予想を超える美味!ガチョウのロースト

現地人おすすめ「阿城鵝肉」

旅先で美味しいものを食べたいときは、現地の人に聞くのがいちばん。「阿城鵝肉(アーチェンウーロウ)」は台湾ガールズも台湾版食べログ「愛食記」もタクシーの運転手さんも「あそこは美味いよね!」と絶賛するガチョウ肉の専門店。場所はMRT「松江南京」の北へ7~8分ほど歩いたところにある。

ちょっと並ぶけどあきらめちゃダメ

店は真っ赤な看板が目印。内装も赤。台湾では縁起のいい色だ。たいていの時間帯は客が中の椅子と外のベンチで待っているけど、あきらめてはダメ。ここは長居する雰囲気ではなく(特に昼は)回転が速いので、店員さんに人数を言って順番に加わろう。

ここは、なぜか日本ではそれほど有名じゃない。つまり、まだ荒らされていない貴重なお店ということだ。お客さんはほぼローカル。待ってる間にメニューをもらえるので、じっくり検討できる。

入ってすぐ右手にカウンター。持ち帰りのオーダーと支払いはここで。昼間だけかもしれないが、タレや食器は自分で取りに行く半セルフサービスだった。

注文は伝票に書いて店員さんに渡す

こちらメニュー。自分で書き込むスタイルの伝票がついてくるのは、台湾にはよくあるスタイル。品数は非常に少ない。基本的にガチョウのロースト(2種類ある)+スープ+ご飯、である。あとは青菜炒めや小菜くらい。

一人用のローストがあるので、それをひと皿。あとはこういう店ではマストの「下水湯」と、ガチョウ脂をかけたご飯。基本3点セットにした。なお、ローストはスモーキーなタイプと白いタイプがあり、黙ってたらスモーキーが出てくる、ということはおすすめはそっちかな。

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肉汁したたるガチョウにうっとり

高雄でも香港でも「カモ」や「ガチョウ」の美味しい店には突撃してきたけれど、この「阿城鵝肉」(アーチェンウーロウ)」はダントツ美味い。ホテルに持ち帰ってビールのお供にするものよさげ。甘辛い味付けが多いアジアのローストで、きっぱり甘さがないのも私好み(かなり気に入った♡)

名前はアレだが美味しい「下水湯」

さて、スープが来たよ。名前でびっくりする人が多いけれど「下水湯」はシャーシェイタン(シャーシュイタン)といって、モツのスープ。決して下水の水で作ってるわけではない。このような食堂ではよくメニューに載っている。これと同じジャンルに「四神湯(スーシェンタン)」というのがあるが、こちらは薬膳のスープ。台湾はスープの種類が豊富だ。

割と大きめの丼に、澄んだスープがたっぷり。具はガチョウのレバー、ハツ、砂ずり、そして台湾でよく食べる明日葉みたいな野菜、白髪ねぎ、生姜。上に乗っている緑の葉っぱは「九層塔(ジウチェンタ)」という台湾バジル。タイで出てくるホーリーバジルと同じだ。

スープの味わいは、あっさり。台湾のスープは「薄味すぎる」と思う人も多いだろうが、食事の際のお茶代わりなので薄くて正解なのである。でも出汁はしっかりきいているので、慣れてくると美味しく感じる。

絶品、ガチョウの脂かけご飯

ビール飲む人は「ご飯いらない」って言うかもだけど、これは食べてみて。絶対美味い。ガチョウのローストを焼くときにポタポタ出てくる脂を、ご飯にかけただけのものだけど、これが滅法いけるから!

メニュー名は「鵝油拌飯」、ウーヨウバンファンである。見た目は地味だけど、ガチョウの脂のコクのあること。ごまの香りもすばらしく、ここへ肉を乗せていただくと最高。

ちなみに中国語で鶏肉は「ジーロウ」、鴨肉は「ヤーロウ」、ガチョウ肉は「ウーロウ」、牛肉は「ニュウロウ」、猪(豚)肉は「ヂュウロウ」、羊肉は「ヤンロウ」である。日本人がカタカナ発音しても絶対わかってもらえなさそうなので、紙に書く方が早いかも。

すごいボリューム、ガチョウロースト

さてお肉の順番だ。もちろんカウンターに向かって左側のセルフコーナーで、タレや食器類をセットしておく。お箸もここよ。

タレはこのさらっとしたやつと、ドロッとした味噌みたいなのがあった。薬味がたくさんありすぎてわからんので、辛味だけ持ってきた。ここらは好みでOK。私は何もつけない方が美味いと思った。またはお酢をひとたらし。

このボリュームよ。一人前よ。そしてきれいなフィレだわ、よくガチョウは骨ばっかりで身のないやつに当たるけど、これはしっかり肉。絶妙な脂の量で素晴らしい。では、さっそく一切れそのままで。

うまーーーーい!なにこれ、汁がしたたる!ジューシー。噛むともっと肉汁。そして肉は弾力があってスモークの香りがふわっと口の中に広がる。やや味が濃いのでご飯があってよかった。こうなったら最上級に美味しい食べ方してやる!

これや~。ガチョウの脂ご飯の上にローストを乗せ、肉の下に敷かれていた針ショウガをトッピング。肉汁も回しかけて、さらっと系のタレをわずかに。うむむ、これはヤバいっす先輩(誰)ルーローハン食べてる場合ちゃう。

肉、ご飯、スープ、どれも味・ボリュームともに文句なし。これで日本円1000円しない。次は友達連れて夜の飲み会で訪れたい。この美味い肉と台湾ビールを合わせてみたいのだ。

ちなみに本店はMRTでうーんと南下した「海山駅」からタクシーで10分くらいのところにある「阿城鵝肉 土城総店」らしい。でもちょっと観光客には遠いかな。