野生フラミンゴの森を抜けてゾウガメランドへ

ゾウガメ飼育センターへ

ようこそ、ゾウガメ天国へ

「イサベラ島には何もない」とさんざん書いておいて何だが、ぜひ行っていただきたい施設がある。それが、街の北側にある「ゾウガメ飼育センター」。

本来の名前は「Centro de Crianza Tortugas Gigantes Arnaldo Tupiza Chamaidan」である。

場所は赤いピンマークの場所。街からは車でも行けるが、おすすめは徒歩。施設の入り口まで、美しい森の中の遊歩道があり、野生動物や固有植物が目を楽しませてくれる。アクセス所要時間はおばちゃんの足でちんたら30分くらい。若者ならもっと余裕でたどり着けるはず。

乱獲によるゾウガメ減少は国の大問題

ガラパゴスは生態系の保護に力を入れてはいるものの、移民が始まったころ連れてきた家畜の影響、さらに船員が食用として捕獲したことから激減。ガラパゴスゾウガメは現在まで、2015年に発見されたファウストガメ(Chelonoidis donfaustoi)を入れて全15種で、なんとそのうち3種が絶滅している。

そこで、エクアドル政府は近年、希少種の保護を最優先課題に掲げている。このイサベラ島のゾウガメ飼育センターもそんな保護施設のひとつ。ここではイサベラ固有種のゾウガメ5種の飼育・繁殖を行っている。

海沿い、「イグアナクロッシングホテル」の横に、下の写真の看板がある。そこを入っていくとウッドデッキの道があるので、せっせと歩いて行こう。一本道なので迷うことはない。

入ってすぐに、この看板。さっきの写真にもチラッと写っていたが、とにかくイサベラ島はイグアナちゃんが多い。足元注意、チビさんを踏んだら死んでしまう。

そして通り道に団体様が・・・。この入り口付近は特に固まってるみたいなので、ほんと気をつけて!

スポンサーリンク

Across the Nature Park

野生のフラミンゴがいらっしゃいませ~

中の道はこのような感じ。ときどき、上に気が生い茂ってトンネルみたいになってるところも。よく整備されているので歩きにくくはないけど、ヒールでは無理があるだろう。あと、自然の中なので虫やトカゲはわんさかいる。まあ、ここまで来てキャーとか言う人はいないだろうけど。

あと、気をつけておきたいのが飲み水。ビーチサイドの小売店を過ぎると、施設に着くまで水の補給が一切できない。人もあんまり通らない。年中涼しいガラパゴスだが、やはり赤道直下。具合が悪くならないように、しっかり水分をキープしてトレッキングしよう。

 

10分ほど歩いたあたりだろうか。赤茶色の水をたたえた湖が見えてくる。その中になにやら鳥のような影が・・・

田舎の川によくいるシラサギ?大きさはそんな感じだけど。しかし!よく見ると!!!野生のフラミンゴ!

うわ~、何羽もいる!ほんとにピンク色、きれい、めっちゃきれい!うわ~~、テレビと動物園でしかみたことない。ほんとに片足で立ってるし。

フラミンゴはエサに含まれる色素で羽根に色がついていると聞くが、そうなるとこの赤茶けた水には色素が含まれているんだろうか。この湖は帰りにも通ったが、そのときも何羽か姿を見かけた。ぜひ見逃さないよう、湖に出たらウォッチングしてみて。

鳥と虫が好きな人にもいいと思うの

どんどん進む。途中、休憩コーナーもあるので疲れたら休める。ベンチは虫さんチェックした方がいいぞ~(赤道直下)

虫さんがいっぱいいるということは、それを狙って鳥さんもいっぱい。オペラグラス持ってきたらよかった。

私はもう一生分のゾウガメを見た

入場は無料、毎日がゾウガメ祭り

到着!車で来た人はここが駐車場前。でもやっぱりあんな面白いコース、歩かないともったいない。体力のない人は、タクシーで来て帰りだけ歩いてもいいかも。

入場料は無料なので、ずんずん入って見学させてもらおう。飼育員さんが働いてらっしゃるので、邪魔しないように回るべし。ゲート近くには小さな売店があり、ようやくここで水が購入できる。

いらっしゃいました。ゾウガメ軍団。大きいのから小さいのまで。全ての個体に番号がつけられ、飼育員さんのチェックが入る。大切な種なのでVIP待遇である。

団子になってるゾウガメの子供たち。水の中にも入るんだね。

 

ここで育って、元の島に帰される子供たち

ここで繁殖させたゾウガメは、何年か後にもともとの生息場所に帰されるそうだ。いろんなサイズのゾウガメたち、大人になるころには私はもう死んでるかもしれない。

カメ、カメ、カメ。私はきっともう普通の人の一生分のゾウガメを見たかもしれない。でも、さすがにゾウガメは街の中で見られないので、ここまで来てよかった。

この2匹はケンカしているところよ。攻めているのが右のカメ。人間は馬乗りになって相手をやっつけるけど、カメはなんと相手の下に入る。ひっくり返した方が勝ちなんだね!(プチ感動)

正しいカメの数え方とは・・・

ひっくり返しつながりで、この写真…。何してるところだと思う?

