「魯肉飯」を食べて「京劇」鑑賞

「髯張(ひげちょう)魯肉飯」へ

この旅行記は2012年の記録です。そのまま再掲してますが、今と少し情報が異なる部分があることをご了承ください。

MRTに乗り、民権西路駅にやってきた。今夜はこれから京劇を観にいくのだが、その前にちょいと腹ごしらえ。台北の町に何件かある、カジュアルな魯肉飯の店、その名も「髯張魯肉飯(ヒゲのルーロー飯屋)」へ。

魯肉飯は台湾の牛丼みたいなもの

「髯張魯肉飯」は桃園空港にもあるので知名度が高い。日本にも何軒か出店していると聞いたことがある。日本語で「ひげちょう」の愛称、中国語では「ズーシュージャンルーローファン」だ。ここのオーナーはヒゲを剃る間も惜しんで修行に励んだので、ヒゲの張さんと呼ばれるようになり、それが店名になったとか。

「魯肉飯(ルーローハン)」とは、台湾版の吉牛みたいなものだろう。「魯」は「煮る」を意味する中国語で、煮卵が「魯蛋(ルーダン)」、甘辛い煮込み料理が「魯味(ルーメイ)」である。「魯肉」は甘辛く炊いた肉で、にんにく、生姜、八角、花椒がきいている。これをご飯にかけていただく、台湾の国民食だ。

私が食べたのは小椀31元。ご飯茶碗くらいのサイズで、味が濃いもの苦手な私でも大丈夫な濃度。ちょこんと乗ったつけものは、奈良漬みたいな味で、日本統治時代に台湾に浸透した「たくあん」が添えてある店も多い。

台湾を代表するスープ「四神湯」
こちらは「四神湯」。台湾語で言えば「スーシンタン」、北京語だと「スーシェンタン」だろうか。豚のモツをやわらかく煮たスープに、穀物があれこれ入っている。台湾の鉄板とも言える漢方スープだが、全くクセがない。

台湾の汁物の特徴である「超薄味」で、たしか日本円で100円ちょいだったのだが、この具沢山。全て体にいい漢方なので、おかずとしても優秀である。結局、食事はこの2品で足りてしまった。

飲み物は、となりにあるジュースのチェーン店「50嵐(ウーシーラン)」で買った、マンゴー緑茶を持ち込み@台湾スタイル。がつっとしたフルーツジュースが飲みたかったんだけど、メニューにさらっと系のお茶しか見つからなかった。

マンゴーのソースが緑茶の底に沈んでる。台湾では氷と砂糖の量を選べるので「氷少な目、砂糖半分」でオーダー。それでもけっこう甘い。

【DLして持っていこう:台湾ドリンクオーダー表】

ちなみに、すぐ近くに吉牛もあった(笑)だれも入ってない。たぶん、圧倒的に値段が高いからじゃないだろうか。

この他にも、くるくる寿司がたくさん目に付いた。こっちは客が多い。もう寿司は世界でスタンダードになってしまっているのだろう。

「台北戯棚/Taipei EYE」で京劇鑑賞

民権西路をちょっと南へ下ったところにある、ビルの中の小さな劇場。ここで京劇が見られると聞いて、やってきた。名前は「台北戯棚」。台湾語で言うと「タイペイシーボン」なのだが、観光客用に「台北戯棚(Taipei EYE)=タイペイ‧アイ」という呼び名になっているらしい。

「台北戯棚」の起こりは日本統治時代

「京劇」はそもそもは18世紀末以降に北京で隆盛した古典演劇で、台湾古来のものではないのだけれど、日本統治時代に商売人であった辜顕栄氏が「台湾新舞台」の名で上海から京劇班を呼び、福建と地元の歌仔戯班とともに上演を始めた。戦火で一時は廃されたものの、1997年に辜氏の家族が台北市に「新舞台」を再建し、それが現在の「台北戯棚」につながっているという。

チケットは公式HPや観光サイトから予約して、現地で支払う。私が利用した観光案内サイト(今は閉鎖)は予約特典で自動的に割引になるらしく、880元の15%オフ。2000円くらいか。(2012年価格)今日は土曜だから、普段のステージより長くて二部制。そのぶん少しお値段も高め。

実は私はあの京劇の衣装やヘッドドレス、独特の発声に非常に興味があり、いちど本場で見てみたいと憧れていたのだ。看板をみると、大好きなレスリー・チャンの演じた「覇王別姫」の雰囲気が!きゃうー、すてき~~

入り口では係の方がエスコート

ビルに入ると、黒スーツの兄ちゃん&姉ちゃんが日本語でエスコート。きっと日本人がいっぱい来るのだろう。お茶のサービスまである。しかし椅子がないww ホールで待たせて、エレベーターに詰め込んで上まで上げる方式のようだ。なぜかは不明。

上の劇場前ではみやげ物用の京劇グッズの販売があったり、役者さんのメーク風景が見られたり、記念撮影、衣装の試着などにぎやかだ。でもなんか、今どきっぽいメイク道具なのね…

こちらは伝統工芸品。お人形が並ぶ。どれも素晴らしい細工!素晴らしい値段!www

とか見ているうちにステージが始まるサインが。ここは全席自由席なので、早い者勝ちで座らないといけない。

ステージは右側に字幕が出るけど、左側に座っても十分に見える。中央あたりにJTBの白いカバーのかかった席があるけど、予約席ではないので座ってOK。

華やかなステージ、日本人向けw

壁には「福禄寿」のライティング。おめでたいムード。さていよいよライトが暗くなり、どんな演目が見られるのかと思ってたら、なんだか第一部は京劇でなかったみたい。

これは少数民族の舞踊だそうで、まあこれはこれで楽しかった。

ただ、後半になると客がステージに連れ出されて一緒に踊らされる。無理にではないけど、けっこう大量に出されるので、嫌な人はきっぱり断るしかない。

そして第二部。こんどは京劇のようだ。ただ、あくまでも伝統芸能の京劇ではなく、京劇をベースとしたアクロバット芝居と思った方がいいだろう。

例の独特の発声もなかったし、お題も龍こそ出てきたが、古典ではない。楽しく京劇の雰囲気を楽しみたい人向けの、入門編としてはわかりやすいプログラムだと思う。

「台北戯棚/Taipei EYE」公式サイト

帰りにタクシーを探して歩いていたら、ハシユキオに会ったww

そしてホテル帰着後は、お風呂にゆっくりつかってタイワンピージゥー。明日は早起きして有名な「朝ごはん屋さん」に行くよ~~