金鐘~中環/茶芸館と蝦子麺

私史上、最高にすさまじい宿w

今回の宿は、中環ランドマークの裏手にある、アイスハウスストリートという道に面した某ゲストハウス。ホテル予約サイトで見た感じでは、まあまあいい感じ。ホテルが激高い香港、一人旅だし…と、冒険心を出したのがアダになった。
火事が起こったら間違いなく死ぬなという迷路設計で、唖然とするほど粗末な内装…この私が写真に残していないことで、そのすさまじさは推して知るべし(笑)でもまあ、それも経験。ただ、立地は素晴らしかった。なにしろあのフリンジクラブの隣だ!
The Hong Kong Fringe Club
フリンジクラブ(The Hong Kong Fringe Club)とは、かつて香港がイギリス領であったころ、外国人記者倶楽部として栄えた館で、当時の文化や情報、その他もろもろが集結した、それはそれはディープな場所であったらしい。
赤白縞の煉瓦が目印の建物は、香港が中国に返還された今もこの街の文化を担い、若いアーティストの実験ステージとして、様々な展示会やイベントが行われている。カフェやレストランも併設されているので、オールドホンコンの雰囲気に浸りたい人にはおすすめ。ただし隣のゲストハウスはおすすめしない(笑)
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楽茶軒茶藝館でまったりお茶

香港というと、電飾看板がごちゃごちゃに並ぶ風景を想像する方も多いだろうが、観光地から少しはずれると、普通に日本と変わらない町並みで「あら普通じゃない」という感じだ。
金鐘(アドミラル)の緑の公園へ
今から向かう金鐘(アドミラルティ)は、中環から続く小規模オフィスや公共施設が多く、日本より高層建築が多いように見受けられた。その金鐘にある香港公園にトラム(二階建て路面電車)で向かった。目的は、美味しいお茶を飲むことだ。

時間は夕方5時前。アフタヌーンティーには遅く、夕飯には少し早いこの時間、香港ならではの素敵な時間を楽しめるのが、最近多くなっている「茶芸館」。伝統的なお茶を飲ませる専門店だ。

Lock Cha Tea House

都会の喧騒の中にあって、静寂と緑を楽しめる香港公園は、ほんとうに気持ちのいい散歩コース。その中には様々な施設があり、この「楽茶軒茶藝館 (Lock Cha Tea House)」も、そのひとつ。

お茶の歴史や道具を展示したギャラリーの横に、老舗のお茶屋である「楽茶軒」が開いたティールームで、外観も店内もムード満点。もちろん一人で入るけど~

日本では珍しいお茶がいっぱい

オールドホンコンスタイルの店内、撮りたかったけど満席で難しかった(涙)

こちらでいただけるお茶は、烏龍や鉄観音など日本でおなじみのものから、珍しい花茶など数十種。私が頼んだのは、日本ではあまり飲めない白茶の一種で、こういう茶盤という平たい箱に、小さな急須、茶海と呼ばれるサーバーをのせて運ばれ、店の人が丁寧に説明しながら最初の一杯を淹れてくれる。

急須にギュウギュウに詰められた葉は、テーブルのとなりに据えられた電熱やかんのお湯で、何回も淹れなおして楽しめ、くり返すうち一煎目とはまた違った風味が生まれるから、茶の道は奥深い。

ここではベジタリアン点心も軽くつまめる。私がお茶受けに頼んだのは、白玉のジャスミンソース。これがまあ、上品で美味しいこと。お陰で、すごく満足なティータイムを楽しめた。

有名な場所があちこちに

香港公園を出て、今度は徒歩で来た方向へ引き戻す。公園の北側の遊歩道を回ると、やがて見えてくるのが有名な「ピークトラム」。

100万ドルの夜景を見られる「ビクトリアピーク」へ登る山頂トラムで、いかにもムードが盛り上がるので、観光客に大人気。しかし路線が一本しかないので、いつもありえないほど混んでいる。

この日も15分待ちと看板に出ていたが、実際は30分待ちだろうと思われるほど、トラム乗り場の周りに長蛇の列ができていた。私は以前に一回乗ったが、たいした景色でもなかったので、翌日ダブルデッカーで上がることにして、さらに中環の奥地へと進む。

金城武はいませんでした(報告)

私が泊まっている場所の近く、中環の駅からすぐの場所に「蘭桂坊(ランカイフォン)」という小さなエリアがある。ここは繁華街の中でも外国人がひしめきあい、ひときわ異彩を放っている。

私の愛する金城武が出演した映画「恋する惑星」で、ヒロインが働いていた店が、たしかここの設定だったと思う。道に出された椅子に座り、世界各国の人々がビールを飲んでいる。ごちゃ混ぜ香港の、いかにもな風景がこの界隈にはある。

今夜の夕食は、そのランカイフォンでいちばん麺が美味しい(と、私が思ってる)店で、香港ならではの麺をいただくことにする。

海老たまご麺の黄枝記

ランカイフォンを抜けた賑やかな繁華街にある、呑雲麺で有名な「黄枝記」という店。マカオが本店らしいが、前回の旅でいただいた麺の美味さに感動。今度も必ず、と思っていた。

ここの麺は竹で打つのだそうだ。そのせいか、香港呑雲麺特有のゴムのようなコシに加えて、しゃっきりとしたハリがある。普通は名物でもある海老呑雲麺をオーダーするところだが、ここはあえて広東でしか食べられない「汁なし麺」に。

写真の茶色いもの、これが「蝦子(ハーシー)」と呼ばれる海老の卵。粉になっていて、食べるときは付いてくるスープをレンゲに何杯かかけ、ほぐしていただく。濃厚な海老の旨みと麺の弾力がたまらない。やはりこの店は最高。

【追記】

この記事をお読みになられた方から有益な情報が。なんと上記「黄枝記」は、中環エリアの家賃高騰のため近く閉店。ただし、沙田の方のお店に行けば食べられるとか。またはマカオ本店。どちらにしても、中環店で食べ収めできたことを感謝。美味しい麺が不滅であることを祈る。