巨大像が目印「チャーン・エラワン」

 重さ250トンの象さんを見に行く

タイの動物と言えば、象をイメージする人も多いんじゃないだろうか。さすがに今はバンコク市内で象は歩き回っていないが、昔は戦争に使われ、その後は運搬などにも活用された。

そんなタイに縁の深い象さんをフィーチャーしたミュージアムがこちら「エラワン・ミュージアム」である。タイ語だと「チャーンエラワン」。(チャーン=象の意味)250トンの巨大象オブジェがこちらの名物となっている。

アクセスが良くなったというものの

ここは昔、アクセスが悪いので行きにくいと言われていたが、最近BTSの「チャーンエラワン(Chang Erawan)駅」が開通。歩いて行ける……ということに一応なったらしい。しかし、地図で見るとけっこう遠い?そこで中年おばば(私だよ)が実際に歩いて確かめてみることにした。

その結果は……「遠い!」めっちゃ遠い!

歩けないわけではないけど、炎天下だし空気は悪いし、道もところどころガタガタ。時間としては15分以上はかかったと思う。汗びっしょり、中高年にはおすすめしない。公式ウェブサイトには、サムローン駅からバスが出ていると記載されている。ひとつ手前のプーチャオ駅からタクシーでもいいと思う。チャーンエラワン駅はひっそりしているので車の交通量が少ない。

「お寺」じゃなくて「ミュージアム」

さて、ようやくついた。エントランスは2か所あり、チャーンエラワン駅からだと見取り図の青い丸の部分から入ることになる。料金所で外国人150バーツ(高い)を支払い、その横の小さいゲートから入る。目の前にはどーんと象。ピンクの四角で囲ったところ。これは近隣からも(BTSの車内からも)見える。

※クリック拡大

なお、紫の縦に長いところがお土産売場とカフェレストラン。ここはザ・観光モードで、こぎれいな商品が買えるし座って食事ができる。しかし、現地価格でお安くいきたい人は、緑の丸のあたり、屋外カフェテリアへ。

ただし、ここはゲートの外になるため、園内にいる人はチケットの半券を通用門で見せて出入りとなる。このカフェテリアだと水10バーツ、コーラ(プラカップに氷入り)が20バーツで買える。汁そばなど軽食もあり。

正門は見取り図の赤い丸。ここから何やらシャトルバスも出ているようだが(もしかして公式サイトにあったバスか?)タイ語で説明されていたのでわからなかった。帰りはここでGrabタクシーを呼んだのだけど、なかなか来なくて大変だった。アクセスはしっかり事前チェックしといた方がいい。

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どこを見ても象!象!象!

さあ、まずは庭園をぐるっと見てみよう。面白いオブジェや仏教芸術が点在しているので、ぜひお見逃しなく。

タイガーバームガーデンのような

エラワン・ミュージアムの創立者は、華僑出身の財界人レック・ウィリヤパン氏。きっとすっごいお金持ちなんだろう。香港に昔あったタイガーバームガーデンにちょっと似てるのは、やはり中国系な香りがするからだろうか。

園内にはカラフルな像がいっぱい。近くまでずんずん行けるので、記念撮影もできる。たぶん実物大だと思う。

近寄るとリアル。こちらは金、赤、黒のゴージャスなお三方。ちっちゃい象さんもいるので探してみよう。

インスタ映えする光景がたくさん

庭園のあちこちに配置されている、仏教(?)モニュメントを見学。英語で解説がったらいいんだけど、ない模様。でも、見た目がきれいなものばかりで、写真映えは上々。

不思議な南国プランツも数多く発見できる。なんだこりゃ、木の幹に他の植物が寄生してるのね。熱帯ではたまに見る光景。

これは……何種類かに寄生されているな。にぎにぎしいルームシェア状態w

たぶんこれはヒンドゥー教の神様、ブラフマー(シヴァ)ではないかいな?顔が三つあるもんね。創始者のコレクションは、仏教だけではないようだ。

そしてレストラン前の広場には、お供え物の果物や野菜がバスケットで売られている。さすがタイだけあって、仏様をお祀りしている場所ではみんな拝む。ここも参拝する人がいっぱいいるので邪魔しないようにしよう。

お参り用ではないと思うけど……なぜかバナナが房ごと。359バーツ、約1300円。これって高いの?安いの?

御本尊様はゾウさんの中だよ

では、いよいよゾウさんの内部へ。どういう設計なのか不思議だけど、ピンクの土台の中が上階まで続くミュージアムになっているのだ。

らせん階段と天井のホール、すごい

入口は、巨大象の下。ピンクの土台から靴を脱いで入る。けっこう中は混雑している。何しろ入り口が絶好の撮影ポイントなので、なかなか人が進まないのだ。

タイだから仏教だと勝手に思い込んでいたが、この「エラワン」という象は、ヒンドゥー教のものだそうだ。三つの頭を持つ神様の乗り物で、像の高さ29メートル、台座まで入れると44メートル近くにもなる。そして像の重さは250トン。もし建物がつぶれたらと思うと怖い。

入ってすぐのエントランスホール。おおっと歓声が上がるステンドグラス(上に象が乗ってるのにどうやって日光が?)に目を奪われるが、ここはベストな撮影ポイントではない。適当に眺めて上にさっさと上がるべし。

ほれっ!階上から眺めるステンドグラスは、くっきりはっきりすごい迫力。細かい模様も素晴らしいので、ぜひ近くからじっくり観賞しよう。

上がるときの階段もゴージャス。ドラゴンがぐるぐると、とぐろを巻いたデザインになっている。ヨーロッパなのかアジアなのかインドなのかよくわかたないが、とにかくギンギラギンである。

途中のオブジェ?も魅力的

ステンドグラスの階から、さらに細いらせん階段を上がると、ご本尊様に到達する。その前にこのフロアに点在する美術品を眺めておこう。歴史的なものではないだろうが、けっこうパンチが効いている。全てウィリヤパン氏の所蔵のものだ。

おお、こんなところにプミポン前国王が。この方は本当に人気があるよね。

こういうデコ系のオブジェが多い。壁や柱の細工も細かい。

最上階!御本尊さまに会えた

ようやくすれ違えるほどの幅しかない、らせん階段を延々と登っていく。これがけっこうきつい。途中、休憩できる場所がほぼないので覚悟して登ろう。ご本尊様に近づくほど涼しくなってくる。下のホールはエアコンが効いていないが、上のご本尊様ホールはガンガンにエアコンが効いているのだ。

ようやく到達。こちらご本尊様。なんとも妖艶でミステリアス。この近くではなるべく床に座って拝観すべし。象の頭の中なんだろうか、天井の形がそれっぽい。

この構造は仏教でいうところの極楽を表していて、建物の上階が須弥山(しゅみせん)、下階が地獄。中国や香港、台湾なんかでもこういう宗教施設は見かけることがある。それにしてもなんと華やかなことよ。

ちょっと交通は不便だけど、不思議ワールドに興味のある人は、ぜひ訪ねてみて欲しい。こちらが公式サイトURL