明洞で食べて南大門市場で買って

ソウルの朝はソルロンタン

2日目以降、我々が朝食をとったのが、ホテルの前にある「ヤンジソルロンタン(마포양지설렁탕)」。ソルロンタンとは、牛の骨付きを煮出したスープで、韓国では超ベーシックな国民食なのだそうだ。

いい味の牛骨スープに舌鼓

日本でも焼肉屋さんで出てくるところがあるが、こちらでは専門店で食べるのがメジャーらしい。この店はその中でもソウル市内あちこちから、わざわざ食べに来るほどの老舗有名店。定番のソルロンタン一杯7000ウォン。さすがに納得の美味しさだった。

食べ方は、まずトッピングと味付けから。スープは味付けなしでやってくるので、各自テーブルに置かれた塩、こしょうで好みに調味し、鬼のように山盛りで置いてある刻みねぎ(店の前でねぎをさばいているのを見て、その新鮮さにニンマリ)を加え、ガーッと混ぜる。

具材は牛と麺というシンプルさ。よく煮込まれて柔らかいので、スッカルで簡単に切れる。このままスープをいただいても良いのだが、地元民は「コンギパブ」と「ビビム」するのが普通。

ご飯(コンギパブ)投入っ!

これがコンギパブ。コンギ=空の器+パブ=ご飯、これで白ご飯の意味を持つ。普通はスープには白ご飯がついてくるが、もしない場合は「コンギパブ、ヂュセヨ」と頼む。ちなみにこの容器が欲しくて、ナムデムンシジャンで購入。まだ現時点でご飯には使用していない(笑)

で、これをスープをかけて「ビビム=混ぜる」するのが、韓国式の食べ方。スープに放り込む猛者もいた(笑)

このとき、忘れてならないのがバンチャン(おかず)。あっさりしたスープに合うのは、やっぱりキムチ。この店では、こんな巨大な容器がテーブルに置かれ、好きなだけご飯に乗せたり、スープに入れたりして食べるシステムだ。

全部いい味で気に入ったが、中でも秀逸だったのが手前のネギのキムチ。あの食欲のない母が、ハサミで一生懸命チョキチョキして、ご飯にこれをのせて喜んで食べていた。実際は匂いの問題などで難しいが、「買って帰りたい」と思うほど、甘みがあってフレッシュな香りで、まるでスパイシーなサラダのような、味わい深い一品であった。

とりあえず明洞(ミョンドン) 명동

ミョンドンは、日本でもメジャーなソウル一の繁華街。もう、ほとんど新宿や渋谷と変わらないムードで、看板のハングルがなければ、海外に来ている感じがしないほど。

母のリクエストでロッテ百貨店へ

しかし、地下鉄の上り口付近に出ている屋台を見ると、ああ韓国だなと認識する。朝からおでん(?)や様々なスナック類を、きれいなOLさん風の人がささっと買って出勤されているのを見て、ちょっとつまんでみたくなったが、老人二人がいやがるので今回はやめておいた。(買い食いほどエキサイティングな海外旅行の楽しみはないと思うのだが)

今日はデパートの開店を狙っていったので、時間帯は早いのだが、もう人が町にあふれている。活気のある街、ミョンドン。

ロッテデパート店内。日本の百貨店と変わらないが、地下食料品売り場の横に、ケイトスペードがあったのは驚いた(笑)

上階はソウルでいちばん大きな免税店。(行きかたが少しややこしいので、店員さんに聞いた方がよいかも)品揃えは確かに良いが、インチョン空港にもある店が多いように思った。

面白かったのは、地下食料品売り場。母が韓国の伝統菓子やチョコレートを買っている間に、野菜売り場に行ってみた。その土地の生活を知るには、生鮮食料品を観察するのがいちばんだ。(ちなみに二番目はトイレであるw)

韓国は「ポッサム」=(包む)食べ方の多い国で、レタスの類や、それに巻き込む香味野菜も豊富だ。また、キムチやチゲなど野菜をたくさん使う料理も多く、こんなに青菜だけでも珍しいものが並んでいる。買って帰りたい…いつも市場では眉間にしわがよってしまう(笑)

群山オジンオ군산오징어

ランチは海鮮鍋へ。ガイドブックに乗っていた「ヘムルチョンゴル」というシーフードの寄せ鍋を食べさせる「郡山(クンサン)オジンオ」という店に来て見た。チョンゴルとは大きな鍋で煮るスープ料理、チゲは一人用の鍋でいただくスープ料理、と自分なりに荒く理解したが、タン(湯)というのもあるし、分類が難しい。

生きたタコを煮える鍋にドボン!

ちなみに、どうでもいいが、テーブルのピッチが狭く、後ろの客の椅子と背中がくっついてるのが何とも居心地が悪く、店内の生臭さでうんざりしたが、味はそこそこ良かった。まぁ、この素材を見ればある程度の想像はできるだろう。以外にもこってりした味噌コチュジャン味ではなく、さらっとスープ。

他の具材が煮えてきたところで、おねーさんが「ナクチ」という手長タコとハサミを持って登場。ガーッと火を強くして、迷いもなく生きたタコを鍋にイン!目線で「今や、撮れ!」と合図されたので、必死で撮影。この数秒後にタコは煮え立つスープの中に有無を言わさず沈められ、この格好のまま煮上がることになる。

そしてそれをおねーさん、ハサミでチョキチョキ。確かに美味しかったがアドレナリンが分泌する食べ物であった。量が多かったので我々は鍋だけにしたが、焼き物や揚げ物など、海鮮メニューが豊富に揃っていたので、健啖家の方はぜひ。

 

いきなり出てきたペットボトル。店に勝手に持ち込んで飲んでいた自動販売機のお茶だが、名前がなんと「17茶」。まるっと日本の「十六茶」のパクリであることはまちがいないのだろうが、一種類多くかぶせてくるところにガッツが見られる。

街中で買い物するときも「日本のよりいいよ!」「これは韓国製だからいいよ!」と、自国に対する高いプライドが感じられた。いまや我が国はメイドインジャパン神話も崩壊しつつある。なんだか「もうちょっとがんばらんとなぁ~」と、父とため息つきながら、スーパードライになんとなく似た韓国ビールを酌み交わした次第である。

南大門市場 남대문시장

ミョンドンから隣町の「南大門市場(ナムデムンシジャン)」へ。ここは「東大門市場(トンデムンシジャン)」と並ぶ、ソウルの二大市場として、連日大勢の人で賑わっている。若い女性にはファッションビルが建ち並び、24時間ショッピングが楽しめる東大門が人気のようだが、老夫婦には、庶民的な衣類や食べ物、雑貨、なんでもごちゃまぜの南大門の方がフィットするようだ。

なんでもありのパワーに圧倒される

しかしまぁ、市場の作りの猥雑さとイカサマ商品の多さよ(笑)「ニセモノ、ニセモノ」って、買う人がいるから売ってるんだろうが、ヴィトンにピンクのモノグラムなんかあったっけ?とにかくパワーに圧倒される。

買い物に疲れたので、近所のカフェで休憩。(ようやくカフェに付き合ってもらったw)暑かったので、韓国風かき氷「パッピンス」を注文。
手前は私の苺味、奥は父母のグリーンティー味。韓国風の味はなかった。これもグワーッと混ぜて食べるみたいだ。