郷土料理「ロクロ」と装飾博物館

伝統的なアルゼンチンの味を体験

アルゼンチンに着いてからステーキ、エンパナダ、ミラネサと、あれこれ食べてきたけれど「これぞ郷土料理!」というレベルのものはまだ体験していない。そこで、今日はコッテコテのアルゼンチン料理を食べに来た。レコレータのはずれにある「Na Serapia」という店である。

素通り間違いなしの地味な食堂

地下鉄はどこもちょっと遠いのよね。Blnesから歩いて10分か15分くらいかな。道を挟んだ目の前に、大きな「ラス・エラス公園」がある。

店に入ってみた。ランチタイムちょい前だったのでガラガラ。奥のカウンターのお兄ちゃんに声かけて、「ロクロ」と炭酸水をオーダーした。ロクロはアルゼンチンの代表的なシチューである。

ここのお店のオーナーは有名人みたいで、たくさんメディアでも紹介されているようだ。なぜか槍も飾られていて、ゴタゴタした感じが下町風。

メニューはこちら。私が頼んだロクロは「COMIDAS」の項目にある。COMIDA=食事、食べるという意味で、フードメニューみたいな意味だろうか。他にもカルボナーダやタマレス、ウミータなど、観光客には縁遠い味が並ぶ。

豆とコーンの煮込み「ロクロ」

数分後、熱々の「ロクロ」登場。豆ととうもろこしと肉を煮込んだ、アルゼンチンのシチュー。豆は白インゲンかな。とうもろこしがひよこ豆みたいにホクホク。これはエクアドルの白とうもろこしに似ている。肉は牛肉。

これをパンでこうやって食べるとうまい。素朴でやさしい味わい。アルゼンチンではお祝いの時に作るもんらしい。機会があればぜひ。

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美の館、国立装飾美術館

Na Serapiaから歩いて東へ。エレガントな佇まいの「国立装飾博物館(Museo Nacional De Arte Decorativo)」にやってきた。ここは建物自体がすでに芸術。貴族のお屋敷だったところを、主人の死後アルゼンチン政府に譲渡された。館内にもあらゆる装飾品や調度品がちりばめられているので、隅から隅まで見逃すべからず。

開館時間14時、入り口カフェが大人気

この美術館はすっごく素敵なんだけど、注意してほしいことがひとつある。それは、開館時刻が14:00だということ。旅の計画を立てるときには午前中に組み込めない。私も時間調整してオープンと同時に入場した。

そしたらなぜか入り口のカフェがもう満席。ここのカフェはイングランド風で素敵だと聞いていたので、まずお茶してから見ようと思ってたのに。オープンと同時に席が埋まるとは。みんな並んで待ってたのかな。

一階は大広間。ここはがらーんとしていて、あんまり見るものないなと思ったけど、後で二階に上がって見下ろした時の眺めが素晴らしかった。奥のスペースでは企画展をやっていたが、近代的な商品の陳列がせっかくの内装と超ミスマッチで、いろいろ事情はあるんだろうが台無しではあった。

ホールから上を見上げると、装飾された灯り取りの天窓が見える。シャンデリアの細工も素晴らしい。そして下を見ると寄木細工に感動。ごめんよ、見るものないとか言って。ここはハコ自体がアートやったんや。

ああ、これも目が合ってしまった、セクシー系のらせん階段。たまらん!

お2階はコレクション展示コーナー

2階にあがるとさっきの大広間を見下ろすように回廊があり、そこから展示室として使われている小部屋へ入っていく。こういう造りのお屋敷は、たまに続きの間があって「ご夫婦のお部屋かしら」などと妄想が広がるのがいい。

ヨーロッパほどではないにしても、やはりアルゼンチンでもお金持ちの東洋趣味はあったらしい。ちょこちょこと超高級品を見かける。

この棚の前でしばし立ち止まってしまった。大好きな赤のグラス、これだけ集合すると圧巻。穴が開くほど見つめてしまった。

かわいい…。スタッキングなんかできんでええから、こんなグラス売ってほしい。

これは旦那様の「帽子のお部屋」ですってよ。渋い、色っぽい♡

ちょっと寒そうな大理石のバスルーム。20世紀初頭、水道はあってもシャワーがない時代なので水差しがスタンバっている。

ああ…きた、さっきのより数倍セクシーならせん階段。これでタンゴでも流れてきた日には完全ノックアウト。これを見るだけでも来た甲斐があったわ。

国立装飾博物館公式サイト:http://www.mnad.org/