「ダーウィン研究所」はゾウガメ天国!

ガラパゴス諸島のホテルについて

リゾート地ではなく、自然と同化する場所

宿の説明に入る前に、ざくっとガラパゴスのホテルについて語っておきたい。他の観光地と違って、少しだけ注意が必要だ。

まず…星がいくつもついた高級ホテルはない。厳密にいうと高級ホテルはわずかにあるけど、いわゆるリゾート地のラグジュアリー感あふれる宿ではなく、自然と一体化するような施設が多い。ここは手つかずの自然を求めてやってくるところだからだ。

そんでもって我々プロレタリアな人々が泊まる所と言えば、地元の人が家族経営している宿である。これは鉄筋のものもあれば、民家を改造したようなゲストハウスまでいろいろ。大手のホテル予約サイトの中ではBooking.comが最も件数が多かったと思う。Airbnbも同じようなホテルが並んでいる。値段が各サイトで違うので、よーく見て選ぼう。

相場としてはシャワー付きの1人部屋で1泊20ドルから40ドルくらい。バックパッカーさんのブログでは「島に行ってから交渉したら15ドルになった」などの記述が多いが、私の場合は着いてから探す時間と体力が惜しいので日本から予約した。支払いは基本的に現地で現金払いである。

覚悟しておいてほしいポイント

★英語が通じない・・・ホテルの受付で通じなくて焦る
★問い合わせに返事が来ない・・・ネット環境の悪さか?
★ネットの写真と違う・・・設備も違う、なにこれw
★何かが壊れてる・・・最後は気にしなくなった

とりあえず、都会の常識が通用しないと考えた方が気が楽だ。ここにはガラパゴス時間が流れ、ガラパゴスルールで生活が成り立っている。日本のように電車がジャストタイムに来る方が世界の中では珍しいことなのだ。大事なことなので声を大にして言う。

いいか、細かいことは気にするな。

それがガラパゴスを楽しむ最大のコツである。

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HOTEL BRISAS DEL PACIFICO

市民市場ど真ん前の中規模ホテル

さてホテルを紹介しよう。

サンタクルス島の中心地「プエルト・アヨラ」の地図をごらんあれ。メインストリートは、緑で囲んだエリアを横切る、その名も「チャールズ・ダーウィン通り」である。西はフェリーの港、東は「ダーウィン研究所」まで、歩いても30分くらいしかない道沿いに、ゲストハウス、ショップ、飲食店などが並んでいる。

南側にある「プラヤ・ロス・アレマネス」は、船でわずか数分の楽園。もちろん島の奥地へ行けばもっとすごい絶景があるが、観光客が手軽にアクセスできるため、非常に人気が高い。

茶色の線は空港からのバスルート。この通りを港に向かって南下してくる。その途中、オレンジ色で囲んだエリアが旅行代理店やダイビングショップの多い通りで、私がチョイスしたホテル「ホテル ブリサス デル パシフィコ (HOTEL BRISAS DEL PACIFICO)」は、このエリアにある。

ちょっと繁華街から遠いけど「まあ歩けるかな~」と考えていたが、もう少しチャールズ・ダーウィン通りに近い方が便利だった。ただでさえ食べる店が少ないガラパゴスなのに、奥に行くと本当に選択肢がなくなるのだ。

空港からのバスが着いた場所からは3分くらい。目の前に市民市場があり、野菜や果物の山盛りを横目で見ながらエントランスへ。あひゃー、誰もいないよ(洗礼)

「オラ~、オラ~」と叫んでいると。、10代くらいの男の子が裏からやってきた。しかし「予約してるんですが」と言っても英語が理解できないらしく、もしもの場合のためにプリントしてきたバウチャーを見せて、ようやく部屋へ。もうこの時点で不安がいっぱいw

ネット掲載の部屋はどこにもなかったw

そして部屋へ入ると「えっ」・・・予約サイトで見ていた内装と全く違うじゃないか。電話は断線(本当に線がちぎれてるw)し、なんかいろいろ足りないものがありすぎてw

後でようやく英語が通じる(と言っても60%くらい)お姉さんが受付に現れたので「部屋が間違ってない?」と聞いたところ「あの写真の部屋はない」とニッコリ。そうか~、ないならしかたないな。私もガラパゴスモードでいくことにしよう。

ちなみに中庭は写真で見たとおりだった。何の説明もなかったけど、朝食会場はこの庭を抜けて2階に上がったところにあり、翌朝行ったらおばちゃまがリストを見ながら「あなた朝食ないプランよ」と言われた(いや、朝食付きプランやし!お金払うてるし!w)