実はカメの数をカウントしているところ!飼育員さんが全てのカメを裏返し、元に戻しながら数をチェックしていく。いくらカメでもちょこまか動かれると数えられないけど、こうすると動けなくなる。ナイスアイデア♪

(たぶん苦労した末に編み出された技だと思われる)

施設内には資料館もあり、ゾウガメの生態や環境について学べる。左は雄と雌の見分け方。オスの方がしっぽが長い?これも裏返さないとわからんのか。

そして予想はしていたけど、彼らのカップリングは非常に難儀なんだそうな。人生(カメ生)長いのでがんばってほしい。

ちなみに、こうやって国が大切に保護していても、悪い人たちがゾウガメを盗んでいく事件が起こっている。この施設も以前に123匹もの小ガメが盗まれたそうで、密売目的の可能性が高い。環境やエサが悪いと死んでしまうだろうに。ひどい話だ。

Flamingo Lake

町の近くでもフラミンゴ見られます

遊歩道の途中でフラミンゴを見つけてはしゃいだけど、実は街の中にもあるのさ、フラミンゴの湖。

場所はここ。緑の丸がさっきの遊歩道の入り口。その北東にある。けっこう大きな湖で、表通りからは入り込んでいるので、目の前に開けたときはちょっとびっくりする。しかもなんと水がピンク。サンタクルス島の奥地でも見かけた、天然ピンクの湖。すっごく幻想的。

湖のビジュアルとしては、さっきの赤茶色の湖よりこっちがいい。しかし、フラミンゴが遠いのよ~~(笑)

周りにはウッドデッキが張り巡らされているので歩きやすいけど、ところどころ傷んで穴が開いているので注意を!

ようやくフラミンゴちゃんを目視できた。遊歩道にいたのより、さらに色が濃くてポップだ。

かわいいな~と思って眺めていると、後ろから「ヘーイ!ここで何してるの~」と声がかかった。誰やと思って振り返ると、私をフェリーまで強制送還しそうになった海上タクシーのドライバーじゃないか(爆)実はこの後、もう一回違う場所でも彼と遭遇した。ほんま狭い町やで~~~w

El Pollo Sabroson

迷ったときはチキンだぜ

お客さん、いい店を発掘してきましたよ。チキンお好き?ここはガイドブックにもまだ出てない穴場。

場所は私が泊まった「パライソ・デ・イサベラ」から徒歩3分。グーグルマップにない道(黄色い線)は狭い路地になっていて、赤い丸のあたりに「El Pollo Sabroson」というチキン専門店がある。とは言ってもセビチェとか中華っぽいのとか、あれこれ置いてるので好みの分かれるグループでも大丈夫そう。

店の左側がテーブル席、真ん中が厨房、その右にカウンターとレジがある。ホール係のお姉さんに店内で食べていくことを伝え、席をキープ。頭上のテレビではサッカー。鬼の形相で見ているおっさん数人。たぶん常連だろう。

メニューは厨房前にも貼ってあるし、お姉さんに頼んでも持ってきてもらえる。完全にスペイン語。ここの名物であろう、Pollo(ポヨ=チキン)の1/4をオーダー。値段は9.5ドル。「ノ、パパス(フライドポテトはいらないよ)」と言ったのでちょうどいいかなと思ったが、運ばれてきたものを見て「1/6(最小)にすればよかった」と後悔した。ごはんや豆がどっさりついてきたのだ。

特にこの豆の量!食べても食べても減らんわよw しかし味は良かった。チキンの皮がパリパリ。胸肉はちょっとパサパサで好みではなかったけど、欧米人には喜ばれるだろう。7時を過ぎると、地元の人がどっと来てお持ち帰りしていた。ローカルな名店と言ったところか。

飲み物は南米といえばの「インカ・コーラ」(1.5ドル)。ほんとはペルーの飲み物だけど、日本にも輸入されている。チープな炭酸の味がたまらんの。

Ferry Again

ようやくグンカンドリを見た!

さて、イサベラを去る日が来た。またあの殺人的なフェリーに乗らねばならぬ。すでに出航2時間前に薬を飲んで、船着き場近くのベンチで横になっていたら「グルル…」

おおっアシカに唸られた。縄張りがあるのか。仕方がないのでビーチでふにゃけて意識を朦朧とさせる。船はこれが面倒。そのうち乗船の呼び出しがかかり、デッキに行くと上空に影が!「おおおお~!グンカンドリ!」

みんなスマホかざして写真撮りまくり!けっこう近くまできたけど、なかなか胸の赤い部分は写真には写らないね~。でも肉眼ではしっかり見えた。見送ってくれてありがとう!

次はサンタクルスで数時間滞在して(寝るだけ)再びフェリーに乗船。最後の島「サンクリストバル」へ。旅はまだまだ続く。