景福宮 を見て仁寺洞ランチ

ホテルの朝ごはんレポート

旅の朝ごはんは郷土色が濃く出るだけに、私は楽しみにしてるのだけれど、保守母が慣れたものがいいようなので、クッパの予定をキャンセルし、ホテル内のレストランで食べることに。

ごく普通のホテルブレックファストにソウルで2000円近く払うのかと思うと悲しいが、父母は見なれた食材で安心したようだ。これも親孝行。食後の緑茶もしっかりゲットしたし。ほとんど日本にいるのと変わらない朝だ。

しかし、私もへこたれない。何とか韓国に来たからにはそれっぽいものを食べようと、本来はおかゆ又はキムパブ(海苔巻き)に使うものだったらしいナムルやキムチで、即席ビビムパを作ってオリジナル朝ごはんにした。

手前の緑のナムル、これ「エホバック」というかぼちゃでズッキーニに似てる。美味。キムチ(ペチュ=白菜)は非常にすっぱい。しっかり乳酸発酵したものほど良いと言われるだけに、食べるとシュワーとする。これが日本の市販キムチと決定的に違うところだ。

景福宮(キョンボックン)경복궁

お腹が満足したら、いざ観光へ。ソウルには5大王宮というのがあり、どれも素晴らしいのだが、中でもこの「景福宮(キョンボックン)」は、12万6337坪の規模を誇り、敷地内に様々な建築物を持つ、韓国を代表する宮殿だ。1395年(太祖4年)に創建され、現在は国の史跡第117号に指定されている古宮(コグン)である。

地下鉄を上がれば目の前に

地下鉄の「景福宮駅」から地上に出ると、もうそこは広い広いエントランスロード。韓国の歴史に名を刻んだ英雄たちの像がそびえ立ち、噴水がバンバン上がって、日本の歴史建造物と比べて華やかな感じがする。

これが面白かった、昔の日時計。「仰釜日■(咎の上に日)」というらしいのだが、世界で唯一、影を落とす面が半球という、めずらしいもの。棒の先を見ると、時刻と節が同時にわかるのだとか。今もあったらいいのに。これのレプリカが土産物で売ってないか探したが、ついに見つからず。

これは、韓国の歴史を刻んだモニュメント。駅から続く道に、延々と一年後とに出来事が書いてある。面白い!

王宮へのゲート、光化門(クンファムン)が見えてきた。モデルは初公開My 父母(爆)

日本語の無料ツアーに参加

光化門をくぐって、広場を抜けたら本殿。この入って右側に観光案内所があり、一日数回無料の日本語での案内ツアーがある。今回はそれに参加。自分ひとりだったら、ばんばん勝手に行ってしまっているだろうが、せっかくなのでツアーに参加した。

ガイドさんがマイク持って案内してくれる。日本語上手だけど、よく聞こえない。ぴったり先頭でくっついておくべし!

はい、上みて~。見事な装飾がずらり。昔の王様ってすごい。国のお金でこんな贅沢、まあ今の日本も構図は変わらん気がするが…

数え切れないほどの建物をめぐり、最後はここで解散。すぐ背後に博物館があるので時間があればぜひ足を運んで欲しい。
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お庭のあちこちにアートが点在
建物の屋根の上に、動物のオブジェが乗っている。これらの動物は家と主君を守るものらしい。猿のほかにも種類があったようだ。どれも、丁寧な細工がされていて、いかに景福宮建立当時の王族の勢力が旺盛であったかを物語る。
こちらは庭に咲いていた芍薬の一種。手のひらにおさまりきれないほどの大きさで、豪奢な衣装をつけた王妃が宮廷を闊歩していた様子を髣髴させるような、見事な咲きっぷりに感動した。

オンドルの焚口なのだそうだ。一日に二回、石炭を燃やして石の土台を暖め
その輻射熱で建物全体を暖房する。ソウルの冬は日本より寒いが、この方法で家中が温まるという。エコな暖房システムだと思う。

これも庭園の花。お后の宮殿の前に植えられていた。椿の一種だろうか、とてもきれいな色だ。

湖面に写る東屋の姿、浮かぶ水草や、鳥の声。五月のソウルは最高の美しさ。吹く風さえ輝いて見える。

木に咲くあじさい。花の大きさは人間の拳くらいで鈴なりの姿が可愛らしい。

国立民族博物館

解散場所から少し戻ったところにある、敷地内の「国立民族博物館」へ。景福宮には、ここともうひとつ「国立古宮博物館」があり、後者のほうが学術的な展示がされている。

私ひとりであれば、おそらくソウル中や近郊すべての博物館や美術館を回るのだが、うちの親はあまりそちら方面には興味がないので、短時間だけ民族博物館へ寄ることにした。

ところが、ここがけっこう楽しくて。珍しい民族衣装や、農耕器具の展示を見て歩くだけでも勉強になる。

右側は、韓国の伝統的な帽子なのだそう。ヴィヴィアン・ウエストウッドと言っても通じそう

この他にも、ジオラマ仕立てで展示されている民家の見本や、韓国伝統料理の食品サンプルなど、おみやげに買って帰りたいような展示品がいっぱい。

ロビーにあるミュージアムショップも充実していて、韓国伝統柄の傘やクッション、文具やオブジェなど面白いものがたくさん置いてある。今度来たときは、ぜひじっくり時間をとって回ってみたいと思った。