なんかいろいろオモロイなあ、ガラパゴス!w

チャール・ズダーウィン研究所へ

Herbario de la Estacion Cientifica Charles Darwin

ホテルに荷物を置いて、最初に向かったのがこの島のメイン観光施設「チャールズ・ダーウィン研究所」。サンタクルス島はガラパゴスの中で交通の要所であるかわりに、見どころがとぼしい(と言っても日本人からすればパラダイス)が、この研究所だけは何があっても見逃して帰るわけにいかない重要ポイントだ。

まず、行くまでの道で気分があがる。チャールズ・ダーウィン通りをひたすら30分くらい歩くうち、見たこともないサボテンや青い海、表現しようのないコバルトの空にふわふわした気持ちになる。

そのうち足元に何か動くものを見つけて目をやると、でたーーーー第一イグアナ!君を待っていたーーー!そしてガラパゴス独特の真っ赤なカニやペリカンも!

歩きスマホなんかしてたら、うっかりイグアナ赤ちゃんを踏んでしまうぞ!まあ、この島に来てそんなことをしてる人はいないけどね。だって、スマホの中よりすごい世界が目の前に広がってるもの。

ゾウガメの大好物、それは毒リンゴ

研究所が近づいてくると、ダーウィンさんが三次元で登場。最初は上のダーウィンさん、そして下のダーウィンさんが見えたら、もうそこはダーウィン研究所の敷地に近い。

途中、大きな木のそばに看板があった。「peligro」ってスペイン語で「危険」という意味?このエリアは「Manzanillo」の生育地です…

そうか、例のゾウガメがエサにするという毒りんごが生えてるから、間違って食べないでねと言うことか~。なぜかゾウガメさん、そんな劇物をお好みになるようで。

ぜひ研究所にドネーションを!

到着。ここが研究所の入り口。

料金は無料だけど、この施設と環境を保護するために、世界中から寄付金が集められ、多くのボランティアが働いている。皆さんも、もし行かれたら少額でもいいので、ぜひドネーションを!

なお、この研究所は商業施設ではないので職員さんの昼休憩がある。そのあいだはクローズドなのでご注意を。開館は7時30分~12時30分 14時00分~17時30分(変更の可能性があるので直前に公式サイトで確認を)

チャールズ・ダーウィン研究所公式サイト >>

では早速入ってみよう!ここは入り口と場内にいくつか建物があるけれど、メインは広い広い屋外の飼育場。もちろん舗装などされていない。しっかり歩ける靴と、汚れてもいい服装で訪れよう。

敷地内はほぼ自然環境のまま

ゆっくり回ると2時間はかかりそう

メインホールにはいきなりクジラの骨がどーん。ゾウガメの生態についての論文や、ガラパゴスの環境についての展示がある。ゾウガメって繁殖する島によって、甲羅の形や背の高さ、エサにするものも違うそうな。みんな同じに見えていたけど、そう言われてみると個性がある。

メインホールを出たところにカフェがあり、冷たい水を一本購入。1.5ドル。島には自動販売機もコンビニもない。途中の雑貨屋で買ってくるか、このカフェで買うか。水道水は飲めないので、島での飲料水の確保は重要問題だ。

カフェの屋外テーブルに座っていたら、ガラパゴス・フィンチが飛んできて、目の前に落ちてる羽虫を食べていた。うーん、大自然~。

赤ちゃんゾウガメの可愛さにキュン♡

水分を補給したらフィールドへ。案内板を見ながら進むと、いるわいるわ、ゾウガメさんたちが勢ぞろい。しかも、さすがに飼育されているだけあって、大きさが赤ちゃんサイズからマッチョまで。

 

赤ちゃん、めっちゃかわいいのよ。そして不思議と並んでポーズを取ってくれるゾウガメたち。ちょっとだけイグアナもいたけど、ほぼゾウガメ。

整列してくださってありがとうございます。

有名なロンサム・ジョージさんもいらっしゃった。

Lonesome George.jpg
By Info2Learn投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link

昨年までこの研究所にいたのよね。今は残念ながらお亡くなりになり、剥製となって展示されている。ピンタ島の最後のゾウガメさん。なぜか写真が真っ黒だったので、ウィキ様からお借りした。

そういえばガラパゴスってゾウガメの意味なのだそうだ。スペイン語でゾウガメを表す「galápago」が語源。ただし、正式名称ではコロンブスの島という意味の「コロン諸島(Archipiélago de Colón)」らしい。ええっ、ややこしいからもうガラパゴスでええやんw

さーて、明日からはもっと自然の奥深くへ突入するにゃ~。