NZ北島、いよいよ奥地へ入る

ホビットの里、マタマタは緑の秘境

がっつり眠って目覚めた朝。この日はモーテルに泊まったが、こっちはさすがに土地が広くて、2階建てとか平屋とか家一軒まるごと貸す方式。アメリカの田舎のモーテルの防犯ゆるい版、といったところか。何しろ扉がガラス戸で、タペストリーで防がないと外から丸見え(笑)

モーテル広すぎて戸惑う日本人w
私が泊まったのは2階建て棟の2階。いちばん小さな部屋だったが、リビングにキングサイズベッド、寝室にはクイーンサイズベッドが二つあって6人泊まれるキッチン付だった。これで6000円ちょい。
朝食がわりに、昨日同行者が近所のフルーツショップから買ってきてくれた葡萄をいただく。地元の農家で採れたのだろう。非常にみずみずしくて美味だった。
「マタマタ」は「顔顔」というマオリ語
今日はケンブリッジから車で30分ほどのマタマタへ向かう。マタマタ(Mata Mata)はマオリ語の地名で、意味は「顔顔」。偉大なる酋長をあらわす「顔の中の顔」といったニュアンスなのだそう。北島の中央あたりに位置する丘陵地帯で、人口より羊が多いような村だが、数年前から観光客が訪れるようになった。
それは、映画「ロードオブザリング」に出てくるホビット村のロケ地にここが選ばれ、ホビットの家のセットが牧場内に残されたままになっているからだ。
通常は映画のセットは撮影が終わると撤収されるが、天候不順で撤去ができず、そのまま置いて帰ったのを利用して始めた見学ツアーが大人気。今では日に数回の有料ツアーが催行され、気軽に立ち寄ることもできなくなった(実際、入り口の写真を撮っていると「金を払わないならあっちへ行け」と言われた)

しかし牧場内に入らずとも、このあたりはまさにホビットが出てきそうな、雄大な丘陵の光景が楽しめる。もし私が監督なら、映画のセットにこの光景を使いたいと思うだろう。

特に、都会で暮らしている人間にとっては空気の匂いが格別だ。肺が洗われるような、まっさらな空気。NZは本当に美しい国である。

NZといえば、ひつじさんたち

こちらは、牧場の囲いの中のひつじ達。私がカメラを持って近づくと、一斉に後ずさりした。昨日のフレンドリーな馬たちと大違いだ。

気の小さい動物ということもあるが、飼われ方の影響の方が大きいだろう。その証拠にこの2日後、私はフレンドリーすぎるひつじに遭遇することになる(笑)

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NZ版ドライブインでお昼ごはん

さあ、ランチ。今から向かうTaupo(タウポ)への途中の街道沿いのレストランへ。何軒か並んだ中からエスプレッソカフェ「Alley Cat」にて、屋外テーブルをチョイスした。NZでは外メシが気持ちよい!
欧米系の国はみんなイモが好きだなぁw
エンチラーダスが残りひとつだったので同行者に譲り、ナチョスをオーダー。想像通りのドッサリ系が出てきたぞ(笑)うーん、油っこいしサワークリーム多すぎて半分しか無理だ。まあ、イギリス領だったらこんなもんか。
同行者が食べてたフィッシュ&チップス。昨日の店より量的に上品だ。野菜もついてる。こっちがよかったかな。
それにしても、NZ人はイモ好きね。NZだけじゃない、ドイツもフランスもマルタも、どこ行ってもフレンチフライかマッシュがついてくる。私は米が食べたいんだよ~~

緑のボトルがかわいい「ジンジャービア」。NZではおなじみのドリンクなのだそうだ。ビアというからアルコールが入っているかと思いきや、ノンアルコール。昨日のランチのときに地元民が飲んでて、なんだこれと思っていたのだ。

味は、いたってまろやか。酸味はほとんどなく、あっさりした甘みの炭酸がのどを通ると、ほわっ、ぴり、とショウガが香る。どっちかというと素朴な味わいだ。お酒を割るのによさげ。

タウポ湖と温泉のある中部地方

ランチの後、向かったのはTaupo(タウポ)。北島の真ん中くらいに当たり、国でいちばん大きな湖、タウポ湖があることで有名だ。

景勝地「フカ」は「泡」という意味

ここら中部地方はロトルアをはじめ、温泉があちこちで出るのだと地元民が言っていた。マオリ語でタウポの意味は聞き忘れたが、近辺で最も有名な景勝地、「Huka(フカ)」は「泡」をあらわすのだそうだ。なるほど、見て納得。まるでバブルバスを川に流したように、真っ白な泡状の水がごうごうと流れている。

ワイカト河という大きな川の支流にあたるようだが、水量がハンパじゃない。落ちたら大変。さらに、その先は落差は低いものの、ゴージャスな滝になっていて、観光客が多数やってくる。交通量の少ない国道から少し入っただけで、こんな場所があるなんて、びっくりだ。

日本じゃ土産物屋や看板などが並んで景観が台無しになるところが、さすがにNZは自然のまま、というのが素晴らしい。

また今夜も無駄に広い部屋に泊まる

この日は、この行程の途中に何件か立ち寄り、へとへとになってホテルへ。小さなロッジが多い土地柄ゆえ、全員同じところに部屋は取れず、私と同僚の女性二人はネットで探して良さげだった「フォールズシャトー」という宿へ。二階建てのアパートメントタイプで、私が泊まった部屋はコネクティングルーム。人数に合わせて中扉を開けたり閉めたりして広さを調整する格好だ。

ご覧のようにサンデッキから入り、中はリビングとベッドルーム、バスルーム。ところが、一人で泊まるため中扉を閉められてしまい、向こう側にあるキッチンが使えない。

しかもここの管理人(ロッジなのでフロントはない)ひととおり説明すると「鍵は出るときポストに入れておいて」と言って、去ってしまった(待ってぇ)

さらに、そんな時に限ってトラブルが。なんとエアコンなどの電源が入らなくなってしまったのである。寒いのに!テレビ見たいのに!(涙)

このトラブルでテンパってしまい、カメラを忘れてこの日のディナーの写真はなし。せっかくタウポ湖のほとりでイタリアンだったのに。まぁ、食べたのはパスタ程度だったけど(笑)寒いし今日はあれこれ訪問先も多かったせいか、旅の疲れが増してきたので早めにベッドへ。明日は、さらに南下して北島南端をめざす。