必見!衛兵交替式

景福宮に行った人が、本殿より見ごたえがあったという衛兵の交替式。一日に数回、本式と略式取り混ぜて行われ、無料で見物できるため、観光客はもちろん地元民も押し寄せる人気のイベントとなっている。場所は、入場時にチケットを買った光化門の広場。

衣装の色鮮やかさに目を奪われる

ドーン、ドーンという大太鼓の音に合わせて、衛兵の衣装の若者が門から行進してくる。まずはその鮮やかな色彩に絶句だ。

日本の着物も独特の色彩を持ち、鮮やかで優雅だが、韓国の伝統色は力強くポップで、それでいて澄んだトーンを放っている。鮮烈な色のハーモニーと、独創的な布地のカッティングや装飾品に、ただ夢中でカメラを向けた。

機能性がアップし、デザインの多様化する現代ファッションだが、これら民族衣装を超える美しい服に、私はまだ出会った事がない。父も母も「すごいねー!」「きれいだねー!」を連発しながら、夢中で式典を眺めた。この様子がかつてこの場所で、同様に執り行われていたのだと思うと、身震いがする。

こちらが良い音をさせていた大太鼓。鼓手さんは自分のパートが来るまで、微動だにせず。小太鼓や笛の方も、歩きながら背中をまっすぐにして凛とした姿で演奏をしていた。伝統儀式ならではの緊張感が心地よい。景福宮を訪ねるなら、逃してはならない必見行事のひとつだ。

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仁寺洞(インサドン)인사동

景福宮から東南に10分ほど歩いたところに、インサドンがある。ミョンドンが賑やかでポップな繁華街であるのに対し、こちらは少々大人の趣がある。もともと骨董屋や古美術商が軒を並べていた通りを、クリエイターがプロデュースして、今の形になったらしい。

隠れ家チックな韓定食屋さん

町の面積や店の数こそミョンドンに比べると及ばないが、伝統茶を飲ませる隠れ家カフェや、韓国ならではの小物を扱うセレクトショップ、そしてコンセプトのはっきりした飲食店など、私は圧倒的にインサドンが好きだ。今回はその中でも外国人ウケがよさそうな韓定食屋を予約しておいた。

店の名は「山村(サンチョン)」。インサドンには人がようやくすれ違えるほどの路地が無数にあり、表通りよりその奥に個性的な店が多くあるのだが、まさに「山村」もそうである。客は地図や看板とにらめっこしながら、細道をクネクネと入り込んでたどり着く。

店内は韓国の伝統家屋をそのまま生かしたつくりで、中庭で靴をぬいでオンドルの床にあがる。代表的なランチのコースを注文し、冷たいペクチュ(ビール)で、まずは乾杯。

ちょっとずつ、いっぱい出てくる

突出しはクレープ巻き。この丸いのに包んでどうぞ。

次に、かぼちゃの粥、水キムチ(トンチミ)そして韓国らしく、熱いコーン茶。お茶は大きな急須で飲み放題だった。

その後、これがドーンとやってきた。何品あるか、数えなかったが、テーブルに乗り切らないほど。韓定食(ハンジンシク)の醍醐味だ。

ちなみに、この店は精進料理の専門店なので、すべて食材は野菜。ほうれん草やえごま、きのこ、豆腐や芋など、実にバラエティに富んでいる。

菜っ葉が刻み込まれたおこわごはん。


韓国の味噌汁、テンジャンチゲ。思いっきりブレてるw


レジの前では、山菜の乾燥させたものや、ハーブ、ナッツ類、伝統小物なども販売されていて、ちょっと珍しいお土産を探している人にも良さそうだ。

上記のおかずは当然ながら全部は食べられず、半分ほど残してしまった。「卓の脚が折れるほど」皿を並べる、韓国ならではのもてなしのスタイルなのだろう。

インサドンの町をぶらぶら

ご飯が済んだら、再びインサドンの町へ。伝統茶屋や小物屋など見に行く予定だったが、母の体力が限界に達し、タクシーでホテルへ帰ることにした。

歩道の屋台で、飴をカットするおじさん。落雁のようにも見えるがカットする様子からは固そうだ。

 

大きな飴の塊。すいません、ホコリが表面にびっしりなのですが…気にしないらしい(笑)

タクシーでホテルへ帰り、母を寝かしつけてホテル内のカフェで一休み。明日からの予定、ちょっと組み直した方がいいかな。欲張らずゆっくりペースで回ることにしよう。