はなんとなく懐かしい感じ。盛岡に来たらぜひ一度はどうぞ。

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街はずれの静かなる楽園「南昌荘」

できれば平日、人の少ない時間帯に

結論から言うと、他を省いてもここだけは見ておいた方がいい。素晴らしい歴史的建造物である。やや中心地からは外れているけど、盛岡駅前の12番バス停から「水道橋行き 」に乗り「下の橋町」で下りれば徒歩5分。繁華街から行くなら、でんでん虫号も停車する「カワトク(菜園)前」または「ナナック(肴町)前」バス停から歩いて10分程度。健脚な人なら、盛岡駅から歩いて行くのもいい。30分かからない距離だ。

住宅地に忽然と現れる別世界。ここが入口である。前庭だけでも美しすぎてため息が出る。実業家の瀬川安五郎が明治18年頃に建築し、次々と資産家が所有してきた。華美に作りこんではいないが、整然と手入れされた、なんとも品の良い佇まいである。

しかし実は近年、ここを更地にしてマンションを建てる計画があったというから驚きである。もちろん市民は大反対、「盛岡の財産を失ってはならぬ」と市民生協が盛岡の民を代表して立ち上がり、やがて5つの地域生協の合弁による「いわて生活協同組合」が誕生。邸宅・庭園を買い取り、大切に維持され続けている。

現在は盛岡市の「保護庭園・保存建造物」、庭園は国の「登録記念物」に指定されており、2000年には合併10周年を機に一般公開が始まり、我々観光客もその邸内を鑑賞できるようになった。

映画「3月のライオン」のロケ地

中へお邪魔する。この日はお客さんが少なかった事もあり、スタッフの方がご親切にお部屋を案内してくださった。またこの説明が実に面白く、勉強になることばかり。

ハイライトは板張りの大広間。近年では映画「3月のライオン」で、主人公桐山零と宗谷名人の対局シーンの舞台となった。また、2007年のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」では、草笛光子さん演ずる大女将の部屋であった。

足を踏み入れると、この時期は庭の緑が磨かれた床に映りこみ、京都実相院門跡の床もみじならぬ「床みどり」が楽しめるのだ。絶景を前に、しばし時が止まる感覚、ぜひ現地で体験して欲しい。

 

なお、この大広間を囲むように縁側が施されており、贅沢にもお茶やお弁当(要予約)を楽しめるそうだ。お庭を見下ろす特等席、ここでぼんやりと緑を眺めて過ごすのは格別だろう。今回は時間がなかったが、次回はぜひお抹茶をいただきたい。素敵すぎて去りがたし。

お庭の美しさもまた格別

玄関から履物を持ってきて、お庭に下りてみる。夏のこの時期も良いが、冬の雪化粧もきっと美しいだろう。春は桜の薄紅に染まり、秋は紅葉に彩られる。そんなことを想像しながら隅々まで楽しんだ。

目が緑に染まりそう。どんな人々がここで暮らしたのだろう。

縁側の隅にさりげなく置かれた団扇。これがまた粋な柄で雰囲気にぴったり。

壁に埋め込まれた金庫は、当時の西洋の技術が随所に施されたもので、なんと底床は石!大きな一枚岩が床下から据えられており、もし火災が起こっても焼けつくさないように工夫されている。

南昌荘は季節により開館時間が異なる。夏期(4/1~11/30)は午前10時から午後5時まで。冬期(12/1~3/31):午前10時から午後4時まで。月曜日、火曜日、年末・年始(12/26~1/10)がお休みである。(月曜日が祝日の場合は開館)

以上、大人のお嬢様方にイチオシ。盛岡に行くなら南昌荘へ。歴史ドラマのヒロイン気分が味わえる…かも?

「南昌荘」の後は、ぜひ「 旧石井県令私邸」へ

南昌荘から徒歩数分のところにあるのが「旧石井県令私邸」である。見ごたえのある建物なので、ぜひ立ち寄って欲しい。表通りから細い路地を入っていくと、目の前に忽然と蔦の絡まる洋館が見えてくる。

この建物は、現在の県知事にあたる第二代石井省一郎県令の私邸として、明治18~19年に建設されたもの。

盛岡で最も古い本格的なレンガ造りの洋館で、全国的に見ても最初期のものだそう。半地下階,1階,2階のレンガ組積造3階建てで,屋根裏部屋もある。

玄関前には、白いバラとあじさい。周囲も季節の花に彩られている。もうどなたもお住まいでない様子だったが、邸内では催し物が行われているようだ。機会があれば内部もぜひ拝見したい。

緑豊かな自然公園「盛岡城址」

「お城だった跡」だけ残ってます

城好きとしては、挨拶にいっとかないといかんでしょう、たとえそれが城跡であろうとも。ということで、やってきた。石垣を見るとワクワクするねぇ。登りたくなる。昔、伊賀上野で忍者修行をしたせいかもしれない(実話です)

盛岡城は、盛岡藩初代の南部信直が、1597年から築城を始めたと言われ、北上川や中津川の洪水で難儀しながらも完成。なんと築城開始から36年後の1633年にようやく南部重直が入城して、以来盛岡藩主の居城となった。

廃藩置県後は明治5年に陸軍省所管となり、以後は城内の多くの建物が取り壊され荒廃していたが、明治39年に岩手公園として整備された。さらに平成18年には開園100周年を記念して「盛岡城跡公園」と愛称が制定され、市民の憩いの場となっている。

公園の中には、盛岡出身の石川啄木が詠んだ「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし十五の心」の歌碑もある。

また、素敵な東屋も。これは明治の開園時に作られたもので、当時8棟あったうちそのまま現存するのが5棟。これは「夕陽亭」で、本丸の西にある。座ってみようかな~と思ったけど、なんかめっちゃ蚊がいて断念!

この後、必死に本丸の跡を探すが・・・見つからず、もう諦めて帰ろうと振り向いたらお前がいた。

「ふふっ、こんなひっそりと隠れてたんだな、本丸」

小さすぎてわからん、ちゅーねんw

さて、ランチに行くぜ。岩手の肉を喰らうんだぜ。